やあ、ハロー、元気かい?
もう煙草を辞めて2年程度経つが、健康状態が良くなったという実感はなく、腸の吸収力が上がり、太ってきて体が重く調子が悪いような気がするよ。先日の健康診断では「禁煙すごいですねよかったですね」と看護士サンにいわれたものの、「禁煙してなんかイマイチなんです」と力なく言ってみたが、「でも禁煙続けて下さいね」と笑顔で言われた。反論はできなかった。
そういえば、7年前、フランスの煙草ジタンを何故か吸ってみたことがあるが、専売公社のせいか競争原理が働かないのかフランスの煙草は不味い。厳しい薫り。JPベルモンドが吸っていると、許してしまう優しさは少しは持っているつもり。
そういえば、意味もなく「人間、人生で2回だけ何故かモテモテの季節があるものだよ」と思いつき、もう2回とも使い果たしたので、もうモテモテの時期は無い。中学校卒業の時、それまでの3年間は何も告白めいたことはなかったというのに、最後の数日間で数日間以上の人数からの告白アタック。誰とも何も無かったのだが、皆、私をからかっているのではないかと思った。
そういえば、20歳を迎えた日に、友達の家の額縁の裏に「20歳のグラフティ」を書いて挟んだ。多分、彼の家に不法侵入してその額を盗めば、現物が出てくる筈であるが、ウル覚えで2,3の内容を思い出した。「今、愛する女性ないっす。でも寂しさもないっす」「酒を飲み続けます」「憂鬱な後期試験が終わればフィリピンだ、スールー諸島だ、ボルネオだ!」
そういえば、25歳のとき大作「4半世紀」を大学ノート2冊に書き記したが、無くなった。無くなったので、急いでもう1回書こうとしたが、2行目でストップしている。
そういえば生後9880日目に地震にあった。
そういえば、書きかけの小説は最終章に突入しいた。しかし、まだ主人公は登場していない。無理に最終ページに間に合う様、捻じ込む。後味は、不意に節足動物を生で噛み砕いてしまったような感覚であった。
湿って、腐った土の臭いが鼻について思い出した。瞳を閉じれば、瞳の裏の模様が見え、それを書き写したいが、できない。瞳を閉じたまま歩けば、転んだ。転げる程に自分の馬鹿さ加減を嘲笑った。
そういえば、昼寝のない生活なんで、コーヒー豆を入れない紅茶のようなものだ。
形容矛盾に気が付けば、自己嫌悪が電撃の如く、体を襲い、感電してしまう。
ソイルの臭いが、派手にイヤな時、遠慮無く胡桃割人形ゴッコを演じると良い。
当然、目くるめく日々は、大いなる幻想であるが、溜息をすれば吹き飛んで仕舞う程、地味なものだった。
極秘裏に教えてもらった屋敷の抜け道には23センチはあろうかと思われる油虫が、鈍い動作で這う。
黴臭い臭いは、滅法、人々を参らせ、悪い空気を呼び寄せる。或いは逆かも知れない。
太陽は、いつも照らしてくれるとは限らないし、味方とも限らない。何かの傘下に治まって支配を受ける立場にあるのかも知れない。
チャラチャラした若い四人組をゴミ箱に押しこんだばかりなのだが、胞子から始末しなければ手におえない。世界でビッチ密度が上がっていく。道徳心は捉えない。風に吹かれて風化して、役割を担うか、断念するか。
2台の電話機が置かれっぱなしで、何年も音を出さずに佇んでいる。
誰かが呼んでいるとしよう。その間に自転し続ける地球のことを思っているよ。
自然と調和できなかった末裔の一員として。神は、科学であり、厳密にいうと金であった。
ほざけ、賑やかに。にこやかに、反れ、踊り候え。
幾許も無い残りの道を、姑息にも行進。権威が地に堕ちた旗を翻して裏返して。
透き通った緑色の光を浴びながら、首は固定されたまま、足の裏は、地を這ったまま、砂浜を歩き続ける。蚊にやられ放題の狂ったおじさんが椅子に座ったまま何かに向って言葉を発し続けている。
観客はいない。聴衆はいない。単なる普遍的な風景に成り下がった。
宴は、確かに、終わったはずであった。
もう一度、ハロー、元気かい?
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