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新・絶対学力〜視考力で子供は伸びる〜 〜知性も感性も無理なく育てる豊かな教育を約束します〜
【まえがき】 「視考力」の養成を中心に据えた豊かな教育を提案します 子供のころ、算数の文章問題が苦手だった人は少なくないと思います。そして、それが原因で数学嫌いになった人も多いでしょう。ところが、あれほど手を焼いた算数の文章問題も、大人になってからやってみると、意外にスラスラと解けてしまいます。なぜでしょうか?いつの間にか数学の力が身についたのでしょうか。そんなわけはありません。私達はさまざまな経験を積み、いろんなものを見てきたために、子供のころにはできなかった文字の映像化(頭の中で文字を視覚イメージとして再現すること)ができるようになったのです。長い文章もイメージ化すると単純に表せますから全体像が見えてきます。それで何を答えとして求められているのかが分かってしまうのです。見えると分かるんです。子供のころは文章問題の字面を追っていただけですが、大人になると文章問題の全体像が見えるようになるのは視覚イメージを使って考えることができるようになるからなのです。このように、視覚イメージを使って考える力を、私は「視考力」と呼んでいます。 それでは、視考力を身に付けるには大人になるまで待たなくてはならないのでしょうか。そんなことはありません。訓練さえすれば、子供でも簡単に「視考力」を身につけることができます。そうすれば、どんなに難しい文章問題に出会っても大丈夫。丸暗記の詰め込み学習や条件反射的な高速暗算練習などでは育たない一生使える本当の学力が身に付くのです。もちろん受験勉強にも視考力はその威力を十分に発揮します。 私は長年にわたって最難関といわれる中学や高校への受験勉強を指導してきました。ですから、入試に対応できる「学力」の養成方法は熟知しています。また、小中学校でできることやできないことも承知しています。さらに、子供達を壊しかねない工夫のない力任せの受験勉強を尤もらしく指導している受験塾の弊害も体験してきました。そして、私がたどり着いた結論は、「受験のシステムが変わらなくても、学校改革が進まなくても、それでも工夫次第で知性も感性も無理なく育てること(豊かな教育)はできる」ということでした。教育は工夫次第で劇的に変わることができるからです。 受験用の学力と本当の学力が全く違うと言うことはあり得ません。ところが、実際には受験でしか通じない力だけを身に付けている子供が大勢います。これは学習する方法や順番とバランスが異常だからです。小中学生を一貫して教えていると、このことが良く分かります。多くは受験用の技を学力と取り違えていることに原因があるようです。 子供達には豊かな教育を受ける権利があります。人間にとって必要不可欠な「知性」と、しなやかで瑞々しい「感性」を獲得する権利です。そして、ほんの少しの工夫で受験をも笑って突破できる実力も育てることができるのです。難しいことではありません。今まで気付かなかっただけなのです。キーワードは「視考力」です。この本では、この視考力について詳しく書きました。視考力とは読んで字のごとく、「視て」「考える」力のことです。前著「絶対学力」では「目で考える」という項目で扱っています。そして、この視考力は「絵図を使って理解する」ことで育っていきますので、算数の文章問題を「絵図で解く」ことが最も効果的な練習になります。 子供達は「お絵かき」が大好きです。ところが、勉強となるとなかなか自分から絵図を描こうとはしません。算数の文章問題でも絵図さえ描けばひと目で分かるのに、何も描かずに「分からない」「難しい」「習っていない」と言いながら、脈絡のない数字を足したり引いたり掛けたり割ったりし始めます。そして「コレ割り算?」などと言い出します。これは異常なことです。持っている力を封じ込められているのです。つまり、彼らは絵図を使わないのではなく、絵図の使い方を教えてもらっていないのです。これではちょっと複雑な問題に出会うと、直ぐにお手上げ状態になってしまいます。絵図を使って整理し、理解するという、人間がもっとも得意とする情報処理能力の使い方を教わっていないのですから、「分からない」のは当たり前なのです。 世の中には「読み書き計算を徹底すれば、考える力は自然に育つ」と思い込んでいる人が少なくありません。本当にそうでしょうか。私には、読み書き計算で考える力が育ってほしいという「希望・願望」としか思えません。なぜなら、何万人という子供達と接するうちに、読み書き計算が優秀であるにもかかわらず、考える力が育っていない子が圧倒的に多いという事実に気がついたからです。いつまでもないものねだりをしていても始まりません。考える力を育てるには、考える練習が必要なのです。もう、「考える力は自然に育つ」という大きな勘違いから目覚める時ではないでしょうか。保護者や教師がそれに気がつかなければ、子供達がかわいそうです。 この本では、「目で考える力=視考力」を中心に扱っています。この力は誰もが生まれながらにして持っているもので、「多面的に物事を見る力」「工夫する力」「考える力」の源になります。またこの力は、足し算・引き算・九九・文章問題から受験まで効果的に使われますし、スポーツや芸術活動にも有効です。そして、社会人になってもビジネス上の企画立案や問題解決、人生設計などにも威力を発揮します。このように、一生使える「目で考える力=視考力」を小学生の頃から身につけるようにすれば、あらゆる学習が格段にやさしくなり、本当の意味での考える力が身に付くのです。 私が指導している算数文章問題教室(年長〜小六)には、いろんな個性の子供がやってきます。学習のレベルもさまざまです。しかし、どの子も最初の数ヵ月間は、判で押したように「分かんない」と言い続けます。ところが、絵を描きながら解いていくやり方をゆっくり教えると、学習のレベルに関係なく、どの子も解けるようになります。これが私の提唱する「目で考える力=視考力」を使った学習です。「読み書き計算」も必要ですが、それをいくら徹底したところで、考える力は身につきません。目で考える「視考力」が考える力を育てるのです。もちろん、「視考力」は日々の学習にも有効ですし、受験にも有効です。そろそろ表面的な力任せの「貧弱な教育」ではなく、無理なく無駄なく効果的な視考力の養成を中心に据えた、知性と感性を同時に育てる「豊かな教育」を体験させてあげようではありませんか。 合い言葉は Good E Smart L(Good Education with Smart Learning) です。 *このブログが参考になりましたら、お手数ですが、下記をクリックお願いします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年05月27日 17時38分55秒
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