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カテゴリ:井上オークス
7月6日、高知競馬場。第10レース、高知優駿(黒潮ダービー)。
7月のダービーは、1900mの戦いでございます。 昨年はスパイナルコードが圧勝しましたが、今年はなんだか混戦模様。 そのせいか、どの馬の陣営もお色気むんむん(?)でした。しかし。 「今年の3歳のなかでは、能力的にはあの馬が一番やろうね」と名前が挙がっていたのが、6枠6番のパッショネートキスでございます。 パッショネートキス(牡3歳、大関吉明厩舎) 大関吉明調教師はこう語ります。 「能力を出し切れば勝って当然。ところがこの馬にはチャランポランなところがあって、ぜんぜん真面目に走ってない。だから格下の相手にコロッと負けたりする」 一冠目の黒潮皐月賞では、2番手の位置取りでレースを進めるも、逃げ馬をなかなか捉えることができず、伏兵のタケショウクィーンやグランドオークに交わされて3着でした。 「あれはバテたんじゃなくて、イヤになってソラを使ったから負けてしまった。とにかくこの馬に関しては、“機嫌よう走るかどうか”が一番の問題やね。力は抜きんでていると思うよ。ただ、少し夏負けの兆候が出ているのが気がかりやね」 パッショネートキスの長所はどんなところですか? 「“一生懸命走ったら、どれぐらい強いのかな”と思わせてくれるところが、ええところじゃないかな(笑)」 鞍上を務める西川敏弘騎手も、 「能力はうちの馬が一番持っちゅう。あとは真面目に走ってくれさえすれば、勝てると思います」 と、パッショネートキスの精神的な成長に期待しているようです。 スパイナルコードもまた大関厩舎の馬で、西川騎手を背に昨年の黒潮ダービーを制しました。 大関&西川のタッグが、ダブルダービー連覇を果たすのでしょうか。 そして、1枠1番ヒカルヴィオーラも人気を集めそうです。 地元の3歳馬には一度も負けたことがないんです。 そんなヒカルヴィオーラの馬房を訪ねると……。 ヒカルヴィオーラ(牝3歳、田中守厩舎) お昼寝タイムでした。 田中守調教師は愛馬のキュートな寝姿に目を細めて、 「まだ顔が子供やろ(笑)?」 ホント、可愛らしいですね。 「この馬はまだまだ子供っぽくてねえ。ゲートに入ろうとせんことがあるから、今回は先入れにしてもらう。水曜日に、修次が気合い入れの攻め馬をつけた。『もうすぐレースやぞ』ってわからせるために」 小柄な牝馬だけに、馬体重が気になるのでは? 「今回は少しはプラス体重で出れるやろうと思うんやけど、この時期は汗をかくけえね」 ヒカルヴィオーラのセールスポイントは? 「先行力があって、ガンガン引っかかって行くようなところがないのがええね。距離は持つと思う。兵庫チャンピオンシップ(4月29日、園田競馬場、ダート1870m)のときぐらいのスタートを切ってくれたらなあ」 ヒカルヴィオーラの鞍上を務める赤岡修次騎手は、調教師と同じくゲートのことを気にかけながらも、7年ぶりの黒潮ダービー制覇に懸ける意気込みを語ってくれました。 「状態は悪くないと思います。1900mに近い距離を園田遠征で経験しているので、その経験を生かして頑張りたいですね!」 タケショウクィーン(牝3歳、雑賀正光厩舎) 黒潮皐月賞を制し、濱田達也騎手に初勝利を贈ったタケショウクィーン。 同馬を管理する雑賀正光調教師は、“馬場や展開が向けば”と、控え目な感じでした。 「九州ダービー栄城賞や関東オークスで強い馬と走ったけぇ、いくらか成長したと思う。距離も案外合うんじゃないかな? 4月頃から急に背が伸びたけど、体重が軽い馬だから、雨が降って馬場が締まったらチャンスだと思う。雨が降ると、みんなが先行しようとするからペースが速くなって、前が潰れたりするからね」 後方一気を決めた黒潮皐月賞は不良馬場で、ペースが速くなりましたもんね。 「でも、日曜日は晴れるみたいよ!」 そう言ってワハハと笑った、金曜日の雑賀調教師。 ところが土曜日、高知に雨が降ったんです。 午後には降り止んだのですが、土曜のレースはすべて「不良」で行われました。 レースの合間に、乗り役さんたちに「日曜は晴れそうだけど、馬場状態はダービーまでに回復しそうですか?」と訊ねてみると……。 「いや、この競馬場は水はけが悪いけえ、明日もビシャビシャよ」 「明日はかえって馬場が締まって、今日よりも時計が速くなるろう」 それって、タケショウクィーンにとって絶好の舞台設定? 船橋から武者修行に来ている濱田騎手は、「初勝利が重賞、2勝目も重賞」をダービーで成し遂げるのか!? そういえば――濱田騎手は土曜の最終レースで、ブービー人気の馬を2着に持ってきました。といっても、悔しい悔しいハナ差の2着。 悔しいハナ差負けが、「初勝利が重賞、2勝目も重賞、しかも2冠制覇」というどえらいサプライズに繋がるのでしょうか。 濱田騎手は、初勝利だけでなく佐賀遠征をプレゼントしてくれたタケショウクィーンのことが愛しくてたまらないようです。 「黒潮皐月賞のときよりも、体が大きくなってきているんですよ。ダービーを勝ちたいです!」 グランドオーク(牡3歳、別府真司厩舎) グランドオークがすごく気になります。なぜなら私はオークスだから。 それはさておき、いつも豪快な別府真司調教師(別府真衣騎手のお父さん)は、 「まだ子供なところがあるけ、揉まれると脆い。砂を被らないように、宮川実くんには『必ず先行するように』と指示します」 と言って、豪快に笑っていました。 テン乗りで鞍上を務める宮川実騎手、意気込みを語ってください! 「頑張ります」 それだけかい! ユウターエデン(牝3、田中譲二厩舎) 田中譲二調教師が予想紙を見て、「無印か~。ばかにしとるな~」と満面の笑みを浮かべて憤慨(?)していた、ユウターエデンも気になります。 「今まで乗っていた西川が前走(1着)のあと、『この馬、力つけてきた』ってゆうちょった。1900mやし、後ろでジーッとしとったらチャンスがあるかもよ。なあユタちゃん?」 高知に来て2連勝中のエムテイミニヨン(牝3、炭田健二厩舎)も気になります。 中西達也騎手(男38歳) 高知競馬が誇る男前ジョッキー、中西達也騎手が跨るし。 中西騎手は、土曜日の「明日はダービー特別」を勝ったし。 気になる馬がこじゃんとおるき。 ダービー前夜は悩ましいぞね。 ちなみに、わしが協賛する第7レースの「高知旅打ちSP特別」の“SP”は、「スペシャル」の略と見せかけて、実は「スペシャリスト」の略なんです。スペシャリストは高知の一番馬であり、金欠のわしを助けてくれた恩馬だから。 我ながらおしゃれな愛情表現やと、うふうふしながら協賛を申し込んだ次第です。 そしたらはからずも、第9レースの「ルビー特別」にスペシャリストの名が! ずっと遠征が続いていたスペシャリスト。 半年ぶりに地元で走る日に居合わせられるなんて、ツイちゅうがよ。 よし。日曜は早起きやき、もう寝るぞね。 日曜市にも行くきね。ほいたら、またね。 七夕の短冊に託すそれぞれの願い お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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