中学校1年の春休み、私は、外出もままならない
という施設(親が不在の)の同級生が、抜け出して
映画を一緒に見に行った。
外出はできないんだ、ばれるとやばいしばかれる、
と何度も連発していた。彼にはこづかいはないから
私が映画代1000円幾許か貸した。
彼は「働いたら返すから」といった。
私にも痛い出費ではあったが、そこは、自分をかばって
死んでしまった彼の母の話を聞いた後では何とも言え
なかった。
やっぱり、そして返してもらっていない。
かつて、マニラの下町パサイ市に数週間いたことがある。
そこでよく話をしていたフィリピン人A君は私にいった。
「なあ、俺ニュービジネスを始めたいんだよ。300ペソ貸して
くれないか(当時3000円くらいか)」
「何をするのも勝手だがいつ返してくれるんだい?」
(この国では貸す=あげると思った方がよいだろうと思いながら)
「サムディ」
(でた!とは思いながら)「いいよあげるから」
そして数日後彼に尋ねたら
「これさ!」といってマリファナを見せてくれた。
「なんや~。50~100グラムってとこやね。なんや売人かいな」
とは言わず、「で、それで商売していつ返してくれるねん」
といえば彼はにっこり笑い、
「SOMEDAY」といった。
そしてさらに数日後
「どうだい、全部さばけたか」と尋ねると、彼は満面笑顔の
まま答えた。
「いや実はあれまたまとめて売って、女の子数人はべらせて
ビール飲みまくっておごりまくって一晩でなくなってしまった
ソーリー」
私は「でた!」と思いながらも口にはださず、
「で、それで散財した金を返してくれるねん」
といえば彼はにっこり笑い、
「さむでい」といった。
今、テレビつけたら「トムとジェリー」やってた。
インドのムンバイにインド最高級ホテルのひとつ
「タージマハルホテル」にて私がつけたテレビでは「トムとジェリー」
エアコンが効いて最高。30日分にバスタブにつかり快感。
しかしドアを開けると20階というのに、下町の喧騒がモワー
っと上がってきて、等身大のモロインドとまた直面してしまった。
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最終更新日
2003.10.16 03:02:11
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