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2015年07月02日
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カテゴリ:横川典視
 木曜担当のよこてんです。

 先週予告した様に、今回は馬運車編その2!です。

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 水沢競馬場で開催がある時は、盛岡競馬場所属の馬たちは馬運車によって順次輸送されております。レースの時間に合わせて出発し、レースが終わればまたそれに合わせて帰ってくる・・・というパターン。頭数によっては馬運車一台だったり二台だったり。

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★配車票
 これは帰りの分の配車票なんですが、行きの分も同様に“○レースの馬を○頭積んで・・・”と配分されています。
 馬のクセなどにあわせて“隣の馬との間にカーテンをつける”とか書き込まれてもいます。実際に積み込む際には運転手さんと厩務員さんが打ち合わせをして確認。そのあたりの「あの馬はこんなクセがある、この馬はこういう乗せ方をしないとダメ」みたいな把握は、ドライバーさんたちも非常に詳しいです。

 今回の取材時は水沢開催なので比較的頭数が少なめ・往復する馬運車の数も少なめ。盛岡開催の場合は水沢から来る頭数が多いので馬運車の数も多くなります(注・水沢競馬場の方の在厩頭数が多いため)。

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★盛岡競馬場内にある輸送センター
 盛岡側の馬運車の基地。馬運車の出発・到着、高速道路に乗った・降りた等の際には無線でここに連絡。

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 出発時刻が近づくと厩務員さんに引かれた馬がやって来ます。“乗客”が乗り終わると出発です。

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 盛岡競馬場からは市道・県道を通って盛岡南ICへ。最初からカーブやアップダウン、はたまた車が多い道を通り抜けますが、そこはベテランドライバーの腕でスムーズに通過。
 ちょうどこのあたりでは復興道路「盛岡宮古横断道路」の都南川目区間の工事がたけなわになりつつあり、大型ダンプとすれ違う事も多くなっています。ここが完成すると細い山道の上り下りが少し減るかな? 完成は3年後の予定。

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 盛岡→水沢間を同乗させていただいたのはコアレスレーサー号、運転手は久慈さん。以前雑誌「テシオ」で取材させて貰った時も久慈さんでした。ちょうど9年前になりますが覚えて下さっていました。

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★「テシオ」2006年6・7月号より。当時の久慈さん。バックは当時の担当車ダイドウスター号。

 久慈さんは馬運車のドライバーになる前は生コンミキサー車を運転していたそうです。「生コンミキサー車は重心が高いから横転しやすいんですよ」とか「沖のケーソンまで生コンを運ぶ仕事をやったんですが、そこが狭くて転回できないからと、長い浮き桟橋をバックで走ったことがありました。揺れるし波しぶきで滑りやすいし、あの仕事はさすがに肝が冷えましたね」とか、かつての“武勇伝”を聞かせていただいたのも前回の取材時の事。

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 馬運車は東北道を快調に南下。水沢ICで高速を降ります。特に混み合う事もなく、高速道路は走行時間40分で通過しました。ちなみに盛岡競馬場から水沢競馬場までの所要時間は1時間15分で計算しているそうです。

 細かい話ですけども、以前同乗した時は凄く揺れが少なくてスムーズだなと感じたのですが、今回は結構揺れる所が多いような気がしました。そんな事を久慈さんに訊ねてみると、やはり震災の影響が道路の凹凸に少し残っているのだとか。そのせいで昔よりも揺れるように感じるのでしょう、と。

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 水沢ICを通過すると厩務員さん達が降り支度を開始。ほどなく水沢競馬場へ、通用門側から入ってつなぎ厩舎の横に止まって水沢競馬場到着です。馬を降ろして車内を片付けて片道の行程が終了となります。

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★車内のボロなどを、他のドライバーさん達も協力して綺麗にします

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★盛岡の馬が水沢競馬場で入るつなぎ厩舎

 帰りは最終レース後に出発する「トウケイニセイ」号に乗せていただきました。ドライバーは畠山さん。
 畠山さんは宅配便の拠点間輸送の長距離トラックを運転していたベテランドライバー。馬運車のドライバーさんは大型トラックやトレーラーから移ってきた人が多いのです。

 さて、この便は最終レースに出走した馬を積んで帰る予定なのですが、その最終レースでは盛岡所属馬が1着含め揃って上位に入ったので、乗って帰る予定の馬が採尿対象になりました。
 これが最後の便ですから検査が終わるまで待たなくてはなりません。早く終わればいいなあ・・・と話しながら待つこと30分ほど。採尿が終わった馬がやってきました。

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 早かったねえ、というやりとりもそこそこに出発準備開始。てきぱき馬を積み込みます。そうして水沢競馬場を出発したのは、さきほど採尿が終わった馬が帰ってきてからわずか5分後だったのですから、さすがの手際よさですよね。

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★水沢競馬場から出発~

 行きの逆ルートを通って盛岡競馬場へ。高速上は90km/hペースを維持して安定した走行。

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 「90km/h」というのはですね、馬運車は速度抑制装置、いわゆるリミッターが装着されているため90km/h以上の速度が出ないんですね。
 畠山さんいわく「アクセルをベタ踏みしているんだけど、スピードもエンジンの回転数も一定になるんだよね。高速の運転は楽だよ。燃費も良いしね(笑)」。
 という事で小ネタ。『馬運車の速度は90km/h』。高速道路で馬運車に出会った時に目安として参考にしてください(笑)。燃費は4~5km/Lだそうですよ。

 もうひとつ小ネタです。馬運車はこうして高速道路を通ったりしながら競馬場間を往復するわけですが、事故とか降雪で通行止めになった時はどうしているのでしょう?
 「そういう時のためにね、あちこちに“抜け道”を考えておくのさ。○インターと○インターの間が通行止めだったらどこどこを抜けて・・・とか、途中のインターチェンジまでで不通になっているならどの道を通ってどこに出て・・・とかね」と畠山さん。
 もちろん、馬運車は大型トラック並みのサイズがありますから、抜け道といってもそうそうどこでも通るわけにはいきません。馬運車が通行できる道路でかつ緊急時にもあまり混まないルート。それをいくつかのパターンで頭に入れておく事が“肝”なのだそうです。
 そしてそんな時には、馬運車のドライバーさんの間でも情報のやりとりをしています。どこどこが渋滞している、反対車線で事故があったようだ・・・と、何か異変があった場合はドライバーさんの間で連絡を取りあって、もし通行止めになりそうなら早めに回避ルートに進む・・・みたいな事も行っています。そんな目に見えない部分での連携が競馬開催を支えているわけですね。
 だからもし皆さんが、普段は見ないような所を走っている馬運車を見かけたとしたら・・・。その時は高速道路で事故等があったから・・・なのかもしれませんよ。

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 盛岡南ICで高速を降りる頃にはだいぶ薄暗くなってきました。今は夏開催の時間割でも日が長い分明るいですが、これが冬になると、最終レースが2時間以上早くとも水沢競馬場を出る頃には既に真っ暗になっています。

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 盛岡競馬場到着。灯りが付いてないスタンドを横目に厩舎エリアへ。馬を降ろすと輸送終了です。

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★それぞれの厩舎へと帰っていく馬と厩務員さん

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★ドライバーさんもお疲れさまでした!

 今回は「馬運車の輸送」を採り上げてみました。競馬開催を支えるまさしく縁の下の力持ち。雨が降ろうが雪が降ろうが、例え高速道路が閉鎖されていたとしてもつつがなく競馬ができるのには、これら馬運車とそのベテランドライバーさんたちの存在も大きく貢献していると思います。
 皆さんが馬運車を見かけたら、「頑張って!」「お疲れさま!」と、心の中で結構ですので応援していただければ幸いです。
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最終更新日  2015年07月02日 22時45分28秒



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