1739270 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

電子こうさくの家

電子こうさくの家

KT66シングル真空管アンプの製作

KT66シングル真空管アンプの製作


KT66AMP外観

このアンプは、春日無線変圧器さんから、アンプコンテストの景品で頂いたKT66と出力トランスを活用してアンプを製作しました。
KT66+OPT

回路は、ラジオ技術2008年3月号(長島 勝氏設計)の記事を基にしています。パーツも極力同じものを入手しました。

オリジナルの回路図ですが、春日無線変圧器さんのHPにあります。
長島勝氏ラジオ技術作品集 2008年3月号 KT66シングル・パワーアンプ

この回路の特徴として、PCL86アンプと同じく、K-NFBが施されており、オーバーオールNFB無しの回路です。PCL86アンプとの違いは、P-G帰還がありません。そのため歪み打ち消し効果を狙うため、μSGの低いFE83を選定したとのことです。出力はビーム管接続となっています。

1.シャーシ設計
シャーシー設計は、CAD(JW_CAD)で設計しました。プリントアウトしたとき寸法どおり印刷されるのでとても便利です。

リアパネルの加工ですが、RCA端子が多いのは、(1)CD(2)レコード(3)チューナ(4)カセットデッキ(5)PC(パソコン)を切り替えるためなんですよね。
サイドウッド付きです。高級な印象を出そうと試みました。このサイドウッドは100均で購入しまし、ニス塗装を数回行い艶を出しています。
KT66AMP加工図
KT66baxk_Panel
KT66アンプシャーシ加

2.部品実装
シャーシに部品を実装してみました。
部品を実装してみると、だんだん実感が湧いてきます。
KT66アンプ部品実装.jpg

ついでに真空管も実装!! おぉ~ 真空管をソケットに差し込むと、ますます実感が湧いてきます。(^^)
KT66アンプ真空管実装.jpg
KT66AMP正面

3.実体配線図/配線
シャーシ加工図や部品実装図をCADで書いていましたので、これもCAD化することにしました。
ちょっとカクカクしています!。ラグ端子を使った配線ですが、もう少しスッキリと、まとめたい気もします。
KT66内部配線

4.KT66アンプの音だし、調整
アンプの試聴と調整を行いました。ここで、ラジオ技術2008年3月号(長島 勝氏設計)との違いですが、電源トランスとチョークコイルもノグチトランス製で、同型番の色違い(黒)です。初段の真空管もFE83ですが、但し、アウトプットトランスについては、春日無線変圧器のKA-6625Sに変更されています。
KT66AMP試聴

オリジナルはPMF-10WSHとなっており、1次プレート電流が85mA流れるように設計されていましたが、今回使用したKA-6625Sのプレート電流はMAX70mAです。そのため、規格に入るようKT66カソード抵抗を180Ωから270Ωに変更しました。

最初、位相補償回路はオリジナル通りとし、KT66プレートと0V間に1000pF+1kΩと、0.68μF+10Ωがアウトプットトランスの2次側4Ω端子に入れていましたが、10kHz方形波をオシロスコープで観測すると、立ち上がりが悪い状態でした。

この状態で、試聴の第一印象ですが、低音部は厚みがあっていいのですが、中高音にアクセントがあり、少し派手な印象です。でも、ジャズには良さそう。ソニー・クラークのBULE MINORは、悪くなかった。(^^)

そこで、次に位相補償を徐々に軽くして行きました。最終的にはプレートと0V間の位相補償を無くし、トランス2次側の0.68μF+10Ωも取り外しました。

そのときのオシロ波形です。立ち上がりが良く、オーバーシュートもほんの僅かです。この波形から周波数特性が予測できますが、これは期待できそうです。
KT66真空管アンプ矩形波

調整後の回路図です。KT66シングル・パワーアンプ

調整を終えてから、再び試聴してみました。自画自賛かも知れませんが、繊細感も増し、クラシックも充分楽しめるようになりました。

ほんと!オーケストラ(ドボルザークの新世界/カラヤンやラフマニノフ、ピアノ協奏曲/アシュケナージ)が、これほど気持ちよく聴けるとは思いませんでした。

5.KT66シングルアンプの測定
KT66真空管アンプの周波数特性と歪特性を測定しました。
周波数特性については、10Kz方形波から高域の伸びが期待されましたが、予想通りの結果となりました。100KHz(-6dB)程度

次に歪特性ですが、0.001Wからプロットしました。出力とともに歪が増えるかと思いきや0.6W付近で下がって、その後出力ととも増えていきます。

このようなカーブを描いた理由ですが、このアンプは、P-G帰還やオーバーオールNFBをかけていません。そのため、初段にμSGの低いFE83EF83使用し、2次歪の打ち消しを狙っています。歪特性のグラフから丁度0.6W付近で歪を打ち消しあっているためだと思われます。

残留ノイズも良好で、左右とも0.5mV位でした。

KT66シングルアンプ特性

音には、関係ありませんが、初段の真空管をライトアップしています。こんな感じ.....
KT66AMPライトアップ

6.試聴したCD
試聴CD Kt66

7.このブログのKT66シングルアンプ関連の日記
KT66真空管アンプのシャーシ設計
KT66アンプの製作・シャーシ加工
KT66真空管アンプの部品を実装
KT66真空管アンプのインシュレータ
KT66アンプ実体配線図
KT66真空管アンプ音だし
KT66真空管アンプの調整
KT66シングルアンプの測定

HOMEへ戻る


© Rakuten Group, Inc.