まあぼの交差点

シリーズ１作目にあたる

森博嗣の「スカイ・クロラ」（2001）

を読んだ。

飛行機乗りの，というより戦闘機乗りの物語であり，戦闘機マンガにワクワクした人たちにとってはそれだけでたまらない魅力をもっているのだろう（微笑）

しかし，わからない話ではある。ってもちろん筋は追えてますよ（笑）　ただ，この作品を読む限り「保留」としてとっておくことがあまりにも多いのだ！！

クリタとカンナミの関係は？
キルドレって（おとなにならないくらいはわかってます）？
「会社」と戦争の目的は？
プロローグで殺した「物理学者」って？

などなど（中公文庫の裏に「会社」と戦争の目的がさらっと書いてあるらしいけれど，図書館から借りた新書判で読んでよかった！！）。

ジェット･エンジンの話から考えて，1990～2000年のことと考えられるが，ジェット･エンジンの開発が中断してしまった設定になっているので，パラレルワールドということであろう。
プロペラも機体の後ろにつけるのが主流になっているようだし……

第２作，第３作はこの話に先行する物語になり，今年発行された第４作で完結するらしい。

著者はHPで「これまでの中で最も森博嗣の本質に近い作品だと思います。だから、きっと売れない…。」と書いているが，「きっと売れない…」の部分は別として、まあ，わかる気もする。

短編集などにときどき出てくる，テイヨクいえば「夢見る少年」，はっきりいうと大御坊や喜多を筆頭とするおたく少年的なにおいがいっぱいただよってくるからだ（笑）

理由はわからないが，このシリーズのタイトルは英語タイトルをほぼそのまま読む形で統一されている。
「The Sky Crawlers」のcrawlは「はう，ゆっくり行く」という意味が基本だが，水泳自由形で最も速い「クロール」もこの語を使う。
主人公のカンナミはクロールでいいけれど，複数形だからやはり「のろのろ」の意味もありか！！

プロローグに，

泳ぐ，
踊る，
這いまわる。

という３行がある。これすべてcrawlといっていいだろう。

登場人物では，整備士の笹倉がやたら印象に残った。

Vシリーズなどと合わせて，発行順に読んでいるので，いつ頃最終作に行き着くことやら……
それとも，このシリーズだけ先に読んでしまおうか(悩，笑)

なお，下に紹介したスカイ･クロラ公式HPに，登場人物，各章タイトルの用語の説明（一部に森博嗣のコメントつき）があり，オリジナル散香（のんたモデル）のプレゼントも再開されている。

シリーズについての日記は，それぞれ，
２作目「ナ・バ・テア」
３作目「ダウン・ツ・ヘヴン」
４作目「フラッタ・リンツ・ライフ」
からお読みください。

時代･場所，登場人物（機種）などをフリーページの森博嗣メモ（スカイ・クロラ）に簡単にまとめてありますので，ごらんください。
森博嗣の他作品についての日記は，フリーページ　読了本（日本）　（森博嗣）からごらんください。


著者ホームページ：浮遊工作室 (ミステリィ制作部)
『スカイ・クロラ』公式ページ

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