紫のマルボロ
HOW CAN I DENY MY HEART?
ワタシの心情イカンして否定できようか?
答え;ご自由に。
場違いのシンフォニー。イチオクターブ萎えては浮き沈み。
歴史の爆発部分だけを紡ぎ、収斂。
白い雪の積もった山を輪切りにする。
善悪を超越した金属的な笛が引き伸ばされながら浮上。いたいけな姿のゆらゆら揺れる水に映った少女が言った。
「虹を超えて」
そして噛み付く!砕く!酷い、酷すぎる。花瓶の割れる音!
風だけが残留した。
便所脇の風鈴が鳴り、オーロラが出現。槍の雨。妹の帰宅。誤診。犬の遠吠え。ノイズは秋の虫。電流から生まれ空中にそっと逃してやる。
やはり風だけが残留。
少女と淑女の対峙。あどけなさと透明。推薦した剛毛の死去。誰も聞いていない万人の不平不満。
醒めた。
翳が覚めた。
溢れるものにフタをした。
生きている瞬間だった。悲痛な叫びと夏の足の臭さが交差した。しかしそれは生きている瞬間だった。神聖なる音は、刷り込まれ、浮き、淀み、割れた。
再び、狂気の前兆とヒキガエルの平穏な叫びが二重奏を唱えた。メタンガスが美しい音を携え、称え、一瞬のためらいもなく繰り返す。妖艶なる詩を。
冷笑の中、女は高慢になり偏見をもって「あなたは何?名前は?」と冷淡に言い放った。
蝉が不変を訴えた。
不協和音が快楽に変貌していく頃。
列車が来る前に、音が円を演じた。速度を増し、曖昧さを掻き消しながら、正確さを増幅させながら、そしてまた不協和音。
ガラスの中のイチゴミルクが原子雲。
強さが歪みに言い換えられる頃。
残像は停止条件の前提となっている。
想定する悲しさ。