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テーマ:ミステリはお好き?(1400)
カテゴリ:読んだ本(ミステリ・日本)
北村薫の「ニッポン硬貨の謎」(2005)を読んだ。1977年に来日したクイーンが,そのときに起きた事件をもとに書いた未発表原稿(The Japanese Nickel Mystery)を東京創元社の戸川が入手し,それを北村薫が訳したという体裁をとった作品。 もっともらしいコピーライト表示(よく見ると微妙にごまかしてある)をはじめ,文体や一部の訳語(実際は訳語ではないが,いかにもそれらしくしてある)のドロくささのどれもが,いかにも翻訳小説という感じを出している。 さらに,数多くの訳注。これでもう完全に「クイーン作品」になりきってしまっている(実際のクイーン作品に訳注がこれほど多いわけではないのだけれど……)。 幼児が誘拐され,フリソデにくるまれた死体で発見される事件が続く。 一方でクイーンの案内役になった女子大生奈々子はアルバイト先で,50円玉(ニッケル硬貨)20枚を千円札に両替することを頼まれることが続き違和感をもつ。 この2つの謎が,何ともこじつけっぽい動機と行動で結び付けられ,わけのわからないサインで事件が解決するのだが,これまたいかにも「クイーンらしさ」が出ていて,楽しい。 ミステリとしては決して「上質」ではないというか,イマイチ納得がいかないところが多く残る。 で,これがまたいかにも「クイーン作品」らしいのだ。 解説(「あらずもがなのあとがき」)の戸川安宣によると,この本は「ただのパスティーシュ」ではなく「見事なエラリー・クイーン論」になっているとのことだが,まさにその通り。 しかも,「見事すぎて」ついていけない部分が多く,自分がいかにクイーンを読めていないかを思い知らされ,冷や汗の連続となる。 その意味では,イヤな作品でもあった(笑) なお,これを機に「シャム双生児」を読みたいと思った人は,翻訳されたものではなく,原書を読む必要がある。 とまあ,そんなレベルではあるのだが,そこまでこだわらなければ,あらかじめ読んでいてもいなくても,同じ程度に楽しめる。 解説では,奈々子のモデルが若竹七海であることや,「50円玉20枚の謎」そのものが彼女の発案であったことを知らされ,ただただ感心するばかりだった。 追記 ちょっと休憩(ときあさぎさん)は,あらかじめ少なくとも「シャム双生児の謎」と「緋文字」を読むようにすすめていらっしゃるが,たしかに「背景」なしで読むのはちょっときついかもしれない。 ただ逆に,「翻訳小説」をいくつか読んで「ウザッ」と思って投げてしまった人は,それだけで読む条件を満たしている気もする。 「北村薫タッチのミステリ」を期待して読んだ人に違和感を与えるだろうことは予想できるが,作家にとって,それもまた織り込み済みなのだろう。 北村薫の作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (北村薫)からごらんください。 楽天ブックス&DVD 記事関連のオススメ日記 積んどく? 読んどく?(shiba_motoさん) 食べたり読んだり笑ったり(とおり・ゆうさん) 未来の予定~ラビ的(みっつ君) 眠たがりの日記(Sleepy-Akkyさん) 日々のあぶく(kiyu25さん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/10/11 01:54:52 AM
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