まあぼの交差点

「スナーク狩り」は，キャロルによる８章141節の詩である。

で，何でこんなもの（失礼）を読んだかというと，先日紹介した「ノービットの冒険」（パット･マーフィー）の各章の始めにこの詩が引用されていたからなのだ。「ノービットの冒険」の記事は　こちら。

ところが，「ノービットの冒険」との関係を語ろうにも，図書館から「ルイス･キャロル詩集」を借りたのと同時にノービットのほうをうっかり返却してしまったので，ムリ！

くやしいから，何回かに分けて内容を紹介することにした。

ただし，ここに書いた紹介を鵜呑みにして他人に話してはダメ！　文学的，文学史的，詩的，語学的裏づけは全くないのでだまされないように（ちくま文庫版の沢崎順之助訳，註，原典をあくまでも手前勝手に解釈したものである）。

１章　上陸
「ここがスナークのいる所」とベルマンが３回宣言するところから始まる。

ベルマンとは鐘を鳴らす人だが，スナーク狩りの隊長であり，航海の船長でもある。
上陸にあたっては，各人の髪の毛を指に絡めて（持ち上げ）波に当たらないようにしてやっているので，ほかのメンバーよりかなり背が高い（彼だけが人間で，ほかはすべて人形ではないか？　とも考えたのだが……）。

他のメンバーといえば，ブーツ（靴磨き），ボンネット製造業者，バリスター（法廷弁護士），ブローカー（株屋），ビリヤード･マーカー（ハスラーか？），バンカー（銀行家），ビーバー（唯一の動物だが註によると女との説が有力そう），ベイカー，ブッチャー。

ベイカー（パン焼き）として乗り込んできた男，乗船後に自分が焼けるのはウェディング･ケーキだけと白状し，そんな材料はあるはずがないとベルマンが半狂乱。

この男，註によるとルイス自身という説があるそうだが，乗船に際して42個の荷箱を忘れてきた。雨傘，時計，指輪，宝石，衣服の入った箱だが，ルイス説では42歳を表すという。

７着のコートを着，靴を３足はいて乗船したので衣類には困らなかったが，困ったのは自分の名前を忘れてしまったこと。大声に対しては，どんな言葉にでも返事をしてしまう。

ブッチャー（肉屋，屠殺人）として乗り込んできた男が１週間たってからいったのは，自分が殺せるのはビーバーだけとのこと。

それを聞いたビーバーが，泣きながら彼を別の船にしてくれとベルマンに頼んでも，それは無理な話。

ベイカーは中古の防剣コート（フロドがビルボからもらったミスリルのチョッキを連想すればいい）を手に入れることをすすめ，バンカーは火災保険か損害保険に入ることをすすめる。

はたしてこの船旅はどうなるのか？？　（詩そのものは船旅が終わった所から始まっているのだが……）

その２　に続く（ほんとうは４章まで終わらせるつもりだったが，長くなりすぎました）。

ところで，スナーク狩りの一行は全員がBで始まっている。
ということは，ビルボ･バギンズ（ホビット）もベイリー・ベルドン（ノービット）も，スナーク狩りの資格は十二分にあるっていうことだ！！

というところで，その２に続きます。

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