うわ、やばい!どうしよう!☆(≧▽≦)☆!とじたじたばたばたするしかできないんですが!
奏さんから、ハコさん(サクラバコ)が色塗りしてくださった
【花】にちなんだ銀妙SSを頂いてしまいました!
さりげなくて、綺麗。
そんなSSにしていただいてすごく感動してます♪
是非是非、皆さんも私と同じ感動を味わってください。
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あるところに、
それはそれはうつくしい色のはねをもつチョウがいました。
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「大丈夫ですか?姉上」
差し出された新ちゃんの手を取って、大丈夫、ありがとうと笑顔を作る。
今日は珍しく仕事も休みで、天気もいいし家の掃除でもしようかと押入れを開けた矢先、掴んだ布団が悪かったらしく、中に仕舞い込んでいた日用品やら、冬服やら、それら沢山のものを床にばらまいてしまった。それらと一緒にひっくり返ってしまった自分に、新ちゃんが手を貸してくれた、というわけである。
「派手にやっちゃいましたね」
散らばったものを拾いながら新ちゃんが言う。
「新ちゃん、今日は銀さんの所でお仕事でしょう?私のせいで遅刻しちゃうわ」
「大丈夫ですよ。今日は仕事の予定も無いし、行ったってやることは同じだろうし」
「…銀さんてば、新ちゃんにばかりさせないで、たまには自分で掃除くらいすればいいのに」
同じ様に散らばった物を拾い集めながら愚痴をこぼす。
少し埃っぽい。
それもそのはずだと思いながら手を動かす。
父上の残したこの家は、二人で住むには広すぎる。
隅から隅まで綺麗にしようと思ったら、とてもじゃないけど一日では終わらない。
この部屋を掃除したのはどれくらい前になるのだろうと、思い出すのも大変なことだった。
「あれ?」
新ちゃんの声に振り返る。
「姉上、これ…」
「あら」
差し出されたのは一冊の絵本。
それも、もう随分と前のものだとすぐ分かるような、角が折れ、色褪せてしまった古びたもの。
「懐かしい…こんな所にしまってあったのね」
言いながらページを捲るとキシキシと音がした。
「昔、よく姉上が読んで聞かせてくれた絵本ですよね。寝る前に」
確か、蝶と狼の話ですよね、と続ける新ちゃんに相槌を打つ。
最初にこの本を読んでくれたのは母上だった。
新ちゃんが生まれて間も無く、母上が亡くなってからは、時々だけど父上が読んでくれた。
字を覚えるころには暗唱できるくらいに物語を覚えてしまっていて、今度は私が新ちゃんに読んで聞かせていた。
とてもとても思い入れのある絵本。
それを新ちゃんが覚えていてくれたことが、絵本を見つけたことに喜ぶ気持ちと重なって、自然と口元を緩ませる。
何年ぶりだろうか、
この物語に触れるのは。
***
チョウがひらひらとまうと、
どんなどうぶつでも ほう、とためいきをつき、
そのすがたに見とれてしまいます。
チョウは、みんながほめてくれるそのはねが
とてもすきでした。
まいにちまいにち おひさまの下、
きらきらととびまわりました。
しかし、あるときそのじまんのはねは、
まっくろにそまってしまいました。
チョウは そのりゆうに気づいていました。
その日、とてもかなしいことがあったのです。
はねがくろくそまってしまったチョウに、
だれも見むきもしません。
チョウはまいにち泣きました。
泣けばなくほどに、はねはいろつやをうしない、
いつしかチョウはとぶことすらできなくなりました。
***
途中まで読んだところで、玄関のベルが鳴った。
「誰だろ…。僕、見て来ますね」
言いながら新ちゃんが部屋を出ると、日差しに照らされて埃がキラキラと舞った。
空きっ放しの襖の奥を見ながら、ふと、この絵本を気に入っていた理由は、父上や母上が読んでくれていたことだけではないような気がした。
真っ黒な蝶…
口の中で反芻する。
心に小さなしこりを残したまま、再び視線を絵本に移す。脆くなってしまった絵本は、吹き入る風でバラバラに飛ばされてしまいそうだった。
***
その日は まんげつでした。
とべなくなったまっくろなチョウは、
まっくらなやみの中、
とうとう うごけなくなりました。
このままわたしは、だれにも気づいてもらえないまま、
やみにとけて きえてしまうのだろう…と、
チョウはゆっくりと目をとじました。
たん、とじめんをける音がしました。
「だれ?」
言いながらチョウが目をあけると、
そこにはまっしろなオオカミが立っていました。
オオカミが、そのまっくろなはねにほおずりすると、
ふしぎなことに チョウのはねはかるくなりました。
チョウはまた、いぜんのようにとべるようになったのです。
***
次のページを捲ると、何かがその間から静かに滑り落ちた。
何だろうと立ち上がり、少し遠くへ運ばれてしまったそれを追いかける。
拾い上げるより先に、他の人の手が伸びた。
「何コレ」
しゃがみ込んだまま、その人はこちらを見上げる。
「銀さん!?なんでウチに…不法侵入で訴えますよ」
「いやいやいや、ちゃんとベル鳴らしたじゃん!新八が上がっていいっつったんだよ」
耳を澄ますと、玄関の方から新ちゃんと神楽ちゃんの話している声が聞こえた。
「…それより…」
溜め息を吐く銀さんの視線が、摘まれたそれに移る。
「…あ」
心の中で声を上げた。
――それは、あの時と全く同じ。
しゃがみ込んだその人は、薄く笑いながらその黄色い花を差し出した。
「この栞、お前の?」
ずっと失くしたと思っていた。
大事に大事にしまっていたのだけど、父上が亡くなり、借金取りに沢山の物品が回収され、その中に紛れてしまったのだろうとばかり思っていた。
「はい」
いつまでも持っていようと決めた花。
その事すら、いつの間にか忘れてしまっていた。
「私の、宝物ですよ」
言いながら受け取る。
鮮やかなままの黄色と、それを手渡すその人の真っ白な髪を見ると、何だか可笑しくなった。
「…何だよ」
「いいえ、別に」
この人は覚えているのだろうか。
「つーか、お前何してたの?」
すっとこちらに伸びてきた手が、知らないうちに汚れていた頬を撫でる。
あの時拭ってもらったのは涙だった。
***
気がつくとおひさまがかおを出していました。
チョウはあわてておきあがります。
しかし、つきと同じいろをしたあのオオカミは
どこにもいません。
かわりに、見たこともないほどのうつくしい花がいちりん、
そばにおかれているだけでした。
「また、あいたい」
チョウはあの、つきよのオオカミに恋をしたのです。
ひととおりジタバタした後は、ため息をつくばかりです。
なんてことないイラストから、こんな素敵なSSが出来ちゃうんですねぇ……
このイラストって、他の方にもSSを頂いてますが、元絵を描いた自分を盛大に褒めてあげて伊気持ちで一杯です(笑)←言ってろ
絵本にリンクしてる二人がすごく自然で、ホントにあったことのように錯覚させていただきました。
っつか、覚えてるんだか覚えてないんだか、単にしらばっくれてるだけなのか。そんな銀さんの描写にドキドキしっぱなしです♪
とは言え、文句もあります。
こんなに素敵なSSを頂いてこんなことを言うのは心苦しいんですが、奏さんが、メールにこんなことを書いてらっしゃったからには、盛大に苦言を呈さねば銀妙スキーの名折れ!( ̄‥ ̄)フンッ
こんなこと⇒「あ、何か、銀さんがお妙さんを触り慣れててスミマセン;
よそ様へ送る小説ではもっと慎めと、奏の方からもよく言っておきます。笑」
いやいやいやいや。待て待て待て待て。
慎んだら意味ないじゃん!
そこはもっと、ほら!がっつり触っとかないと!!
とりあえず、全国600万人(適当)の銀妙スキーの心の声を代弁してみました。
全くもう、奏さんったらこんな素敵なSSを書けるのに、大事なとこは分かってないんだから♪
…………すみません。調子に乗りすぎました。
いやでもマジで!慎むのはなしの方向で!!(←必死)
と、ともかく、530万打のお祝いには勿体なさすぎる素敵SSでした♪
奏さん、ありがとうございました!☆(≧▽≦)☆!
奏さんの素敵ブログはこちらです♪⇒little letter