本題に入る前に、昨年度の衣料費298円の放浪さんには謝らなければならない共に、経済発展に寄与し貢献したことを報告しておかねばなるまい。
今日は、自慢でもあるが、アフターアフターアフターバーゲンの最後の5着ぐらいのところで、背広を買ったのである。
背広を買う速度が、目にも留まらぬぐらいの速度だったので、店員さんもびっくりして、急ぎですか?というので、今から着てかえると口滑ってしまったぐらいである。試着を含めて、3分程度の貴重な時間であった。何せ、5着から選ぶぐらいだから、自分の体に合ったのを確かめるだけでる。その他、金額も少しだけ興味があったので、その他のコーナーには目もいかないのである。
背広だけではない、アフターアフターアフターバーゲンの最後の1着も買ったのである。何せ、1000着-997着持っているコートのうち約3分の2のコートの腕の裾野がボロッちく醜くなってきているのである。勿論、一般生活において、そんな綻びは気にもしないし、むしろ、ヒッピー文化の生き残りを1パーセント程度だけ引きずっている私なので、ボロこそ勲章でもあるのだが、会社員生活というのは、見栄と建前も大変重要で、コートやカッターの襟や靴先を見られて値踏みされてしまうものなのである。仕方ないので、涙を飲んで、ひとつ追加しておくのであった。まあ、元の値段の意味が不明なのだが、元の値段の7割引になっているので、人間心理は不思議なもので、ちっとも得してないのに、得した感じがして、徳を積んだ気もしてきて、普段いいことしているから女神は私に微笑んだ、とさえ、思ってしまう次第である。勿論、放浪さんも、同じ手口を使って、元々売っていた300円が売れないので、700円と書き直して、その上に×をつけて、300円にして、馬鹿売りしているのである。商売の鉄則である。お客も、騙される喜びを感じられる瞬間である。俺だけおとく感、俺だけ特別感を得て、虚栄心を満たすことができるのである。
コートだけでない、革靴も買ったのである。勿論、靴も、サイズを間違わないように注意をしなければならないのだが、背広のサイズと同様、自分の足の大きさをすぐ忘れてしまうのである。たいした興味がないというのも本音だが、25~26の間を何故か、行き来するというのも、問題である、もしかして、自分はタコのような軟体動物かもしれない。性格や人間性はタコなのだが。それに、さすがに、靴は試着しなければ、あとで偉い目にあうので、さすがに、片一方だけだが、試着はするが、今は、あいにくの冬、ちゃんと、初めから靴下を履いているので、夏場のように、店員さんに、靴下を持ってきてもらうよう頼む手間もないぐらいであった。いきなり、コレ下さい、という軽いワンフレーズで済むというのが、イチビリの証拠である。ついでに、箱いりません、も加えるのであった。仕方ないのである、私は、会社員なので、草履や裸足で会社にはいけないのである。
靴だけではない、カバンも買った。カバンも取っ手のところが、ボロボロになってきたのである。革製品ならそれも、また味わいふれいあい、スカイラークって味もあったのだが、革ではないので、会社員の私としては、中味がない分、何とか見栄えでカバーしなければならないという、大変誠実な問題を孕んでいるのである。
実は、カバンは、この冬のオーストリアのウイーン空港でセールで、BREEのいいのがあったのだが、これどこの商品やねん、あ、今から行くドイツのブランドやないか、ドイツで買うわということでスルーしたのだが、フランクフルト空港でも、外に店があり、チェックして、中の免税店で買うことにしたのだが、中に入ると店がなくて、ショックを受けたのである。空港職員に聞いたのであるが、少し不安気に「中にもあるよ」と答えていたのだが、あの不安なカオは、出任せでいったことが、証明されたのは、後の祭りであった。でもちっとも祭りではなかった。そんな訳で、年末から、ぼろっちくなったカバンを気にはしていたのだが、これをきっかけに、買うことにしたのであった。
そんな訳で、1年で一番金を使った日になったのだが、会社員としては、全部、会社に行くために必要な経費なので、ぜひとも、こういうのは、なんとか、経費で落とさせてもらいたいのである。大丸だけを儲けさせるのは忍びないのである、が、まあ、非常に厳しい百貨店事情も考慮して、今日は、百貨店の経営をサポートしたというか、援助したというか、貢献したのであった。
そんな訳で、前置きだけで、終わりとし、次回、老人の本題に入ることにする。