初めての海外旅行、マニラの歓楽街、エルミタのマビニ通りに面する宿に1泊目は泊まる。1泊目だけは豪華にしようということで大枚5,000円を払う。窓から、ジプニーが行き来するのを眺めた。空港からやっと街中にやってきて、外にでるワクワク感と、ちょと怖いなあという入り混じり感。
初めて見た椰子。うわああ、と純粋に感激した。
初めて見たスラム。バタンガス。子供がとぎ汁のような糞を路地で垂れていた。
初めて頼んだコカコーラ。プラステックに入れてあげるねと言われ、ビニル袋に入れられ、笑う。
初めて見る児童労働者。煙草のばら売り、直射日光に当たったハンバーガー。船の出航時間が近づくにつれ、何度も私の前にやって来ては値段が下がって行く。乗船する時に購入。何だか美味かったなあ。
写真は、違うが、初めて見る椰子の木が3本生えただけの漫画に出てくる無人島。
ミンドロ島、プエルトガレラ。入港10分前から浮いているように珊瑚礁の上を船が行く光景を初めて見る。船が珊瑚礁を壊さないのか、心配になるほど。
初めてビーチに泊まる。初めてのバンガロー。サバンビーチは、すぐに山が迫って海との僅かな隙にバンガローが建てられている。雨が屋根から漏れて、笑う。
初めて、何もすることがなくなり、半年前まで受験勉強で毎日起きている時間の大半を勉強してきたことを馬鹿馬鹿しく思う。受験失敗し、これ以上勉強してもこの受験制度ではロウニンしても大学をワンランク、あわよくても2ランクしか上げられないと悟り滑り止めで妥協したことを静かに思う。
初めてバンカに乗る。何故なら早朝に出る1日1便のミンドロ島プエルトガレラからルソン島のバタンガス行きジプニーに寝過ごして乗り遅れたから、バンカで海から回っていった。勿論5ペソのジープ代に比べ100ペソ(当時1ペソ15円ぐらい)。
さすがに初めてずくしだったので、驚きの連続であった、特に人々が適当なのに驚いた。
ガキの頃から親に連れられて楽園来ちゃ駄目よ、スイス人。
泊まった宿の主、ネリーさんの子供。旦那が働かない!と憤っていたことを思い出す。以降、5年間で4回ほどサバンビーチを訪れることになるのだが、ネリーさんをはじめ、村人は私のことを歓迎してくれることになっていく。(そらお金落とすものね)
今は随分喧騒なところみたいが、それでもナツカシズムで、また行ってみるかと思うようになった。もう少し先だが30年ぶり記念で訪ねてみるか。検索したらもう随分変わっているが。誰かオレのこと覚えているかな。