ニュースより、ペルー南部プノ州の荒野で、隕石(いんせき)落下でできたと見られるクレーターから出たガスのため、周辺住民約200人が頭痛や吐き気などを起こす騒ぎがあった。
ペルーの隕石落下現場目撃者によると、飛行機の騒音のような音が響き、輝く物体が空から落ちてきて地面に衝突、地響きを伴う大きな爆発音がした。
現場には深さ約6メートル、直径約30メートルの穴があき、落下直後には沸騰した水があふれ出していたという。
クレーターの大きさは直径約20メートル、深さ約5メートル。底には泥水のようなものがたまっている。
ペルー核エネルギー研究所の研究者はAFPに対し、「高精度の測定機器でも放射線は検出されなかった」とし体調不良は「衝突時の高熱により隕石から溶け出した硫黄、ヒ素など」が原因ではないかとの見方を示した。
近寄った住民ら約600人が相次いで体調の異変を訴える騒ぎが起きた。とロイター通信
〔隕石〕は1グラム当り1000円以上の価値があり、集めれば相当な金額になります。
地球に落下する隕石で、石質隕石(コンドライト)が多い。隕石の内部には、小さな球体(コンドリュールという)が多数含まれています。球体以外の部分は微細な鉱物で構成されており、マトリックスといいます。コンドリュールは地球の岩石には見られず、多くの石質隕石で観察される特徴です。また、コンドリュールを含んだ隕石はコンドライトと呼ばれています。
隕石の上部を見ると、黒色の薄い層が着いていることが分かります。この黒い層は溶融表皮(フュージョン・クラスト)と呼ばれ、隕石の表面でよく観察される特徴のひとつです。落下中の隕石の表面は、大気との摩擦熱で加熱されます。その熱によって、溶融表皮は形成されました。
火星や月から飛んできた隕石も(エコンドライト)のひとつで発見数に数えられた隕石は地表での風化作用を受けている。このため鉄隕石の発見数が多いのは、風化に強いためである。エコンドライトの数が少なくなっているのは、地球の岩石と見分けが付きにくいためでしょう。
南極で発見された隕石(南極隕石と呼ばれている)の数は、1995年までの統計で約15000個である。1979年には日本の観測隊が、昭和基地近くの大和山脈で3700個を超える隕石を発見した。桁違いの多さです。南極隕石には初めて発見された月起源の隕石や、火星からの隕石など、たいへん貴重なものが含まれている。日本隊が集めた南極隕石は東京板橋の国立極地研究所に保管されている。
「隕石の見分け方」 隕石の多くは地球の石とは異なる構造を持っており、ある程度、鑑定が可能です。鉄隕石の場合、ウィドマンシュテッテン構造の存在を確かめればよい。ニッケルが含有されていることを確かめてもよい。しかし、いずれも化学薬品を使用するので、一般の人には薦められない。石鉄隕石の場合、スライスしてみれば、容易に確認できる(エスケル隕石参照)。コンドライトの場合、丸い粒(コンドリュールや金属球)が含まれている(マーチソン隕石参照)。表面が黒く焼け焦がれている場合もある(アレンデ隕石参照)。また、鉄の含有量が地球の石に比べて多く、磁石に反応する。ただ、エイコンドライト場合、構造や構成鉱物が地球の石と似ているため、判定には専門的な分析が必要になる。ちなみに、一般の人が隕石の判定をしてもらう場合、東京・上野の国立科学博物館が適当でしょう。
ペルーではこの隕石落下地点の近くで大きな地震にも遭っている。この時の被害は8月21日現在で死者540人、負傷者15000人、倒壊家屋40000戸以上という大きな被害を出し、家を失った被災者は8万人を超えると推定されている。
ペルー中部沿岸部で2007年8月15日午後6時40分(日本時間16日午前8時40分)ごろ、強い地震が発生、震源地はリマ南南東145キロで、震源の深さは41キロ。地震の規模を示すマグニチュードは8.0(米国地質調査所)。