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カテゴリ:古谷 剛彦
金曜日は古谷が担当します。
函館2歳Sに挑戦したホッカイドウ競馬所属の2頭は、バンドオンザランが9着、ピンクドッグウッドは16着と残念な結果に終わりました。レース後の関係者のコメントはこちらをご覧下さい。 2012年に函館競馬は8週間の開催から6週と短縮され、ラベンダー賞が廃止されました。このことを受け、ホッカイドウ競馬所属馬は、JRA上級認定(重賞やオープン特別)の勝ち馬がストレートに、函館2歳Sへの出走が可能となりました。しかし、初めての芝挑戦がいきなり重賞となったことで、これ以降のホッカイドウ競馬勢による入着は、ハッピースプリント(5着)とタイニーダンサー(4着)の2頭しかいません。 「勝ち馬だけが函館2歳Sに出走可能となると、前哨戦の勝ち馬はダート馬の確率が高くなると思います。過去に函館2歳Sで好走した馬は、栄冠賞などでラベンダー賞の出走権を獲得し、芝で本領発揮できたタイプばかりだったと思います。それでも芝適性が高いと感じた馬で挑戦したこともありましたが、初芝となると物見をして、案外前半に置かれるケースが目立ちます。最近の成績が今一つなのは、その辺りも影響しているかもしれません」 と、田中淳師はこれまでの経験から、厳しい戦いは覚悟していましたが、やはり…という結果になりました。それでも、地方馬がJRAの重賞にチャレンジできる機会があるのは、2歳戦の大目標としてホッカイドウ競馬に大きく貢献しています。経験を積むことにより、ノウハウを得ていつの日か、函館2歳Sで好勝負を演じる馬が再び登場することを切に願いたいと思います。 さて、28日の門別競馬場は、6年ぶり5頭目の三冠馬誕生なるか!?が注目された「第37回王冠賞」が行われました。二冠馬・スティールキングは、北海道2歳優駿でタイニーダンサーの2着に健闘した実力馬。これだけの馬がホッカイドウ競馬に残ってくれたのは、昨年のオヤコダカに続いたことになります。そのオヤコダカも、北海優駿ではスタート直後の落馬競走中止で、三冠を逃しています。北斗盃、北海優駿を全く寄せ付けない圧勝を演じたスティールキングにとって、三冠の可能性は非常に高いと誰もが感じていたと思います。 (スティールキング) しかし、今週の雨の影響で、馬場は一気に悪くなったことを受け、前残りが顕著な馬場状態になっていました。逃げるジャストフォファンは、北斗盃2着、北海優駿3着と、いずれも逃げての敗戦でしたが、この馬場を味方にし、北海優駿からの距離短縮で巻き返しへの期待も高まりました。 (ジャストフォファン) レースは予想通り、ジャストフォファンが逃げてスティールキングはサッと2番手につける展開。不良馬場を意識し、前半から速い流れが作られました。僕が採った時計で、 12秒7-11秒3-12秒3-12秒1-11秒9 という前半のラップ。向正面に入った3F目以降、ペースが微妙に上がっているのがポイントでしょう。 「これまでの二冠が、自分自身はマイペースだと思っていた流れであっさりスティールキングに交わされ、失速のような形で敗れましたから、今回は不良馬場も考慮して積極的に逃げようと思いました」 と阿部龍騎手。ペースは落ちていなかったものの、 「案外とリラックスして走ることができていました」 と、最後まで何とかこらえてくれそうな雰囲気はあったようです。最後の1Fは13秒9と掛かりましたが、スティールキングの脚色も同じとなり、最後の一冠をジャストフォファンが奪取しました。 「ジャストフォファンにとっては、芝のオパールカップを使ったことが今回につながったのかなと思います。今後は大井の黒潮盃に行く予定です」 と角川師。2着のスティールキング、桑村騎手は 「馬場も考えて早めに動きましたが、前が止まらない状況で自身も伸びていたんですが残念です。龍(ジャストフォファン)が道中、肩ムチを入れていたので、手応えがなさそうに感じたんですが…」 と悔しそうな様子で話していました。 競馬に絶対はない…。創設元年から3歳三冠賞を手にする馬が誕生するかと思いましたが、改めて三冠を勝つことの難しさを教えてくれた1戦だったと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年07月30日 02時55分43秒
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