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ずばり!特殊業界ものミステリでした。
どこにでもいる善良な大学生・白戸修にとって東京の中野は鬼門である。殺人の容疑者が飛び込んで来たり、ピンチヒッターで行ったバイトが違法だったり、銀行で強盗に銃を突きつけられたり…。だが次々に事件を解決する彼を人は「巻き込まれ探偵」「お人好し探偵」と呼ぶようになる。小説推理新人賞受賞作を含む、ちょっと心が優しくなれる癒し系ミステリー。 中野と聞いて一番に思い出すのは黒衣の拝み屋な訳ですが、本書の「お人よし探偵」白戸くんは、その拝み屋さんの負のエネルギーでも全身に帯びてんじゃないの?と思わず疑ってしまうくらい、ひたすら中野で事件に巻き込まれます。 巻き込まれると言えば、拝み屋さんというより友人の小説家の方が近いのか? 根がひねくれてるので、お人よしも度がすぎるとうっとうしいもんですが、白戸くんに限っては、自ら進んでというわけではなく、ひたすら嫌々ながらというのが好感が持てます。 ほとんどが巻き込まれただけなんだからそのまんま放っときゃいいものを、黙ってみていられずについつい口を挟んで、結果、事件を解決してしまうというパターン。 これをお人よしと言わずして何と言う!(笑) 短編集な訳ですが、目を引くのがどれもいわゆる特殊業界=ちょっと変わった職業を描いていると言う点。しかも、その道のプロはみんなイブシ銀で一筋縄には行かない人たちばかりで、より一層、白戸くんの巻き込まれておろおろする様が引き立ちます。 おかげで、白戸くんの素人度はまさしくドレッドノート級(笑) 大森望さんと豊崎由美さんの「文学賞メッタ斬り!」にも書かれてますが、この「特殊業界」を書くというのは、歴代乱歩賞の傾向と対策から出てくる基本パターンな訳です。 それで言うなら、まさしく乱歩賞レベルですよ!いや、受賞されてるのは小説推理新人賞なんですけどね( ̄ー ̄)ニヤリッ 解説にもありますが、フーダニット(誰が犯人か)、ハウダニット(どうやってやったのか)より、 ホワットダニット(そもそも何が起こったのか)ということがメインのストーリーでして、読んでると、白戸くんと同じように翻弄されること請負です。 以下、短編ごとの感想 【ツール・ストール】 特殊業界=スリ いろんなスリのパターンがあって、よし、明日から気をつけよう!と決意を新たにできました。 よりにもよって、卒業のかかった期末試験の初日に、それほど親しくしてなかった友人(知人?)から殺人事件の容疑をはらすための協力を請われる白戸くん。 最後のどんでん返しに、おおおおっと感動。成る程ねえ! 【サインペインター】 特殊業界=ステ看貼り(ステ看とは、使い捨て看板の略称らしいです。) ←よく、電柱にくくりつけられてるアレです。 普段、街のオブジェくらいにしか思ってなかったこのステ看板ですが、言われてみりゃ、確かに設置してる人がどっかにいるわけで。 設置してるとこを見たことがないからと言って、夜な夜な小人さんががんばってるっていうわけでもないんですね。(←当たり前) バイトを変わってくれと頼まれて、ステ看貼りをすることになった白戸くん。 謎もよかったんですが、最後は人情物で落とし込む当たりが心憎い短編。 【セイフティゾーン】 特殊業界=サバイバル術? キートン先生ばりの、サバイバル術を駆使する男が出てきます。トイレの洗浄液やら電子レンジやら、どこの家庭にも転がってるものが大活躍! もし、ウチに泥棒が入っても、これを読んだらバッチリ撃退できるかも? 扱われる犯罪は軽犯罪が多いんですが、これは銀行強盗ものです。 たまたまお金をおろしに行った銀行で、銀行強盗に遭遇する白戸くん。 4人組の探偵ときたら、ついつい陽気なギャングを思い浮かべてしまう自分は、すっかり伊坂さんに毒されてます。 というたわ言はともかく、読者の想像にゆだねる終わり方は、かなり好みでした。 【トラブルシューター】 特殊業界=探偵社の調査員 ストーカー被害にあう女性に雇われた調査員に、うっかり頼まれてなし崩しに手伝う羽目になった白戸くん。 結局、最終的な決着は付いてないわけで。この調査員を主人公にして、湿っぽいミステリも読んでみたいと思いました。 【ショップリフター】 特殊業界=万引き犯を捕まえる保安員 まさしく、乱歩賞を受賞した「左手に告げるなかれ」と同じ業界。 個人的にはこっちの方が洒落てて好みです。 たまたま買物に行って、万引き犯に間違われた挙句、保安員の仕事を手伝う羽目になった白戸くん。 いろんな万引きのパターンがあって、よし、明日から気をつけよう!と決意を新たにできます。 …………いや、万引きに励もうと言うわけではなく、こんだけ分かったら自分にも、万引き犯を見つけられそうという意味ですから! ひたすら巻き込まれて、謎を解いても特に得するわけでもない白戸くんですが、最初と最後の短編ではちゃんとご褒美があって、良かったね、と肩をポンと叩いてあげたい気持ちで一杯になりました。 以上、なんだかダラダラとなっちゃいましたが、どの短編もオチは爽やかなのが良かったです♪ いやはや、面白いよ! その後の白戸くんも、相変わらず中野に行っちゃあ、いろんなことに巻き込まれてるようなので、是非ともシリーズ化をお願いしたいです。 とは言いつつ、他の作品もかなり読んでみたいよ!\(^▽^)/(と思う作家さんが増えてきて大変だ。) 感想を読ませていただいた素敵サイトさま →積んどく?読んどく? 未定の予定~ラビ的非日常生活~ 魔女の隠れ家 Rhayaの日記 [読書感想]カテゴリの最新記事
ですよね。たしか。
単行本のそっけない装丁が、軽妙な表紙の文庫本にお召しかえして、ついでにタイトルがわかりやすくなって、いいなって思います。でも結構前の地味かわいいタイトル・装丁も好きでした。セイフティゾーンではうっかり泣いちゃったような記憶がございます。 白戸くん、どっかの拝み屋さんやお猿の小説家なんかよりずっと、彼氏になって欲しいタイプでございますね。大好き。(いや、ワタクシお猿の小説家のファンではございますけれど。ほんと、一回くらい役にたってくださらないかしらん。関くん。) 大倉さんの本、東京創元社から出ている落語雑誌の編集者のシリーズもおもしろかったですよ。もし未読でしたらどうぞ。(2006年08月02日 23時34分15秒)
大倉祟裕といえば「三人目の幽霊」等の落語シリーズしか読んだことがないのですが、「白戸修の事件簿」もおもしろそうですね。 短編集だそうだし、本屋でチェックしてみたいと思います~!(2006年08月02日 23時35分06秒)
とおり・ゆうさん、こんにちは\(^▽^)/
文庫化にあたって、改題したそうですね。文庫の表紙はひたすらかわいくって好みです(笑) 情けないとこが良く出てる? 私は、白戸くんは是非、友人に欲しいかなあ。彼氏だと、傍でヤキモキ……っていうか余りのお人よしぶりにイライラして張り飛ばしてそうです(笑) 大倉さんはこれが始めての作品でして、落語シリーズは是非読んでみたいと思ってるとこです。 くっそう、1日が48時間くらいあればいいのに!(←無理言うな)(2006年08月03日 00時05分27秒)
昇 竜子さん、こんばんは!☆(≧▽≦)☆
面白かったですよう!文庫だし、短編集だし、お勧めです♪ 私の方は、がんばって落語シリーズにチャレンジしようと思ってます。 ようし、がんばろう!(と言いたいとこですが、未読本がたまってるんだよなあ…( ̄□ ̄;)!!)(2006年08月03日 00時07分25秒)
面白そうですね。今度試してみます。あと中央線沿線出身なので,中野なら土地勘あるし,簡単に”入っていける”と思ったりしてます。(2006年08月03日 08時30分41秒)
なるほど特殊業界ものですよね。
白戸君には失礼ですけど、あのオロオロ具合が見ていて楽しいんですよ。 全然イメージが違うかもしれないですが、『三人目の幽霊』『七度狐』『やさしい死神』もいいですよ。ぜひ!(2006年08月03日 09時47分56秒)
りぶらりさん、こんにちは♪
面白かったですよ~。文庫だし、あっさりと読めるので、是非! 私は広島の田舎ものですが、すんなり入っていけましたから(笑) (2006年08月03日 22時37分15秒)
shiba_motoさんの感想を拝見して面白そう!と思って読んでみたわけですが、期待に違わずでした♪
楽しい本を教えていただいて、ありがとうございました。キラッ ( = ̄+∇ ̄=)v イエーイ >全然イメージが違うかもしれないですが、『三人目の幽霊』『七度狐』『やさしい死神』もいいですよ。ぜひ! はい!機会を見つけて、チャレンジしたいと思います♪ (2006年08月03日 22時39分07秒)
たばさ6992さん、こんばんは♪
TBありがとうございます!☆(≧▽≦)☆ >皆さんのおっしゃるとおり、「落語」シリーズも面白いので、ぜひお時間のあるときに。 そうですねえ、これは読まないわけにはいかないですね! 新しい作家さんに出会えるのって、ホント嬉しいです\(^▽^)/(2006年08月03日 22時40分50秒)
Rhayaさん、はじめまして♪
>スリの人たちと白戸とがどうなっていくのか、先が読みたいです。 そうですねえ。このまま終わってしまうのは、惜しいですよね! ちなみに、白戸くんは、アウトローになる………んだったら、なんかかっこいいですけど、きっとしがないサラリーマンになりつつ、いろんな事件に巻き込まれてそうな気がします(笑)(2006年08月05日 22時30分23秒) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |