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ミスリードに次ぐミスリード。 宇都木実菜、真壁恵、原田美咲、ミナ、神埼礼子とは誰なのか。何者なのか。 彼女たちを取り巻く男達。西田、大鷹、江藤、赤木、澤井の果たした役割は何だったのか。 齟齬は積み重なり、破綻が忍び寄る。 読み進めるほどに混乱すること請負です。 今回、「絡新婦の理」での被害者の背景が犯人にどう結びつくのか、何人かは最後まで分からなかったという失敗を教訓に、鈍器になりそうに分厚い本書を前に、付箋と筆記用具を準備して挑みました。 自分にしちゃ丹念に読み込んでいったので、真相はわりかし早く予想できました。 付箋でチェックしてなかったら、混乱しまくってたに違いありません。なんせ、3歩歩いたら全てを忘れる鳥頭ですから。もう、人物関係が込み入ってて、何が何やら。誰が誰やら。 今回、冒頭でも言ってるように、傍若無人、天上天下唯我独尊探偵な榎木津さんの事件でした。 関口君や、木場修、はたまた伊佐間さん、そして、あの京極堂まで事件の中心となってきた中、とうとうきたか!と感慨深かったです。 「魍魎の匣」と対を成す物語。人が犯罪に走ってしまう動機とは何か…… (ちなみに、「姑獲鳥の夏」と「陰摩羅鬼の瑕」も対をなしてました。) 「魍魎の匣」と対を成すと言えば、あちらでは木場の恋が描かれていたのに対して、この「邪魅の雫」では榎木津の恋が描かれます。 ……… ……………… ……………………… ………………………………恋ですよ? 恋!←ガ━━(゚Д゚;)━━ン! そうか、榎木津さんでも恋をするのか!!!(←榎木津さんを何だと思ってたの?) 京極堂はともかく、関口君にまでビックリされる女関係って、それってどうなの?(笑) 30半ばの男供を捕まえて、成長という言葉を使っていいのかは謎ですが、印象深かったのが、「姑獲鳥の夏」時点に比べると、皆、明らかに変わってきてるとこです。まあ、作中の時系列から言うと、1年しか立ってないわけですが。(「姑獲鳥の夏」…昭和27年7月、「邪魅の雫」…昭和28年8月) 勿論、京極堂は相変わらず関口君に対して、罵詈雑言つきで面倒見はいいし、榎木津さんは素っ頓狂な服装(青い綿のズボンって、それってGパン?)だし、関口君は涙目がデフォルトです(笑) それでも、この事件では榎木津は探偵ではないし、京極堂は、妖怪について語らず、いつもの決め台詞を関口君以外に語り、今まではひとしきり文句を言ってからじゃなきゃ重い腰を上げなかったはずが、自ら動き出す。 おまけに関口君は、事件にまきこまれることなく、あの天上天下唯我独尊男に意見を言ったり不機嫌になったり。←( ̄□ ̄;)!! これは、シリーズ8作目にして、新たな局面に突入したと思っていいんでしょうか。 いやもう、かなり面白かったんですが、同時にいろいろビックリもさせられた一冊でした♪ ところで、「魍魎の匣」と対を成す物語(事件)と書きましたが、「絡新婦の理」とも関連が深いように思います。全ての偶然を操った女性と、操られた女性。哀しいことには変わりないものの、そのあり方は、対照的でした。 さて! 今回、関口君が犯人に間違われたり、警察に苛められたり、京極堂や榎木津の罵声がいつもより少なめだったりと、ちょっと物足りないとこはあったものの(←ホラ、このシリーズは関口君が不幸な目にあってなんぼですから・笑)、主要メンバーの描写は、ささいなものであってもやっぱり楽しい。 京極堂の仏頂面は、「葬式を二十ばかり梯子したかのような」代物だし、益田君は、ちょっと榎木津さんに名前を呼ばれただけで落ち込んでたのもあっさり浮上しちゃうし。 榎木津さんは、いつもはサルだの豆腐だのロイヤルバカオロカデリシャスだの人の名前を好き勝手呼んでるくせに、ここぞいう時にはサラりと本名を口にするし。 それはあれか?あれなのか?飴と鞭?( ̄□ ̄;)!! ハッΣ(゚ロ゚〃)、益田君が買った鞭は、そういった意味を含んでたのか!(←違うと思います。) そして、京極堂は、さすがです。50年先を見据えてらっしゃいました。 まさか、京極堂の口から「セカイ系」なんて言葉が飛び出すとは。いや、「セカイ系」とは直接言ってませんが、「セカイ系」とイコールの「君と僕」について語ってるのに、( ̄ー ̄)ニヤリとしちゃいました。 そうそう、「鉄鼠の檻」の山下さんが、かなり素敵キャラに出世してました。興奮してテンパッテルところがちょっとツボ(笑) 今回の事件は、榎木津さんにとっては、辛いものだったかもしれませんが、偶然手に入れた「京極夏彦全作品解説書」の年表によると、この後、「百器徒然袋ー風」が続くわけで。 夏に起きた「邪魅の雫」事件で凹んだりすることなく、冬にはすっかり元気で傍若無人な榎木津さんが復活して大暴れしてるんだなと思うと、ちょっと嬉しかったりしますね♪ 京極堂シリーズと銀魂の関連性(笑)についてちょっぴり語ってみました。こちらからどうぞ。 【個人的な要チェックポイント】 京極堂の研究室時代の知人で仏蘭西で薬学を学んでる奴……その内、忘れた頃に出てくるかも。 関口君の弟…540度、正反対な性格を希望。 感想を読ませていただいた素敵サイト様 →nowrap のぽねこミステリ館 へもへも紹介板 ながし読み日誌 Crescent Moon 聞いてあげるよ君の話を 十番地ログ 手当たり次第の読書日記 はざまの庵 come wander with me 書評風-読んだら軒並みブックレビュー 黒猫の隠れ処 Akira's VOICE 気ままな読書日記 未定の予定~ラビ的非日常生活~ まろまろ記 一言居士!スペードのAの放埓手記 [読書感想]カテゴリの最新記事
もう読まれたのですか~。
京極堂シリーズは2作しか読まずに断念。だって オイラも負けず劣らずの鳥頭。人間関係が忘れまくりなんですもん。そして再読しようとするとあの厚さですからねぇ。 でも読みたくなっちゃったなぁ。今読んでいる萌絵&犀川シリーズの後に行っちゃおうかな(笑)(2006年10月05日 22時52分18秒)
えっへん、読みました!
っていうか、先週末には読み終わってたんですが、感想書くの放置してました(笑) 京極堂シリーズは、ぶっといですもんねえ。 私も再読しようとしちゃ、断念してますから。 だいたい、寝っころがって読めないのはいけません。(←行儀が悪い) >でも読みたくなっちゃったなぁ。今読んでいる萌絵&犀川シリーズの後に行っちゃおうかな(笑) 行っちゃいましょう! あんだけ重いと、腕のトレーニングにもなりますよ?………なんちゃって(笑)(2006年10月06日 00時08分53秒)
自分とこのブログで書く勇気がなかったので、思いっきり語ってくださっていて、嬉しいです。うきうきして読みましたよ。「絡新婦」と表裏の小説かな、なんて思ってましたが、なるほど、「魍魎」と対ですか。今回、関くんは結構しっかりしてましたね。会話は多かったけど地の文の語りがなかったので、ずいぶんと読みやすく、助かりました。(関ファンなんですけどねえ、私。)
益田さんが京極ん家でエノさんの女性関係をたずねたところ「それは君とびきり愉快な冗談か何かか?」なんていうところ、(アンタら妻帯者の余裕……)なんて思って大変楽しかったです。この会談の場で、関くんの簡易な憑物落しがあったとき、ちりんと鈴が鳴る音がしたでしょう、あれってやっぱり又市さんの鈴なんでしょうかね。「解説書」はゲットできませんでしたので、ちょっぴり気になっておりまする。 エノさんがなんかかわいそうでした。ノベルズの最後のローゼンクロイツに思わずしみじみとしてしまいました。(2006年10月06日 00時54分13秒)
とおり・ゆうさん、こんにちは~。
対といえば、、「姑獲鳥の夏」と「陰摩羅鬼の瑕」もですよね。これからその路線でいくのかしらん。 >この会談の場で、関くんの簡易な憑物落しがあったとき、ちりんと鈴が鳴る音がしたでしょう、あれってやっぱり又市さんの鈴なんでしょうかね。 そうそう!付箋でチェックしてたのに、書くの忘れてました。私もそう思います。っていうか、感想書くに当たって、貼り付けた付箋の量が多すぎて、確認するのがめんどくさくなったという……(←付箋の意味ねえ!( ̄□ ̄;)!!) なんか、まだ2,3書き忘れてることがありそうです。気が向いたら、自分の貼った付箋をチェックしようと思います(笑) (2006年10月06日 07時21分05秒)
読了されたんですね。書評楽しみに待ってました。榎さんの傍若無人っぷり全開ではなかったですけど、魍魎までの落ち着いた所が少しある榎さんの方が好きなので今回は個人的に嬉しかったです。魍魎と対だから恋バナなんでね。榎さんの話だけれど、今回は青木君と関口君がかなり良かったと思うのですが。青木君かつてないくらい光り輝いてましたね。(2006年10月06日 13時21分34秒)
コメントありがとうございました。
『魍魎の匣』の対、というのが私にはよく分かっていなかったのですが、記事を拝読して納得しました。なるほど! そう考えると、私は『姑獲鳥の夏』と『陰摩羅鬼の瑕』が対、というのもよく分かっていないような…。 今回は関口さんがかっこよくて嬉しかったです(笑) 榎木津さんも、以前からかっこよいと思っていましたが、今回のかっこよさはなんというか深みがありました。哀愁が漂うからでしょうか…。(2006年10月06日 18時30分50秒)
ソラチさん、こんにちは♪
>今回は青木君と関口君がかなり良かったと思うのですが。青木君かつてないくらい光り輝いてましたね。 そうですね!でも、私は、すっかり人間が出来上がって、犯人が判明するたびにおたおたわたわたな山下さんにばかり目がいってました(笑) 「陰摩羅鬼の瑕」がちょっとアレレレレ?だったものの、「邪魅の雫」はかなり面白かったので満足です\(^▽^)/ (2006年10月06日 22時02分16秒)
のぽねこさん、こんにちは!
哀愁漂ってましたねえ。今回の榎さん。 万年躁病のくせに、なんか悪いもんでも食ったのか?さてはクッキーでも食べたな? ………みたいなことを思わず思ってしまうくらい(笑) そして、以外に関口くんがまともでした。こんなの関口君じゃないやい!と思わず思ってしまうくらい(笑)(2006年10月06日 22時04分03秒)
こちらからもトラックバックさせていただきました。
京極堂・関君・探偵の3人に絞った構成それ自体が、事件の手がかりになってますねえ。木場やいさま屋に関係のない時代=学生時代が鍵なのだということ。 これを読んだ後で「百器~」シリーズに戻ると、「ああ本島君、何も知らないから無理もないが(苦笑)」という感じです(笑)。(2006年10月12日 20時33分04秒)
青空百景さん、こんばんは\(o⌒∇⌒o)/
>京極堂・関君・探偵の3人に絞った構成それ自体が、事件の手がかりになってますねえ。木場やいさま屋に関係のない時代=学生時代が鍵なのだということ。 そですねぇ。木場さんや伊佐間さんが出張ってなかったのは寂しかったですが、「学生時代が鍵」なら、仕方ないかあ…… >これを読んだ後で「百器~」シリーズに戻ると、「ああ本島君、何も知らないから無理もないが(苦笑)」という感じです(笑)。 はい、実は、そんな感じを感じたくて(←日本語が変)、今、「百器~」をパラパラと読み返してるとこです\(o⌒∇⌒o)/ (2006年10月12日 22時10分05秒)
お邪魔します。
仰るとおり、前作からシリーズの折り返しに入ったのか、『陰摩羅鬼の瑕』は『姑獲鳥の夏』を補完し、『邪魅の雫』は『魍魎の匣』を補完するというような流れになっているみたいですね。 『魍魎の匣』はある人の妄執の結果が別の人の妄執に絡んでいくような話でしたが、『邪魅の雫』はあの“雫”の存在が媒介になって邪が伝染いくという構造になっていて、そんな対象性も興味深かったですね。うろ覚えですが、『魍魎の匣』の中で、人はたまたま条件が揃って手段があれば人だって殺しちゃうこともあるんだ、みたいなことが書かれていたような気がしますが、今回はそのきっかけを“雫”という形で分かりやすく表現したということでしょうか。 このままの流れでいけば、次は『狂骨の夢』を補完する作品ということになりますが、どんなバリエーションを見せてくれるのか楽しみですねぇ…。(2006年10月26日 11時24分33秒)
りりこさん、こんばんは\(o⌒∇⌒o)/
『姑獲鳥の夏』刊行からかなり月日は経ちましたが、物語の中ではたいして経ってないんですよね。 でも、随分彼らの人となりは変わってきたようにも思います。 >うろ覚えですが、『魍魎の匣』の中で、人はたまたま条件が揃って手段があれば人だって殺しちゃうこともあるんだ、みたいなことが書かれていたような気がしますが、今回はそのきっかけを“雫”という形で分かりやすく表現したということでしょうか。 ああ、確かに!“雫”という恣意的なきっかけにより犯罪を犯してしまう姿がこれでもかって程描かれてましたし。読み込めば読み込むほど、仕掛けが見えてきそうですね。 伊達に凶器になるくらい分厚くはないということか(笑) 次回作は誰の事件になるのか、『狂骨の夢』とどんな形で対になるのか、ホント楽しみです。 できれば、あまり間を空けずに刊行してくれたらもっと嬉しいです(笑) (2006年10月26日 23時04分45秒) │<< 前へ │次へ >> │一覧 │コメントを書く │ 一番上に戻る │ |