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2011年05月29日
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テーマ:銀魂(1187)


HRKメンバーでもあるrubydredredさん(720°)からミツバさんの小説を送っていただきました。

rubydredredさんのブログでご覧になった方もいらっしゃるとは思うんですが、出来上がったのには経緯があります。

rubydredredさんからのメールを抜粋させていただくと

「この話は、香林さんがハコさんのリクで沖田さんとミツバさんの絵をリクエスト→ 出来た絵にハコさんが妄想 → 香林さんが妄想 という流れを見ていた私が手を上げました。二人の妄想がツボでした。」 とのことです。

もうね!香林さんのリクエストがグッジョブすぎるっていうか、ハコさんのイラストがかわいいのなんのって!☆(≧▽≦)☆!

というわけで、まずは、ハコさんのイラスト(線画も色塗りもぜ~んぶハコさん)をごらんください。

ハコさんのブログ(サクラバコ)にアップされてます。
http://asanohabox.blog35.fc2.com/blog-entry-364.html

ご覧いただけました?OK?では、香林さんの素敵リクエストに応えたハコさんの素敵イラストを基にしたrubydredredさんの素敵小説をご覧下さい。



【5月26日】

近藤さん編 ミツバさん編 沖田さん編

※楽天ブログの字数制限にひっかかったせいで、8分割(汗)になってます。一気に読まれたい方は、フリーページの方からご覧下さい。⇒【5月26日】



【5月26日   1 近藤さん編】



誕生日は、

あなたへ、出会えてよかったと伝える日
あなたが、ここにいることを喜ぶ日
あなたに、生まれてきてくれてありがとうを言う日






近藤


「近藤さん」

朝稽古の後で、総悟に呼び止められた。
いつになく真剣な顔をして、総悟らしくもない様子に俺は驚いた。次の言葉を少し考えているようで、珍しくもじもじしている。辺りをきょろきょろと見回して、自分と俺しかその場にいないのを確認すると、そっと手招きした。
「どうした、総悟」
中腰になって総悟の顔へと近づくと、幼い子特有の柔らかい髪の毛が頬を撫でる。総吾は俺の耳元に近寄って内緒話をするように、手を俺の耳によせた。総悟にしちゃずいぶんと子供っぽいなと思いながら、次の言葉を待った。

「近藤さん、お願いしたいことがあるんです」
あの総悟がちゃんとした言葉使いで頼みごとをするなんて初めてのことで、俺はちょっと感動する。
「あの、近藤さん。5月26日はお暇ですか?」
「多分、暇だと思うが。どうした?」
「家に来てくれませんか?おねーちゃんの、姉上の誕生日なんです」
意を決したような総悟の言葉で俺ははっとして、思わず顔を見そうになった。俺の頬に寄せられた総悟の指がちょっと震えていて、俺はそのままの姿勢で総悟に答えた。
「もちろんだ、喜んで寄せてもらう」
頷きながら言った俺の言葉に、総悟は小さな声で心配そうに訊ねた。

「本当ですかィ」

「ああ」
力強く俺が答えるとすぐに総悟は俺から離れて、いつものいたずらな笑顔に戻った。
「近藤さん、本当に来てくれやすかィ」
「ああ、男に二言はない。それに、ミツバ殿にはいつも何かと気を遣っていただいているんだ。本来ならこちらから何かするのが筋ってもんだ」
総悟は俺の言葉を聞いて、うれしそうに笑った。
「なあ総悟、誕生日というなら大勢がいいんじゃないのか」
「近藤さん。近藤さんだけ、でさァ」
また真面目な顔になってそう言うと、もう一度総悟は道場の中を見回して誰もいないのを確認した。

その日は総悟は一日中上機嫌で、いつもなら誤魔化す稽古も率先して張り切っていた。普段とは違いすぎる総悟の様子に、トシは不思議そうだった。総悟に何かあったのかと真顔で俺にトシが尋ねているのを知らぬ顔で素通りして、総悟はトシの草履をつまむとひょいと遠くへ放り投げた。
「て、てめェ、なにしてやがる」
慌ててトシが総悟を追いかると、道場には二人が走り回る音が響いた。
「こら、やめんか二人とも」
大声で俺が二人の間に割って入ろうとするが、あまりにすばしこくて中々捕まらなかった。

総悟はトシの周りをちょこまかと走り回ると、隙を突いて膝の後ろを蹴り上げた。トシが体勢を崩して床に膝をつくと、それを鼻で笑って道場の入り口へと駆け出した。
急いで外へ逃げ出そうとしていた総悟の動きが戸口で止まると、光が射したような輝きが顔に満ちた。
「おねーちゃん」
とっさに家での呼び方が出てしまったことにも気がつかず、総悟は迎えに来た姉のミツバに笑顔を向けた。

「そーちゃん、駄目でしょ。草履を放り投げたりしちゃ」
彼女は総悟の投げた草履を拾い上げ、大事そうに手に抱えて立っていた。
「だって、姉上」
総悟は甘えた声で姉に答えると、いじいじと拗ねたように横を向いた。年相応のそんな仕草に俺は思わず笑ってしまう。姉であるミツバ殿の前でだけで見られる姿だった。

「近藤さん、すみません。そーちゃんったらいたずらばかりして」
近寄ってきてミツバ殿は俺に頭を下げると、総悟には「めっ」と母親のように叱った。
「いやあ、子供のすることだ」俺が笑いながら彼女に答えると、ミツバ殿はまた頭を下げた。
「これ、近藤さんの草履ですか?」
「いや、トシのだ。おおい、トシ」俺がトシを呼ぶと、あいつはいつの間にか道場の隅で素振りなんぞをしていて、聞こえないふりをしていた。
「トシ」
もう一度大声をだしたが、こちらを見もせずに黙々と終わったはずの稽古を繰り返している。

「気にすることはない、どうせ俺のもトシのもボロ草履だ」
「でも」
奥にいるトシへ、ミツバ殿は何か声をかけようか迷っているようだった。
「トシ」
もう一度俺が声を張り上げたが、それを邪魔するように総悟がやってきた。
「姉上、帰りましょう」
総悟は気がつくとすでに身支度を整えていて、俺に頭を下げるとまだ迷っている姉の手を掴んで、ぐいぐいと歩き始めた。ミツバ殿は振り返りつつ総悟と歩いていたが直に笑顔になり、傍らの総悟へ何か話しかけているようだった。はしゃぎながらそれへ総悟は答えているようだったが、急にくるりとこちらを向き一人で駆け出してきた。
「近藤さん、ホントに来てくれるんですねィ」
総悟は息を切らしながら、まっすぐに俺の目を見て訊ねた。
「もちろんだ、約束しただろう?」力いっぱい笑顔で答えて、どんと胸を俺はひとつ叩いた。
「へへっ、約束ですぜ」
総悟はにっと笑うと手を振って、姉の下へとまた走っていった。

「総悟もああしていると、子供に見えるな」二人が仲良く帰っている姿を見て、俺はぽつりと呟いた。
「子供っていうより、ガキだな」
素振りをやめて俺のほうへやってきたトシは、きちんとそろえられた草履をちらりと見て顔をそむけた。
「ああ、ガキだな」素直でないトシへ向けてそう言うと、総悟に言っていると勘違いしているらしくトシは素直に「ああ」と返事をした。


その後、総悟はずいぶんと張り切っているようで、俺に「ケーキの作り方」や「飾り付けの仕方」を教えてくれと頼んできた。俺がこういうことには不向きなのは総悟も十分に分かっているんだろうが、他に訊ねることができる相手が総悟にはいないようだった。
あいつが同じ年頃の男の子と話をまともにしている姿を、俺は想像できなかった。道場や周囲の大人たちの間でならただのいたずらっ子で済む総悟だったが、子供の中ではうまくなじめない様子で、総悟自身も相手を馬鹿にして話をしたくはないようだった。
ミツバ殿は、総悟の張り切っている様子がうれしくて仕方ない様子に見えた。弟のために気がつかないふりをしているが、総悟が俺に出席を頼んだことも承知していた。
「近藤さん、本当に無理しないでくださいね」
ちょっと心配そうな顔をして、迎えに来た総悟がトシと追いかけっこをしているのを、遠くに見ながらそう言った。
「ミツバ殿には俺が無理なんてしているように見えるか。随分と楽しみにしているんだが」
俺が本心からそう答えると、安心した顔になった。
「ふふっ、ありがとうございます」


ミツバ殿の誕生日はずいぶんといい天気になった。
朝から雲ひとつない青空で、総悟が随分と喜んでいるだろうなと空を見上げながら俺は思った。
昼から始まる宴のためにのんびり歩く道すがらも、汗が出るような陽気だった。

「ごめんください」
沖田家の玄関で案内を乞うと、出てきた総悟がほっとしたような顔になった。挨拶もそこそこに、総悟に奥へと通された。
客間の掛け軸のあるべきところに「姉上、お誕生日おめでとう」と総悟が大書した文字が躍っている。紙からはみ出そうな勢いの文字に、総悟の気持ちがこめられているようで思わず笑ってしまう。花瓶には庭のサツキを総悟が折り取って生けたのだろう、随分と盛大に飾られて枝が窮屈そうだった。
長押には色々な紙で作られた輪飾りがぐるりと飾られ、机の上の箸袋には総悟の下手な字で三人の名前が各々書かれていた。
机の上には精一杯の料理が並んでいて、総悟のミツバ殿への思いと、ミツバ殿の総悟への思いが俺にははっきりと見えて、目頭が熱くなった。

「総悟、随分と頑張って作ったのだなあ。俺にはとても真似できんぞ」
総悟はちょっと驚いて、俺の言葉に答えるように得意気な顔になった。
「近藤さん、わざわざ本日はありがとうございます」料理を持ってきたミツバ殿が、俺に気がついて慌てたように頭を下げた。
「いやあ、こんなに立派な会に招待してもらって、俺のほうこそ礼を言うべきだ」
姿勢を正して改めて俺が頭を下げると、それを見ていた総悟は姉の持ってきた料理をつまんで口に放り込んで、ミツバ殿にたしなめられた。
「近藤さん、姉上の作る料理はどれも絶品でさァ」にっこりそう言うと、誕生日会が始まった。

青菜と飾り麩の吸い物、春菊のおひたし、揚げた大根にとろみのついたたれがかかっているもの、厚揚げと野菜を炊いたもの、尾頭付きの焼き魚、鳥のから揚げ、川海老の揚げたもの、鯉の旨煮。苦労して手に入れたのだろう、走りの小さな枇杷がひとつずつ小皿に乗っていた。小さな壷の中にはミツバ殿の好きな唐辛子の粉が入っていた。
どれから食べようかと迷うほどで、俺と総悟は黙々と食べることに集中してしまう。
ミツバ殿は俺たちを見てニコニコとしているだけで、唐辛子をかけているがあまり箸が進まないようだった。
「姉上、すごくおいしいです」
鳥のから揚げを三つも頬張りながら言う総悟に、ミツバ殿は「まあ、そーちゃん」と行儀の悪さをたしなめながらも、目尻が下りっぱなしだった。
「いやぁ、どれもこれも本当にうまい」
「もう、二人とも」ミツバ殿ははにかみながら言うと、「ちょっと待っていてくださいね」と席を立った。



〈続きます⇒-近藤さん編ー (後)〉




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最終更新日  2011年05月29日 18時22分28秒
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