一般に会社が破産した場合,
破産管財人が(大抵の場合は弁護士から)選任され,会社の資産をお金に換えていき,そこから手続きのために必要な費用を差し引き,残ったお金を債権者に分けていく。
このような一般の破産手続きは,裁判所の監督のもとに行われるのが通常である。
このような手続きでは大抵の場合,債権の半分以上,場合によっては債権全額が戻ってこないのである。
預金も銀行に対する債権であり,銀行の破綻で預けた預金が戻ってこないような事態が生じれば,世の中が混乱してしまうことはわかるであろう。それこそ,安心して銀行預金ができなくなってしまう。
そこで,昭和46年から出来た制度が
預金保険制度である。集めた預金には自動的に保険がかかり,預金の一部が保険料として
預金保険機構に支払われているのである。
銀行が破綻した場合,裁判所の監督のもとに行われる破産手続きは行われない。
金融庁が
金融整理管財人なる者を選任し,じっくりと
時間をかけて金融機関を整理していく。そしてお金の足りない分については
預金保険機構から保険金が支払われ,預金者の預金が保護される,というしくみである。
本来
「ペイオフ」というのは,銀行が破綻した際に預金保険機構から保険金が支払われることをさしていたのである。これまでは,銀行が破綻した場合には預金は全額保護されてきた。
不足分をすべて預金保険機構からの保険金でまかなってきたのである。
しかし,平成17年4月から,当座預金等の決済用預金を除いた一般預金について,
元本1000万円までとその利息は全額保護するが,
それを超える部分については破綻した銀行の財務状況に応じて払い戻す,ということになる。
場合によっては預金が一部戻らなくなる場合が生じ得るのである。このように,銀行が破綻した場合に預金の内の1000万円を超える部分が一部カットされる事もあり得る,という意味で
「ペイオフ」という言葉が現在一般に使われているのである。
これまで裁判所とは何の関係もなさそうなことばかり書いてきた。どこで裁判所と結びつくのか,という疑問があるだろう。明日の日記では,
ペイオフ解禁によってどんな訴訟提起がなされる可能性があるかについて書きたい。
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