まあぼの交差点

レンテンローズシリーズを読み始めた。＜富士見（ミステリー）文庫はイラストたっぷり（しかも巻頭はカラー）というのが気に入っています。＞

１作目の「レンテンローズ」から読みたかったのだが，図書館を本棚にしている悲しさで，リクエストした１作目がこないうちに２，３作目の締め切りが迫り，

「笑う月」（太田忠志）

から読むことになった。

童謡「あの子はたあれ　たれでしょね」を歌いながら１人の中学生が自殺し，
２年後，その歌になぞらえて３人の中学生が連続して殺される。

犯人とその動機はひき算をすると簡単に見つかるが，この話の主人公久世伸弥の心のぶれがよい。
彼が最後に「鎌で狩られる」のだが，「従兄の自殺のきっかけを作ったのではないか」と思っていたのは考えすぎだったようだ。

小島仁美殺しの理由については，やや不満。
アンカサスが伸弥に対して「３人の中学生はどのようにして殺されたか，そして，なぜ殺されたか，わかっているのか」…「思ったとおりの不甲斐なさだ」と見得を切る。
しかし，佐藤と山田殺しの動機は，金を脅し取られてことにあり，これはわかりやすいのだが，小島仁美が「小島」という姓を持っていたという以外に殺された理由が解明されていない。２人目とか３人目ならそれでもよいが，最初の殺人なのだ。
「個人的」に殺したくなる理由やきっかけがあるのではないか？　アンカサスさん，どうでしょう？

ところで，シリーズ全体の主人公であるミユキことプリムラとノブさんことアンカサスの正体は最後でちょっと明らかになるが，「チガウヒト」である雰囲気は最初からプンプン。
第１話が気になる！！

ところで，ネタバレしないように，この本に出てくる花とペットを少しだけ紹介します。
すでに読んだ人は思い出しながら，これから読む人はそのときにでもお楽しみください。

★レンテンローズ（クリスマスローズ）　シリーズ名にもなっていますが，花屋の名前であり，主人公久世伸弥が店のノブさんから鉢植えをもらい，部屋に飾りました。

ルリコンゴウインコのサム　花屋「レンテンローズ」の陰の支配者にちがいない，かわいいペット。好きになりました。

ドウダンツツジ　ミユキがノブさんから「花の知識がない」と責められるきっかけになった花です。言語道断の連想でこの花の話題になりました。

マリーゴールド　店先でノブさんが如雨露と移植ゴテをもって，プランターに移植していました。　擦り傷，切り傷に使えるとのことです。

棗　童謡「あの子はたあれ」に出てくる木です。

アカンサス　説明なし，本をお読みください。

プリムラ　説明なし，本を読むとわかります。

１作目「レンテンローズ」の日記は→こちら
３作目「囁く百合」の日記は→こちら

時代，場所，登場人物などをフリーページの太田忠司メモ（笑う月）に簡単にまとめてありますので，ごらんください。
太田忠司の他の作品についての日記は，フリーページ　読了本（日本）　（太田忠司）からごらんください。

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