中小企業の味方
随分前の話なんだけれど、ある製品開発の話が舞い込んで来た。とある大学の教授が研究の結果、製品化したいと。 「できれば自分の研究結果を、大手企業ではなく中小企業の方に使って欲しいんです。」大手企業にではなく、中小企業のために役に立てて欲しいんだそうだ。是非商品化して欲しいと。うちの会社は開発設計で飯を食う会社。見積もりをさせていただきました。そうしたら先生怒っちゃいました。 「自分は中小企業のためにこの製品化を持ってきたのに、儲けようとするなんて何事か?!」どうも開発費用や試作品を作る費用がこれだけかかります、と言ったことが気に障ったらしい。別に暴利を貪っている訳でもないんだけれどね。それとも、こんな体力のない中小企業に、自社で何千万円も飲まず食わずで負担して、製品を作りなさいとでも言うんだろうか。その特許を譲ってくれるわけでもなく、製品が売れる算段も無い。他社に先駆けて手をかけることが出来ますよ、と言っているだけなのだ。そんなプロジェクトなら、最初からお金に余裕のある大企業に行っておくれ。そこにスポンサーで付いてもらえばいいんじゃない?結局、「飯を食っていく」ということの現実が全く見えていない先生だったんでしょうね。それで何度も連呼していた「中小企業の皆さんのために。」という台詞が空々しかった。