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映画ドラマ・千一夜

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September 7, 2008
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カテゴリ:韓国ドラマ
総合点:87 ★★★★+
(シナリオ・せりふ)=9 (新規性・音楽)=8.9 (キャラクターの描き方)=8.8

●2006年度 韓国ドラマ MBC 企画:ユン・ジェムン 演出:シン・ヒョンチャン 脚本:ソン・ウネ 出演:
◇コン・ユ(ソ・ゴン役):
オーストラリア・シドニーで漁師兼配達人として働く好青年。だが、或る理由で偽装結婚に手を染め、ギャングとも付き合って金を儲けようとしている黒い面を持つ。幼い頃に両親を亡くし、妹とはぐれ、彼女との再会を胸に秘めている。
◇ソン・ユリ(ソ・ハヌル役):
テソングループの会長の家に養女となったピアノの上手なお嬢様。今はパク・へウォンとして生きているが、施設に居るときはソ・ハヌルという名前だった。15年前に分かれる事になった実の兄・ゴンを待ちわびている。
◇ナムグン・ミン(カン・ドンハ役):
家を出たハヌルが勤務することになった水族館のチーフ。気障で恰好付けだが、実はナイーブな面を持つ好青年。事故で恋人を亡くしている。気の強いハヌルと最初は喧嘩するが、次第に彼女に心惹かれ、愛するようになる。
◇イ・ヨニ(ク・ヒョジュ役):
シドニーでゴンと共に暮らすク一家の一人娘。ゴンに憧れ、恋している。心臓病を患い、手術が必要だが、ク家は貧しく、その費用が工面できずにいる。
◇チョン・ドンファン(パク・ジングォン役):
ハヌルの養父、テソングループの会長。いつも無口で無表情だが、内実は妻思いの男。
◇ソヌ・ウンスク(チ・スヒョン役):
ハヌルの養母。娘・ヘウォンを亡くし、後、ハヌルをヘウォンとして育てている。
◇ユ・ハジュン(パク・テウォン役):
ハヌルの兄。美しく育つハヌルを愛してしまう。
◇イ・ギョル(ク・ギョンテク役):
ゴンの養父。ヒョジュとヨンチャンの父親。昔、ゴンの父親の運転手をしていた。
●お話(あらすじ)
 ク一家はオーストラリアに移民し、シドニーで細々と暮らしていた。父親のギョンテクには娘・ヒョジュと息子・ヨンチャンが居るが、或る理由で幼い頃に連れてくることになったソ・ゴンも、自分の子供のように育てている。ゴンは普段は海に潜って魚を採り、それで生計を立てていたが、ギャングとの付き合いもあり、不法滞在者向けの結婚詐欺にも手を貸している・・・。
 或る日、ギャングの麻薬売買金受け渡し現場に現れたゴン、その金をまんまと強奪するが、それは、ヒョジュの心臓手術のための費用だった。
 その頃、強制送還された女を追って韓国に行ったソンチャンは、バスの中でつい手が動き、美人女子高生の財布を盗む。ところが、その財布にしまわれていた一枚の写真から、その娘が子供の頃、施設で別れることになったゴンの妹・ハヌルであることが分かる。
 今は富豪の家の養女になったハヌル。だが、彼女は兄のテウォンの度を越える愛情と、人形として育てられている自分に悩み、家を出る決心をする。
********************** 多少ネタバレします *******************
●2006年作品ということで、大分演出がこなれています。普通なら3人の登場人物の恋愛相関か、4人ものの仕立てとなるのですが、ここでは幾分か複雑な人物配置を取って、絡まった糸を解いて行くような工夫が為され、その辺りに新規性が感じられます。(インターネットに載っている放送局のドラマ紹介文は、幾分か実際と合わない感じがしました)
●初回からしばらく、シドニーロケのシーンが続きます。「パリの恋人」や「プラハの恋人」、更には「春のワルツ」と言ったドラマでそういう構成が取られているのですが、これが意外といつも、功を奏するように思います。異国の世界の描写が新鮮に感じられるし、しかも映像撮影が大変に旨く、高台から見た街の様子はイクセレントです。(特に、緑に囲まれカラフルな家が並ぶ丘が見せる風景や、その上に輝く青い空の明るさが素晴らしい。僕もオーストラリアには4回、行っていますが、オーストラリアはこの明るさが、なんと言っても魅力です。ドラマシーンに出てくるレストランや商店の並び、看板にテイクアウトに「何ドル!」とチョークで書かれた表示を見ると、なんだか凄く嬉しく、懐かしく感じられました)
●このドラマの主題は、一つには海です。それも魚の世界にあって、アクアリウムの大水槽で泳ぐ熱帯魚やサメなどが、大変効果的です。物語の主人公は紹介文にあるように、無論ゴンなのでしょうが、多少のワル仕立ての情けない面のある彼に比べて、芯がしっかりしていて、人生の行く末を果敢に選んで生きるハヌルが、本当には物語の主軸です。よって、彼女が好む海と魚の世界が、ここでは非常に大きな意味を持っている。
 ゴンが棲む事になる家にも水槽が置かれ、彼がハヌルへのプレゼントに熱帯魚を買って帰るシーンや、ハヌルがゴンの仕業に悩んで、海に慰めてもらいに行くシーンなども、無理ない物語シーンになっています。
●物語の後半では、ハヌルの本当の父親が判明して、それでまた、ゴンは悩む事になるのですが、この辺りはなかなか脚本的にはよく考えられている。終わり方も納得の行く範囲ですが、ま、最後のシーンは、明るいオーストラリアの海に駆けて行くゴンとハヌルのような、もっと開放的な演出でも良かったかな? と思いました。
●ソン・ユリさんは、「いつか楽園で」や「千年の恋」の頃が、若くて凄く可愛らしく思いましたが、ここでは、だいぶ大人の感じがしましたね。でも、ベートーベンの悲愴のソナタの第一楽章を弾いて見せるなど、素敵です・・・。(本人が弾いてます。でも、本当のピアニストは、あの倍は早く演奏します・・・このドラマでは、僕らが演奏できるくらいの速度で遣ってましたね)
●ゴンの対抗として、ハヌルを愛するカン・ドンハ役のナムグム・ミン・シー・・・。普通のシーンの仏頂面に近い表情と、凄く素敵な笑顔(キム・ジェウォンに似てる!)の落差があって、演技が楽しめました。ドンハ・チーフのせりふ・性格はかなり面白かったです。
●ドラマの中で、ハヌルがゴンを呼ぶシーンに、「テコンV」が出てきます。無論、これはアニメの主人公で、主人公が困ったときに呼ぶと助けに来てくれるスーパーロボットです。言わば、主人公には「神様」と言ってもよい。
 ハヌルは酔った時も、関係が悪化して謝罪できないときも、言い訳や理由を言いにくいときも、「テッコンV 出動!(=テッコンブイ、シュットン!)」と携帯電話でゴンを呼びます。
 この発想が非常に旨い。重くなりがちなストーリーラインを軽くするし、ハヌルのキュートさを引き立たせるし、愛する娘にこう要請されると、出動しないわけには行かないですねえ・・・男としては。その辺り、体育会系を感じさせるコン・ユの持つフィーチャーも良く生かされています。
 こういう工夫は、韓国の演出家は旨いと思います。
●また、子供の頃のゴンとハヌルの思い出のシーンが、毎回の最後に出てくるのですが、その子役が二人共にいいですね。魚に興味を持つハヌルの表情も素敵だし、ゴンの笑顔もイクセレントです。
●一方で、心臓を患っているはずのヒョジュは動きがいつも快活で、役者さんの健康がそのまま出てしまっています。ちょっと惜しい。心臓患っていると、とてもああいう快活な動きは出来ないです。惜しいところです。
●ということで、全般的に脚本が良く考えられ、演出が凝っていて、よく仕上がっている方のドラマだなあ、と感じました。「陽」の感じのするドラマですね。





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Last updated  September 7, 2008 07:25:24 AM
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