共謀罪が審議されているが、よくいわれるように、犯罪を起こさない宗教団体や政治団体だけでなく、住民運動や労働団体行動まで波及するのではないかと危惧されている。2人でこそこそ政府の悪口を酒の肴にしていたら捕まるなんてことも・・・。「そんなことアリエナイー」と推進派は言うだろうが(多分、現時点では本当にそう思ってはいるのだろうが)、法律とは、本来の意味を超えて法律を守る為の法律、拡大解釈、無茶な取り締まりが横行するのは治安維持法をみないまでも明らかである。(というより、日本の警察は法律を守っていない。例えば、公安が共産党を盗聴してたり)
ひとつのエピソードを思い出した。お犬様で悪名高い生類憐みの令である。発令した徳川よしツナは、日本史上でも無能の暴君と言われているが(言われているのか?)、実は平和主義者であり、もう軍事時代ではないと学問を重んじる人だったのである。貨幣改革も悪名高いのであるが、もはや幕府は破産寸前であったので、仕方ないことだったのだろう。その前に例えば、幕府の水軍の役に立たない単なる豪華軍艦なども破棄させている。代官の世襲化も進んでおり、悪代官を厳しく取り締まり、外様だけでなく親藩譜代大名にも外様と同じように厳しく接したのであった。
さて、生類憐みの令であるが、当時の江戸は都市部への流入が増え、生活も困窮する人々が増え、やたらめったら捨て子が多かったのである。可哀想なことに、野良犬もやたらめったら多く(飼い犬を捨てる人も多かった)、多くの捨て子が犬の餌食になっていたのである。こういった現状を何とかしようと、道徳を正すような法令だったのである。「忠孝奨励の高札」(忠孝札)を立てて、孝子を表彰する制度の設置であったり、 行き倒れや捨て子の救済、馬えの過剰積載の禁止という内容が主だったものだが、その中に犬を大切にするような旨も書かれていたのである。であいつの間にか、現場と上層部の乖離がみられ、単純に動物愛護だけが拡大解釈され、悪法になってしまったのである。
おまけに、綱吉が死んでから、法律は廃止されたが、その犬の管理していた莫大な管理料をまた農民などが負担させられたのであった。
アホだなあ・・・と笑えるであろうか。お上のいうこと聞け屋、つべこべ言わずに、ゆうこときかないやつは逮捕するー!外国が求めているのは、越境的犯罪だけである。目配せだけでも犯罪だぜ。共謀には未遂はないんだぜ。どんな場合が共謀罪なのかはお上が決めるんだぜ。違法捜査もコソコソせずにやらせてもらうよ。
ところで、「近ごろ動物虐待が多いですからね。生類憐みの令、検討に値するね」。鳥インフルエンザの影響で捨て鳥が増えていることに関して、小泉某首相は言ってたけど・・・
関係ないけど、熊野街道