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カテゴリ:おすすめアルバム
Slipknot(スリップノット)の稀代の天才ボーカリストCorey Taylorが同ギタリストJames Rootとともに90年代前半Slipknot結成以前に作ったバンドである。 そのため一時解散していたが2002年にバンドを復活しアルバムを発表。 その後も4年おきにアルバムを制作し、この8月3rdアルバム『Audio Secrecy』(本作)をリリースした。
しかしとんでもなく完成度の高いアルバムが出来上がった。 全体としては90年代くらいから主流になってきたオルタナ系モダン・へヴィネスを加味しつつキャッチーなメロディを併せ持ったいわゆる現代アメリカにおける王道ハードロック(最近は「ハードロック」と書いちゃうとどうも軽い雰囲気が出てしまうから困る)である。 まぁこんな風に定義のよくわからない横文字を並べても勘違いされるのがオチなのでここはYouTubeの力を借りよう(最近全部このパターンだな苦笑) とにかく各々の曲の完成度が高いがゆえ“どれが一番”だと決められない。 本当に全曲を聴いてもらいたいと思わせる一枚である。 しかし強いて言うならば…実はこのバラードが一番優れているとボクは思った。 特にこの「Hesitate」におけるCoreyの説得力はハンパない。 間違いなく世界中のロックボーカリストの中で10本の指に入るであろうその歌唱力と表現力。 それを更に盛り立てるバックの安定した演奏力と感動的なアレンジ…まさにロックバラードの真髄を聴くことができる名曲である。 ボクはこの曲を初めて聴いた時、涙が溢れそうになった。 もちろん詞の内容も知らない。 ただとっても感動したんだ。 こんなことは2002年にリリースされたデフ・レパードの「Long, Long Way to Go」(from『X』)以来かな。 実はこのアルバムのメンバー・クレジットの横に大きく「DEDICATED IN LOVING MEMORY TO PAUL GRAY」と書かれている。 これはそう、今年5月に亡くなったSlipknotのベーシストPaul Grayのことである。 大切な仲間を失った悲しみ…そんな感情が彼の歌から溢れ出しているようだ。 R.I.P. その他にも素晴らしいナンバーが目白押しだが、とりあえずこの辺も聴いてほしいな。 非常にグルーブ感のあるリフがカッコイイ!! 若干軽い感じに仕上がってはいるが耳に残るサビのメロディと途中のボイスによる煽りとのコントラストが印象的である。 アルバム中、最もヘヴィな音作りがなされているナンバー。 たたみ込むような攻撃的なリフにやられる。 しかしポイントとなるサビではKING'S Xばりの素晴らしく美しいコーラス・ワークスが聴けて彼らの新しい側面を発見できる。 後半の3連フレーズの追い込みは緊張感がハンパない。 エンディングが少し残念かな。 さすがオフィシャルビデオとして発表されているだけあって文句なしにカッコイイ「Digital (Did You Tell)」。 実はボクがCDショップで試聴した時に一発で気に入ったのがこれ。 もう100点でしょう。 最後はやっぱりライブ映像も観ておかないとね。 ピー音とか首筋のタトゥーが気になるが、とりあえずこの気迫溢れるステージングは是非体験しておきたいものだ。 しかしいちいちリフがカッコイイ曲だなぁ。 いかがでしたか? この数曲だけでもお腹いっぱいでしょう。 このアルバムはメタルのジャンルに区分されるでしょうが、そんなに構えなくてもすんなり耳に入るメロディがあるためもしかしたら万人に受けるかもしれません。 是非この機会にご自身の音楽の幅を広げてみてはいかがでしょう。
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