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2006年06月27日
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カテゴリ:読書感想
ユーゴスラヴィアの紛争、毎日流れる凄惨なニュースから目を背けてばかりでした。
見たくない。知りたくない。ただただ、そんな気持ちで。
ゲームの画面のようだと割り切るには、何かを捨てきれなかった。でも、直視する勇気はなかった。
ただただ、目を瞑って耳をふさぐだけ。

そんな十数年前の自分を思い出しました。

さよなら妖精
「哲学的意味がありますか?」
彼女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。


主人公、守屋が出会った、ユーゴスラヴィアからきた少女、マーヤ。彼女が帰国した後、始まる謎解き。出会いと祈りの物語です。

冒頭語られる謎がはっきりせず、ひたすら紅白饅頭や、傘や、名前の由来やそういった些細な日常の謎しか出てこないので、正直これってミステリか?と思わないでもなかったんですが、成る程、そう来るか!
最後、ものすごい勢いで主人公がマーヤについて推理するくだりはぞくぞく来ました。惜しむらくは、このゾクゾク感をもっと早いうちに出してくれたら良かったかなあ。日常の謎話ばかりなので、途中で他の本に浮気しそうになったよ。
でも、終盤はページをめくる手が止まりませんでした。米澤氏の代表作と言うだけありますね。まさしく清新なミステリ。
読み始めたときは、なんで米澤さんの書く主人公ってこんなじじむさいのばっかなのかしらん、とのほほんとアホみたいなこと思っててすみません、ととりあえず謝りたい(笑)
登場人物の設定にはそれなりの必然があるってことですね。ああゆうじじむさい 達観した人物設定だからこそ、終盤の謎解きに胸震えたのかもしれません。
(とはいえ、あんな物知りな高校生って実在するのか?という疑問はどうしても頭から離れない…。で、あんなに雑駁な知識があるくせにユーゴスラヴィアに限ってはろくに知らないってのも、どうなんでしょねえ。)


少年と少女が出会うことで、今まで非日常だった世界が日常へと変化する。
どんな結末が待っていようとも、出会わなければ良かったのに、とは思わない。


最期に語られる手紙ですが、冒頭の2行ばかり何度も読み返しました。そこから先にはどうしても進めない。そこに何が書かれてあるのか、予想がつくだけに怖くて怖くて、結末を知りたくなくて・・・・・・
確かに、深く忘れがたい余韻を残す、そんな作品でした。


ところで、ライトノベルではお馴染みの「セカイ系」という言葉があります。

キミとボクの閉ざされた世界。彼らの物語は、世界の命運に直結する。主人公達の意思が世界の運命や未来を決定していく。セカイ系で描かれるのはそんな世界。

ライトノベルの「ボーイ・ミーツ・ガール」と言うと、真っ先に「セカイ系」を思い浮かべてしまうんですが、米澤さんのこの作品はセカイ系に対するアンチテーゼという印象を持ちました。主人公達がどれだけ悩み傷ついたとしても、世界の行方を左右することはできません。あまりにも無力です。

そんな無力さを正面から描いて、そして、その後は、読者一人一人の手に委ねられたんでしょう。
成る程、米澤さんの代表作だと言うのも頷ける、そんな作品でした。

ちなみに、セカイ系のボーイミーツガールがダメだという気は全くありません。
だって、「イリヤの空、UFOの夏」で笑って泣いて、「ほしのこえ」に感動したのは、確かだから。


さて、世間の注目はワールドカップ。惜しくも日本は予選突破できませんでしたが、今回、セルビア・モンテネグロの代表が出場してます。
6月、モンテネグロ共和国が独立宣言をして、今や、ユーゴスラヴィアは6つの国となりました。
セルビア・モンテネグロの試合結果を聞きつつ、もう、これが彼らにとって、「セルビア・モンテネグロ」としての最初で最後のワールドカップかあ、としみじみしてしまいました。残念ながら日本同様予選落ちしてしまいましたが、4年後、新たな国の新たな代表として、ワールドカップで試合を見られる日を楽しみにしようと思います。
たとえユーゴスラヴィアが、セルビア・モンテネグロがなくなったとしても、選手達の活躍はワールドカップの歴史の中に残る。歴史はどんな形でも、残っていくと信じたい。

「さよなら妖精」を読んだせいか、ワールドカップの報道をみながら、こんなことをつらつらと考えてしまいました。



いい加減、私は米澤穂信はライトノベル作家という思いこみを改めねばいけない。



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最終更新日  2006年06月27日 21時38分14秒
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