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テーマ:京極堂シリーズ大好き!(44)
カテゴリ:京極夏彦
続編が元の本の様相を一変させる。そんなこともあるのだと感じたのが,
京極夏彦の「続巷説百物語」だった。「続」の6話中5話は,時系列的には「巷説百物語」(日記は→こちら)の1話1話の間にはさまり,それぞれの前後の話もからめとって,登場人物それぞれの事情,時代背景などを明らかにする。 「いつのまにか巻き込まれていた」と思っていた百介が,兄の事件のことで自分から又市を訪ねていったことがわかり,曖昧に語られていた治平やおぎんの過去も明かされる。 天明の飢饉を手がかりに,舞台が化政の終わりから天保のはじめくらいに設定されていることも確定し,そのことによって,もともとミステリ仕立ての短編集であったものが,長編時代小説にしっかりと組み込まれてしまったのだ(ということで,前回ミステリに分類した「巷説百物語」を時代小説に変更することになった)。 「続」になってガラッと変わったこともある。 「巷説百物語」では,妖怪遣いの又市たちの仕掛け話が7本並んでいた。 これらすべて誰かから依頼された仕掛けである。多い少ないは別として金主がいた。要するに他人のための仕事である。 ところが,「続」になると,金主がいない仕掛けがほとんどになる。「狐者異」「船幽霊」では,仕掛けに対する仕掛け返しの趣きもある。 これは自分たちの戦い。そして,その戦いは本の中では語られない「背後に豪く大きな黒幕」をおいた「裏の世界のやっかいな揉め事」,「江戸と上方の間」の「大きな抗争」へと集束していくのだ。 治平や上方の十文字狸が死んだこの抗争について,読みたかったなあ。 しかし,山岡百介が仲間から外されてしまったことで,読者は抗争の詳細を知ることができない。 ここらへんの気持ち,○○館の白凪さんがうまく書いていらっしゃいます。 そういえば,又市については,結局何も明かされなかった。 目晦ましの姿であったはずの御行の弔い装束を解けなくなったのが,御燈の小右衛門が江戸を離れたころ。 それはまた,又市が治平と出会ったときのことで,治平は「みんな死ンじまう」という又市の言葉を聞いている。 その又市に百介が最後に会ったとき,彼は「八咫の烏」と名のり,黒装束だった。 抗争を経て「けり」がついたということなのか,それとも新たな闇の中に入ったということなのか。 めいっぱい余韻を残したまま,次の「後巷説百物語」を読むことにしよう(日記はこちら)。 ところで,京極堂シリーズ大好き!(http://plaza.rakuten.co.jp/thm/182223/g1005/)というテーマがありますので,よろしければご利用ください。 各話の舞台,登場人物とあやかしは,フリーページの京極夏彦メモ(百物語シリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。 シリーズ最初にあるリンク用のインデックスは時系列に並べてあります。 京極夏彦の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (京極夏彦)からごらんください。 第2話「狐者異」は最近WOWOWでドラマ化されているようです。詳しくは,-blue screen life-(sunny16さん)の記事をごらんください。 背表紙ふぇちの独白(ayafkさん)には,京極作品全体から見た位置付けとともに,アニメの情報も載っています。 次の日記も読ませていただきました。 ちょっといっぷく(ハレバレさん) 未来の予定~ラビ的(みっつ君さん) ヘフレレ - hefurer(王道名なしさん) 楽天ブックス お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007/01/13 10:45:29 PM
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