最近西武のアマチュア選手への裏金問題に端を発して、何を血迷ったか高野連
は高校球界の特待生制度の一掃を宣言した。
確かに戦後すぐ?にできた学生野球憲章にそういう規定があるようだが、これ
だけ定着した制度に今更化石のような規定を持ち出して、夏の甲子園目前に全面
禁止とは、高野連のお役人的発想に呆れるばかりである。これまで現状を黙認し
てきた責任は高野連には無いのだろうか。
目前に迫った甲子園出場を目指して苦しい練習に耐えてきた選手の気持ちを考
えているのだろうか?特待生が出場できないばかりに各地で強豪校が予選で敗退
したり出場を辞退する事態が続出しているという。その中には努力で特待生を破
ってレギュラーを勝ち取った一般生徒も数多くいる。そう野球はチームスポーツ
で影響は本人だけに留まらないのである。規則だから…というのは人間としてど
うかと思う。私も特待生になるような大した選手ではなかったが小学校から大学
まで体育会系の部活をやっていたから故障で試合に出られなかった経験があり悔
しい思いをしたのを今でも覚えている、ましてや自分の預かり知らぬところで出
場できない気持ちはいかばかりだろう…?
すぐにもこの5月中の特待生制度の廃止を求めているという。一見豊かな時代
になったように見えて、まだまだこの特待生制度でやっと高校進学が叶ったとい
う生徒も数多くいて、この制度が廃止されたら退学を余儀なくされるケースもあ
るという。奨学金制度などの受け皿整備をせずして、即刻制度廃止せよとはちょ
っと頭が足りないとしか思えない。野球生命を絶つだけでなく生徒の高校生活そ
のものを絶つことになりかねないのである。
アマチュアリズムについては盛んに議論されるところではあるが、時代が戦後
すぐとは確実に違っていることを認識しなければならない。筋論だけでなく現在
の高校生のスポーツ環境を考えれば、野球だけが特待生を認めないでは済まない
状況になっているのが分からないのだろうか?全国高等学校体育連盟というのが
あり32の競技種目を統括しているそうで、高校生のスポーツの全てではないだろ
うが、主な競技は含まれているようである。そこに野球が入っていないこと自体
が不思議でならない。高野連という独自の組織を持つ必要性があるのかどうか甚
だ疑問である。そこに野球だけが特待生制度を認めず、その他の競技は認められ
るという何とも不思議な高校生の競技間での格差が生まれているのだと思う。
ここは規則規則にとらわれずに、時代を認識した高野連の世間一般に通用する
判断を望みたい。そういえばどこぞの組織も今時考えられないような規則を持ち
出したり、世間一般には通用しそうもない決まりを勝手に作って部下に押しつけ
るような輩がいました・・どこにもいるんですねぇ・・古い価値観から抜け出せ
ずにいる人が・・。
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