文章のみの4クルー目の7風俗嬢C歩)レンドルミンは眠りが浅い。悪夢ばかりを見る。 先月、レンドルミンからハルシオンに薬が変わった。 薬は始めはお守りみたいなもので、たぶんなくても大丈夫だと思っている。 安心するから気が済むまで飲もうと思っている。 仕事前はリラックスするようなのを飲むと ストレスがたまりにくくていい。 オーナーが大雑把だから反発心芽生えないように。 笑顔振りまいているけど、本当の私はたぶんみんなが思ってるC歩とはちがう デリヘルは自分を犠牲にすることで自分を罰してるような気持でやっている。 お金がないとはいってもちがう違うバイトもいっぱいあると思っている。 色々考えるから怖くて暇な時間が作れない。 C歩は札幌出身だ。仙台の大学に進学に来てそのまま、仙台にいる。 栄養士の資格をとりたいと思っている。 YUKIのキスをしようよという曲が好きだ。 去年は一生の中で今年が一番何事にもうまくいかなくて大変な年だった。 噂による大殺界らしい。信じてなかったけど、去年と全然ちがう。 苦しんで苦しんでもがいてる。 結婚すると思っていたひとから結婚できないと言われた。 大学の友達D子がデリヘルの店(ただし、テコキのみ)に居た。 D子とは大学で知り合い、同じ時期に辛い時期にはげましあった。 お互いの家に一緒に住んでいた時期がある。 D子は不倫をしていた。ある日、その奥さんが部屋をたずねてきた。 そのときD子の相手が部屋に居た。 話から、D子のマンションの向かいが、偶然だが、その相手の男の家だった。 奥さんが向かいのマンションに入っていく主人を見て、その後をつけて「それ」が知れた。 D子は大学を出ると、デリヘルで働き始めた。最初はセクキャバで働いたが、入れ込んだ客がストーカーのようになり、掲示板にいろいろ書き始め、それがもと でそこを離れた。 C歩はD子の紹介でデリヘルに入ったが、D子は2ケ月で地元の新潟に帰った。 C歩だけが残った。 ホストをやっているカレができた。もとは、ホストは営業にC歩を指名していたが、本カノ(本命の彼女で、色恋営業の客は「色カノ」と呼ぶ)になった。 1ケ月前、立町のホテルに呼ばれると、北海道の高校の担任がそこに居た。 チェンジしてくれるように言った。「帰さない」「一緒に帰ろう」と迫られた。携帯でホストのカレを呼んだ。カレがつくと、ホテルの中でもみあいになり、カ レがなぐりつけた。そのままぼこぼこに客はなぐられぐったりとした。 シャワーで客の鼻血を洗い流した。 客は死んだ。 ベッドの下に隠せないか?と思った。スペースはなかった。 「車を持ってくる」と言って、カレは部屋を出た。 部屋に戻ろうとする時にフロントのおばさんに声をかけられた。部屋番号を言って入った。 カレが部屋に戻ると、死体の顔は綺麗に拭かれていた。 背負って、死体を運ぼうとしたカレをC歩は止めた。 客は大きな袋に荷物を抱えていた。本が包まれて100冊以上あった。 それを、ぜんぶ風呂の上の排気の穴に移して、大きな袋を手に入れた。 そこに死体をつめて、深夜2時まで待った。 C歩は(ここがモーテルならすぐ出れるのに)と、言った。 モーテルにデリヘルとして呼ばれて、客が財布を車に忘れたと言った話をした。プレイが終わると、客は車に財布を取りに行くといって帰ってこなかった。車庫 に行くと、車はなかった。逃げられた。走ってそこを逃げた。店からは店に入れる分の半額は背負わされた。 ホテルから出た。ホテルの壁面の、大きな蝶をかたどったイルミネーションが目に入った。 車で5分、市の再開発で立ち退きが進み閑散となっている戦後まもなくの住宅地である追廻の先に行った。 浮浪者がいた。 昔ここでドライバーをしていたときにサボっていた場所が浮浪者に占拠されていた。すこし手前に戻り、広瀬川のそばに車を止めた。 カレは死体の靴を脱がした。 死体を川に置いた。 そのあと、そのすこし上流の大橋で車をとめて、橋の中腹のへこみに靴を並べ、財布を置いた。現金が入ったまま。 夏休みコハル、本屋○○書店) アツシがここに連れてきたコハルは「ショウタが通っていたカフェにいた」というのは、ホントらしい。でも、ここに来たのは、アツシがコハルの万引きを本屋で見つけたからだ。 (ショウタというのは、前述しているが、アツシの知りあいだ。) 仙台の、マンガを大量に在庫している書店の○○○だ。コハルは箱型の紙製ケースを万引き用に改造していた。本来、大きく開かないとものの出し入れができないケースなのに、横の1面を改造してあるので、そこから用意にものが出し入れできるようになっていた。 コハルがそのケースに本を2冊ほおりこみ、出口に向かい、出口でいったん引き返そうと方向を変えたときに、顔があったのがアツシだ。出口でいったん引き返そうと方向を変えるのは、「万引きしようと思ったが、やめた」のポーズだ。 ここで、後をつけている私服警備員がいれば、それを発見できる。発見できれば、本をまた本棚に同じような手順で戻すなり、いったん外にまた出してレジに向かえばいい。 交通違反の多くは、素直に認める犯人によって立件されている。自白だけが立件の証拠であるケースばかりで、「知りません」「やるはずない」「覚えていないけど、やってはいないはずだ」と言って素直に認めない犯人に、証拠をつきつけて違反を立件するのは容易ではない。 万引きも似たようなもので、現実、店外に出る前なら、「会計するつもりでした」と言い張れば、万引きは立件できない。「すみません、はじめてなんです」「ゆるしてください、もうしません」と言うから罪になるのであって、「防犯ビデオ」次第だが、「買うつもりでしたよ」「やるわけないじゃないですか」と言って素直に認めない犯人に、証拠をつきつけて違反を立件するのは容易ではない。かばんから商品が出され、警備室のテーブルに置かれたならなおさら、そこには「カバンの中にはもうない商品」がそこにあるだけで、とくにそれが女子高生だったら「このお店のおじさんが、『おまえ盗んだろ』って言って、『だまってやるから、エッチなことさせろと言っていやらしいことした』と主張されたら、それこそ店の店員が苦境にさえ立ってしまう。もちろん、「防犯ビデオ」次第だが。 アツシは顔のあったコハルに耳打ちした。 「それ、防犯のシールはってある。ブザーなるから」と。 コハルが本棚に引き返し、本をたしかめた。 袋の裏に白いシールが貼ってあるのを見つけることができた。 コハルはアツシにおどされるか、店員に告げ口されたのではと思い、しばらくそこを動けなかったが、しばらくしてなにもおこらないので、目立たないように店外に出た。アツシはそこにはいなかった。 その2週間後、駅裏(仙台は東口を駅裏と呼ぶ)の歯医者の待合室で合い、それが3度つづいたときに声をコハルがかけて友達になったのだ。 ジャンル別一覧
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