映画ドラマ・千一夜

評点　★★★★☆～★★★★★　脚本／演出=98　演技=96

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●2011年度　韓国ドラマ　SBS　全20話　演出：チョ・ヨングァン　脚本：ソ・ヒョンギョン
●キャスト：
◇ソン・イギョン/シン・ジヒョン（憑依している時）／イ・ヨウォン（二役）
　恋人の死を受け入れられずに自分を失って生きている女性。知らない間に、眠っている自分の肉体にシン・ジヒョンの魂が憑依してしまう。
◇シン・ジヒョン／ナム・ギュリ
　明るくおおらかな性格のシンガ産業社長の一人娘。単純姫、と呼ばれている。インジョン、ソウとは仲良しで、山で出会った男＝カン・ミノとの結婚を控えている。
◇ハン・ガン／チョ・ヒョンジェ
　ジヒョンの高校時代の友達。アメリカの名門大学出身の建築士でワインバーを経営している。ソウルへ、かつて好きだったジヒョンを探しに来たのだが・・・。
◇カン・ミノ／ペ・スビン
　シンガ産業の室長で有能な男。ジヒョンを山で助けた縁で、彼女と結婚することに・・・。
◇シン・インジョン‐ソ・ジヘ
　シンガ産業で社長の秘書をしている。ジヒョンの親友。
◇スケジューラ＝ソン・イス／チョン・イル
　体から抜け出た魂を、死後の世界に引導する役割を持つ。スマートで自由奔放な男。前世となった生前の記憶はない。予定になかったジヒョンの事故のせいで、彼女を管理することになる。
●あらすじ
　シンガ産業社長の一人娘・ジヒョンは、山の遭難から自分を救ってくれた男性カン・ミノと期待していた結婚を間近にしていたが、或る道を走行中、不意の事故に会い、意識のない状態に陥る。生と死の境界にあるのだが、目の前に現れた冥府への仲介者＝スケジューラは、冥府の“予定”にない死であったため、彼女に条件付きで生き返る機会を与える。その条件とは、「血縁者以外の、彼女を心から愛する3人の涙を得ること」。
　「27年間の人生で、本当の涙を流してくれる3人くらい、いないはずがない」―。しかし、魂となって徘徊する彼女は、生きている間に気づけなかった、自分の人生の“裏側”と向き合うことになる。
*************　多少ネタバレします　************
●感想
　体から魂が抜け出る話は、「カムバック、スネさん」＝魂が交換されてしまう、が出来が良かったですが、ここでもその要素を非常に上手く利用しており、出来の良いドラマです。
　特に上手いなあ、と思ったのは、スケジューラの存在で、冥府行きスケジューラ専用の携帯を持っているとか、担当区域が決まっているとか、担当者の援助をするとか、ともあれ、奔放な発想で諸所、楽しませてくれます。空いた時間は、自分の好きな音楽をやっている、なんかも、なかなか優れた発想でした。
●ここでは、ジヒョンが体から抜け出た後に、物体には触れることができない、とか、それなのに、或る女性には憑依して、その体で自由に動き回れる、というようなドラマ中のルールが特に優れていて、結婚前の自分を、友達がどういうふうに思っていたか、とか、自分を本当に愛していてくれたのは誰か、というようなことが次第に見えてくる件は、大変よく吟味されていて、しっかりした構成でした。
　構成がしっかりしているとともに、彼女が、自分を罠にはめた男と対峙するときに、敢然と立ち向かう様子や、そのセリフが視聴者側に、毎回予測が出来ず、驚きをもたらす上手い出来であることや、また、相手の男にも大きな弱点があって、次第に頭が混乱する様子なども、人間の心理の一面を伺わせて、納得行くストーリーでした。
●キャストは豪華です。いずれもどれかのドラマで主役を演じているような人ばかり、贅沢なドラマですね！
●ということで、久々のお勧めドラマですが、終わり方は綺麗すぎるかな？　ま、こんなもんかもしれませんが・・・。（ぜひ、見ていただきたいドラマです）

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