映画ドラマ・千一夜

総合点：89　★★★★＋
（主人公の魅力度）=9.3　（シナリオ）=8.9 　(意外に笑う！)=8.9　（音楽）=8.5

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●2006年度　韓国ドラマ　ＭＢＣ（全１８話）　演出：イ・スンリョル
●出演：
◇ソン・ミジュ役（ユ・ホジョン）
　アメリカ・ロスに住むバツイチの女性歯科医、37歳。ジュンという16歳の息子が居る。離婚後の苦労で家の修理から電気のことまで何でも分かるが、料理は苦手。息子の成長を機に韓国へ戻って、自分と息子を捨てたチャン・ソクに復讐しようとする。
◇チョン・ソク役（チョン・ウンイン）
　妻が院長をしている総合病院に勤める美容整形医。妻のウニョンとは不倫からスタートし、ミジュと離婚後結婚、今は幸せな家庭を営んでいる。ハナという幼稚園に通う娘がいる。小心者で優柔不断、けちである。
◇キム・ウニョン役（イム・ジウン）
　小さな総合病院院長で医者。娘ハナを愛し、夫ソクを尻に敷いているが、実は不倫の経験も・・・。
◇ルーキー＝本名チャン・ウジン役（イ・ギウ）
　プロ野球投手。大リーグからのスカウトもあるようなスターである。両親を亡くしており、人恋しく、自分の家を持っている。大リーグへの転向を機に家を空ける事になり、期限付きでミジュに貸し出すことに・・・。
◇ダリム役
　ウジンを好きな若い娘。少し打算的だが、根は可愛い性格の娘でお嬢さん。
◇コ・サンミ役（サガン）
　専業主婦。ウジンの家の隣に住む弁護士のヤン・ジファンの妻。夫に愛されていないと思い詰め、心理的に参って万引きをしたりしている。田舎の出身で、義理の母親や夫の妹・ダリムからは家政婦扱いされている
◇ヤン・ジファン役（チャン・ドンジク）
　弁護士。英語会話が旨く有能だが、家庭生活は旨く行っていない。妻に浮気を疑われている。
◇ペク・オクニョン役（チョン・ジュナ）
　ダリムのお見合い相手。裕福な事業家の息子。
*******************以降、多少、ネタバレします******************
●感想
　設定も雰囲気も普通のホームドラマ、という感じなのですが、どうか面白くて随所で笑ってしまいました。このドラマの主役は勿論、ミジュで、彼女の明るい性格や何事にもめげずに努力する姿勢などがひときわ優れて好感が持てるのですが、自分に尽くしてくれるそのミジュを振り切って暮らす妙に小心なチャン・ソクの性格の描き方も、なかなかに旨い。二人が周囲に知られずに知力で戦うあたりに、相互の誤算もあって面白く描かれ、どうも妙に可笑しかった！
　登場人物では、性格としても言動としても、しっかりしているのはミジュとルーキー、それにミジュの息子のジュンという感じですが、その彼らにも時に、ほんのり可愛らしい場面があって、笑えるところを見せている。脚本はなかなかに良かったです。
●さて、ミジュは３７歳の主婦という想定ですが、演ずるユ・ホジョンは実は実年齢なんですね・・・。それが、彼女は正面右手辺りから見ると、都会的な知的美人に見え（ＤＶＤの表紙の感じ）、でも、彼女の右側側面からのシーンでは、どこにでもいるような「人の良い普通のおばさん」・・・という感じがする。この辺りにどうも不思議な魅力があります。それに、歩く姿を見ていると、どう見ても少女みたいなんですよね、彼女・・・。
　まあ、なんともその魅力が素敵で、このドラマは彼女あってのドラマだなあ、と途中から感じるようになりました。インターネットに載っていた種々の感想でも、「有名な俳優がいないのに、何か見れるドラマ」というのがありましたが、同感です。
　一方、彼女を好きになるルーキーですが、彼は体格も立派だし、行動も機敏で絵になっている。でも、野球の場面はちょっと素人的かな？（合格の範囲と思いますが）　また、少し演技が堅いところもあるけれど、このくらいの方がルーキーらしくて良いかも・・・。
●このドラマでは、韓国にドラマにありがちな「不治の病」とかそういうのがあるわけではないけれど、「平凡な日常＋アルファ１」みたいなところで、妙に細部まで旨く演出がなされていた。終わったあとも、何かこういうシチュエイションにずっと嵌っていたいな・・・、というような懐かしいような感じが、久々にありました。（こういうのがあると、★４つ＋以上になります）
●最後に。
　ジュンを遣っている少年が、日ハムのダルビッシュ選手によく似ているんですよね・・・。