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こりもせずに産婦人科ネタを。
産婦人科や小児科医師の減少が報じられて久しい。少子化傾向というが、それでも産婦人科のDr.たちの働きぶりをみているととてもじゃないが、少子化傾向とは思えない。 朝は6時過ぎに出勤。それでなくとも最低週2日、多いときには週4日も当直。超過勤務なんてあったものじゃない。病院の規則で決められている上限50時間/月なんて1週間もすればチャラだ(ちなみに数年前までは上限30時間/月)。 こんなに過酷な労働を強いられている上に、訴訟率は決して低くない。産婦人科医師は医師数全体のおおよそ5%前後をしめるとみられているが、訴訟全体の割合からみれば12~3%程度という。整形外科にも匹敵する度合いだ。産婦人科の第一線で働くDr.はマゾヒストじゃないかと思えてくる。 戦後まもなくまでは、栄養状況や衛生環境の悪さも手伝ってか出産の危険性は決して低くなかった。妊娠中の流産や出生後まもなくの死産まで、まさしく生と死が隣り合う状況が続いていた。 そんな劣悪な状況を医学の力で何とかしたい、そう思い立ち上がったのが先達の産婦人科医たちだ。自らの持てる力を出産という限りなく自然に近い現象に注ぎ込む……。恐らく自然と対峙する冒険家の心境であっただろう。 彼らの努力のおかげで出産は安全なものになった。もちろん100%ではないが、それでも栄養や衛生、定期健診などによる安全性の向上は十分に達成されている。 しかし今、産婦人科医を苦しめるのは先達が築き上げた安全神話だ。 出産は限りなく安全という神話が崩れるとき、悲しみや怒りの対象は出産そのものの自然現象ではない。いままで心を砕いてきた医師達だ。 よかれと思ってしていたことが逆に人から恨まれる結果になる。これほど悲しいことはない。 当然医師のモチベーションは下がる。一人抜け、二人抜け……医師の減少に伴い一人でみるべきお産は必然的に増える。そして先の重労働。訴訟率の上昇。どう見たって悪循環でしかない。 医療の歴史は自然との対峙の歴史だ。どんなに医学が発展しようともこの地球上に存在する限り自然を克服することはできない。生まれくる命、そして死にゆく命。第一線で働く医療者達は限りある生命だからこそ、できる限りの範囲で尽力している。 人事は尽くす。そして天命を待つ。 こうした真摯な姿勢が周囲に受け入れられないとしたら、どれほど悲しいことだろう。逆に、結果はともかくこうした姿勢が評価されればどれほど嬉しいことだろう。 産婦人科医が減少する一端には、こうした喜びが減ってきていることが底辺にあるようだ。あなたが当たり前と思っている出産は産婦人科医たちのたゆまぬ努力によって維持されている。これだけは忘れないでいてほしい。 そして、一言ねぎらいの言葉をかけてあげてほしいのだ。感謝の気持ち、ただそれだけで明日も仕事をしようという気になるのだから……。 ※なお、全く私事ながら先日長男が無事生まれた。夜中にもかかわらず笑顔を絶やすことのなかった助産師さんやドクター達に、改めてお礼申し上げる次第である。 ![]() http://ranking-blog.net/dr/rl_out.cgi?id=dr011&url=http://ranking-blog.net/dr/html/index.html
最終更新日
2006.02.02 00:38:07
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