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やっと当直が終わった。毎回書いていることだがやはり当直はいろいろと大変だ。これが当たり前だといわれてしまえばそれまでだが、やはりやる気をそぐ原因が多すぎるような気がしてならない。
まず人員不足。これは絶対的なことなのでどうしようもないのだが、やはりヘビーローテーションといわざるを得ない。一晩で20人近くを診て、その後も翌日遅くまで仕事をし続けるような当直が月に5~6回もあるなんて考えただけでも恐ろしすぎる。内科の当直規約では50歳以上の医師は当直を申し出により免除することとなっている。ただでさえ少ない人員に(こういうことを言っては失礼に当たるのは重々承知しているが)救急の第一線で働くことのできない年配の医師の割合が多いためわずかに残された若人でしのいでいる、というのが現状だ。改善してもらいたい点は多々あるのだが、まずマンパワー不足を改善しないと何ともならない。院長をはじめ事務長などにも再三再四お願いしているのだが通り一遍の返答のみで改善する気配はない。まぁ、誰かが倒れるまで働き続けてください、ということらしい。 第二にコンビニ受診者の急増。田舎にそぐわしくない大きな病院のため、とりあえず診てもらえるという安心感からか「夜診」と「救急」を取り違える患者さんが実に多い。我々は患者さんの求めがあれば原則として応じなくてはいけないことが義務づけられており、「1週間ほど前から微熱が続く」などというどうしても今診なくてはいけないのかどうか疑問に思わざるを得ない患者さんがであったとしても診察に応じなくてはいけない。これはつらい。1週間前ならともかく中には「2~3年前から・・・」なんていう強者もあったりする。実際には管内に夜診を専門とする夜間救急センターが設けられており、午前0時まではそちらで診察を行ってもらえるようになっている。しかし広告不足なのかうちの病院への期待が大きすぎるのかコンビニ受診は後を絶たない。 こうした人員不足やコンビニ受診によって真っ先に被害を被るのは患者さん自身である。人員不足の件は患者さんにもいかんともしがたい事実であろうが、コンビニ受診はその気になればずいぶん減らすことのできるものではないかと思えるのだ。当直の医師が常時何十人もいて、NHKで放送しているような「ER」の世界がウチの病院にもあれば話は別だが、実際には憔悴しきってしまっているドクターがかろうじて当直をこなしているというのが現実だ。ごくごく軽症の患者さんもつもりつもれば重症の患者さんと同じくらい手がかかるものなのだ。 コンビニ受診が一概に悪い、とはいえない。なかには早期発見で一命を取り留めるケースもあるからだ。しかし残念ながらウチの病院にはそうしたコンビニ受診を受け入れられるような体制がない、ということなのだ。誰もが気軽にかかれる病院を作るためには、それなりのマンパワーが必要だ。受診する側にもそうした受け入れ態勢が整っていることを見極める必要がある。 産婦人科医のモチベーションが下がっていると先日報道されたが、別に産婦人科に限ったわけではないことを覚えておいていただきたい。市中病院でヘロヘロになりながら仕事をしている内科医っていうのはあんまり格好良くないものなのだけれど……(^^;; 人気サイトランキング お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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