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2006/01/22
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ここに登場するのは,ジーヴであってジーヴではない。また職業(身分?)も執事ではなく,従僕
これは,

P.G.ウッドハウスの「ジーヴズの事件簿」

の登場人物についてであるが,もちろん彼は「比類なきジーヴス」(日記は→こちらから)に出てくるジーヴスと同じ人物である。

この本はウッドハウス選集の「I」として編まれ,短編の選択は訳者(たち)によるもので,1冊の本を訳したものではないが,そこに訳者の創意と「ジーヴズ観」がみられ,なかなかおもしろい(選集のIIとIIIは別のシリーズになる)。

ということで,今回は訳者(編者でもある)の意に添ってジーヴズ像をまとめてみようと思う。
めいっぱいネタバレになるが,もともと読む前からオチがわかり,それでいて楽しめるという作品なので,あえて色も変えない。

全体は13話(短編の数ではない)で構成され,そのうち
2~9話は,「比類なきジーヴス」と同内容,
1,10話はCarry on, Jeeves(1925)(「それゆけ,ジーヴス」)に,
11,12話はVery good, Jeeves(1930)に収録されたものである。
また,13話は1917年の本に収録されたもので,シリーズの原型を示すものとして「特別収録」になっている。

1話 「ジーヴズの初仕事」
盗癖のある従僕を首にしたバーティのもとに紹介所からジーヴズがやってきて,二日酔いにきく飲み物(生卵,ウースターソース,タバスコ!!)を飲ませて即採用となる。
彼の初仕事はバーティの婚約解消。また,バーティが気に入っていたチェックのスーツは彼が命じる前に庭師に下げ渡されていた。
バーティ24歳のときである。
ちなみに,10話によると,ジーヴズの前の主人は機転のきく投機家のトッド氏で2年目の刑期をつとめているとのこと。

2話~9話
バーティが27歳(推定)の春からのほぼ1年半。友人のビンゴの恋と結婚話が中心。
長くなるので内容紹介は省略。

10話 「バーティ君の変心」
語り手がジーヴズという変形バージョン。
子どもがほしいと思い立ち,3人の娘を連れてインドから帰る姉と一緒に暮らそうと思いついたバーティを翻意させる。
バーティが女学校で講演をせざるを得なくして,女の子に懲り懲りさせるという話だが,日本でも,新任教師の最初の授業でクラス全員が髪の毛を前にたらし,顔を隠して授業に臨むことがあると聞いた。コワイ世界だ!!

11話 「ジーヴズと白鳥の湖」
アガサ伯母の田舎の屋敷に呼び出されたバーティだが,そこには流行作家の妻がアメリカに行っている間の生活費を賭けで無くしたビンゴ(リチャード)が。
伯母の息子のいたずらをジーヴズの機転でバーティのせいにして,ビンゴは家庭教師の職を失わずにすみ,バーティは大臣秘書にならずにすんだ。
バーティは28か29歳(ビンゴの結婚のちょっとあと)。

12話 「ジーヴズと降誕祭気分」
モンテ・カルロ行きを中止してクリスマスをレディ・ウィッカムの屋敷で過ごすことにしたバーティだが,サー・ロデリック(4話で登場)と甥のタッピーも同時に滞在。
ジーヴズがサー・ロデリックの部屋が変わったことを教えなかったため,湯たんぽ穴あけ騒動でサー・ロデリックがカンカン。
結局モンテ・カルロに逃げることになるが,バーティはサー・ロデリックの娘との結婚をまぬがれ,意中の人ミス・ロバータ・ウィッカムのきまぐれで軽薄な性格もわかる。

13話には,ジーヴズの助けが得られないバーティがどうなるかが書かれているが,長くなったので,これも内容は省略。
とても興味深い1編だった。

「比類なきジーヴス」の日記(→こちらから)で,
「といっても,このジーヴスは「典型的な執事」のように「自分を殺して奉仕する(これがほんとうに典型かは?だが)」タイプではない。」
と書いたが,どうやらそれを「超えて」いるようだ。

ジーヴズにとってはバーティとの「あらゆる面での好ましい関係(10話)」,「2人の心地よい独身共同生活(同)」が何よりも大切であり,その中にはバーティの服装が自分の趣味に合っていること,ときに賭け事を楽しめることも含まれ,それが壊されるような事態が起こるとあらゆる手段をとって,その事態を避けようとするのである。

これは,内心では独身生活を謳歌していたいバーティの利害にもほぼ一致してはいる。
当面の問題が片付いたとジーヴズから示唆されさえすれば,その結果自身の評判がどうなろうとバーティは気にしないし,一時的にアメリカ,ノーフォーク,モンテ・カルロなどに逃げることになろうと,ロンドンに帰ることができさえすればご機嫌になる。
お人好しというべきか,ジーヴズのいうように「知性はゼロ。頭脳皆無。精神的には取るに足りない(4話)」というべきか……
それでも,誰に頼ることもなく,何ひとつ不自由なく(アガサ叔母の脅威は別として)暮らしていけるのがバーティのバーティたるところ。
ただ,思うままの服装をするとジーヴズの助けが得られなくなるバーティがちょっとかわいそうでもある。

「比類なきジーヴス」でのジーヴスは,主人バーティのプラスになるような機転を利かせながら,ときには自分も(自分だけのときもあるが)余得を享受するといった感じだった。
しかし,「ジーヴズの事件簿」の流れで読むと,10話などに典型的にみられるようにバーティを自身のコントロール下におき,彼を操っている印象が強い。

とくに13話では,ジーヴズがバーティにいったことのどこまでがほんとうであるのか全くわからなくなってくる。「意中の人ミス・ロバータ・ウィッカムのきまぐれで軽薄な性格もわかる」と書いたが,これはあくまでもジーヴズの言葉を通してであり,実は素直でよい女性であり,彼女と結婚してジーヴズを追い出すのがバーティにとって幸せだったかもしれないのだ……。
そこらへんは,バーティが満足しているのだから,まあそれでよしということにしよう(笑)

ジーヴズの「知性」と「知恵」,服装へのこだわりについてと,「ジーヴズの事件簿」と「比類亡きジーヴス」については,その2をお読みください。

「比類なきジーヴス」の日記は,→こちらから,
「よしきた、ジーヴス」の日記は,→こちらから,
「それゆけ、ジーヴス」の日記は,→こちらから,
「ジーヴズは執事? 従僕?」の日記は,→こちらから,
「ジーヴズオムレツを作る」の日記は,→こちらからどうぞ。

登場人物と関連ホームページをフリーページのウッドハウスメモ(ジーヴズシリーズ)に簡単にまとめてありますので,ごらんください。
ウッドハウスの他作品についての日記は,フリーページ 読了本(海外) (ウッドハウス)からごらんください。


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Last updated  2007/01/15 12:03:51 AM


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