黄桜酒蔵工場に行ってきた、というより、不意に通りがかったので、多忙にも関わらず、見学と決定した。
合羽というか、不思議なものやことが好きな不思議君でもあるのだ。河童は平泳ぎもするのだったか。
アルコールは、好きなのだが、おしゃれに飲むのもバカのみするのも好きなのだが、日本酒は、かなり長い間、トラウマがあり、それは辛かった。
20年も前といえば、もう18歳になれば、酒は解禁されていた時代であった。あれ、違うか?
大学生となり、川辺で新人歓迎コンパというのがあった。何故、外、何故、川辺なのかという疑問を呈しつつ、何故、先輩はオールを持っているのか、何故、ヘルメットを持つのか、その意味が弱冠18歳の柔らかい脳では理解できなかった。
夜になる、焚き火を囲みながら、新人はキョーツケをさせられた。オイオイ、これは軍隊かよ、古いなあと思ったぐらいである。
さて、飲め、と突き出されたのは、学生食堂から盗んできたドンブリ。そこになみなみと山盛りに注がれた砂糖入り最低級日本酒である。名前は敢えて伏せるが鬼殺しである。
イッキに日本酒を1リットル飲むと、どうなるのか、それは、すごいのである、飲み終わった瞬間に、おおよそ、1秒待たずに、逆流してくるのである。それも、大量の酒が口から直角に出るのである。すごい量ゲロであり、見事なほどに、下を向く瞬間もないので地面と水平に液体が発射されるのである。
そのイッキ飲みを3回。何だかすぐ終わった気がしたが、さほど、ぶっ倒れるということはないのだが、瀕死になはるのである。
寝転びながら、薄く目を開けると、後続隊の同輩が、口から地面と垂直に液体を噴出させている光景が見えた。キャンプフャイヤーの炎に照らされて綺麗に見えた。
それから、日本酒は臭いを嗅ぐだけで吐きそうになってしまうのであった。10年が過ぎても変わらなかったのであった。
その後の人生で、直角に吐く姿をみたのは、ヘロインやりすぎで吐いた姿ぐらいであった。
そんなことを思い出しながら歩いているとは、他の見学者には分かるまい。
今でも、本当にいい日本酒しか飲めない体になっちまっている。ニポンジンとして人生8割ぐらい損した気分だ。
こんなことだったら、オランダの大富豪だったらよかったよ。
まだまだ、オレの合羽行脚は続きそうだ。世界の合羽がオレを呼んでいる。
ついでに、隣の駅の淀に行った。淀城がるのだが、淀君とは全然関係ないのである。
親父バーガーを食って帰ります。
まだまだ、オレの合羽行脚は続きそうだ。きゅうり買うか。