カテゴリ:音楽
<出 演>
フィリッポ二世(スペイン王): マッティ・サルミネン ドン・カルロ(スペインの王子): ヨナス・カウフマン ロドリーゴ(ポーサの侯爵): トマス・ハンプソン 大審問官(90歳の盲人): エリック・ハーフヴァーソン 修道士: ロバート・ロイド エリザベッタ: アニヤ・ハルテロス エボリ公女: エカテリーナ・セメンチュク テバルド(エリザベッタの小姓): マーリア・ツェレン レルマ伯爵/王の使者: バンジャマン・ベルネーム 天の声: セン・グオ きこり: オレク・サヴラン <合 唱> ウィーン国立歌劇場合唱団 <管弦楽> ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 <指 揮> アントニオ・パッパーノ <美 術> フェルディナント・ウェガーバウアー <衣 装> アンナ・マリア・ハインライヒ <照 明> ヨアヒム・バルト <振 付> リア・ツォラキ <演 出> ペーター・シュタイン <字 幕> 古田 耕史 収録:2013年8月16日 ザルツブルグ祝祭大劇場(オーストリア) 第一幕 16世紀中期。フランス、パリ近郊フォンテーヌブローの森(狩人の合唱「狩人に!(Su, cacciatori!)」)。スペインの皇太子ドン・カルロが婚約者のフランスの王女エリザベッタにお忍びで会いに来て(アリア「彼女を見て、その微笑に(Io la vidi e al suo sorriso)」)、偶然に彼女と出会い愛に落ちる。そこへ王女の小姓がやってきて、フランスとスペインの講和条約が成立し、その条件としてエリザベッタはドン・カルロの父フェリポ二世と結婚することになったという。スペイン大使とか家臣がやってきて(合唱「祝賀の賛歌が楽しく響く(Inni di festa lieti echeggiate)」)彼女の同意を求め、エリザベッタは平和のためならと同意する。彼女は立ち去り、呆然とたたずむドン・カルロ。 第二幕第一場 スペイン、マドリード。聖ジュウスト修道院の中庭。祖父カルロ五世の墓。修道士たちの合唱(「偉大なる皇帝カルロは(Carlo il sommo Imperatore)」)。いまは義母となったエリザベッタを忘れられないドン・カルロが思い悩み祖父の墓へやってきている。そこへ家臣で友人のロドリーゴが彼を探してやってくる。思い悩んでいるよりフランドルのプロテスタントの救助に立ちあがってはどうかとすすめる。彼らは宗教上の理由で国王から弾圧を受けているのだ。そこへ国王とエリザベッタの一行がやってくる。 第二幕第二場 修道院の門近くの明るい場所。皇后のお付の女官たちの明るい歌声(合唱「雄々しき、巨大なモミの木の下で(Sotto ai forti, immensi abeti)」)。女官エボリ公女もいる。ロドリゴはエリザベッタにドン・カルロがなぜか悲嘆にくれているのであって励ましてやってほしいと二人を会わせるが、エボリ公女はその原因はドン・カルロが自分を愛しているのではと誤解する。やってきたドン・カルロはエリザベッタにフランドルへ行くことのとりなしをしてほしいと頼む。エリザベッタは承諾し立ち去ろうとするが、二人は過ぎ去った愛の思い出に浸る。そこへ国王。ロドリゴに日ごろの忠節へ褒賞を与えようとするが、ロドリゴはフランドルの民への慈悲を請う。しかし国王はこれに応じず、大審問官に監視されていると警告する。また、皇后と皇太子の不倫のうわさにも悩んでいる、と語り、苦衷の心を吐露する。 第三幕第一場 深夜の皇后の館の庭。ドン・カルロは差出し人不明のそこでの密会の手紙をエリザベッタからのものと誤解してやってくるが、それはエボリ公女からのものであり、彼女が仮面をつけて現れる。彼女がエリザベッタだと誤解したドン・カルロは愛を語るが、仮面を取った彼女の顔をみて驚愕し、彼女に一切を気づかれる。ロドリゴが現れてごまかそうとするが、彼女は怒り狂いドンカルロの生死は彼女の手にあると宣言して立ち去る。 第三幕第二場 バヤドリードの大聖堂前の広場。群集(合唱「ここに喜びの日が現れる(Spuntato ecco il di d’esultanza)」)と大審問にかけられる人を連れてくる僧侶。王が到着する。そこへドン・カルロに連れられたフランドル人の代表が国王の許しを求める(合唱「陛下、いいえ、最後の時が(Sire, no, l’ora estrema)」)。国王は応じず、ドン・カルロと代表は引き立てられる。 第四幕第一場 王の書斎。ただ一人たたずむ国王(アリア「さびしくも一人寝て-彼女は私を愛しない(Ella giammai m’amo!)」)。大審問官がやってくる。ドン・カルロへの処分に悩む国王。厳罰を主張する大審問官。エリザベッタが宝石入れが盗まれたと入ってくるが、国王はそれはここにある、と中をあけ、ドン・カルロの肖像を出す。不倫を告白せよと迫る国王に潔白を主張するエリザベッタ。姦婦とののしられ卒倒するエリザベッタを見て日とを呼ぶ国王。エボリ公女とロドリゴがかけつける。気がついたエリザベッタに宝石入れを盗んだのは自分と罪を告白するエボリ公女。またドン・カルロへの愛のためエリザベッタを国王に告発したと告白する(アリア「おお運命の、残酷な贈り物よ(O, don fetale, don crudel)」)。 第四幕第二場 ドン・カルロの牢。ロドリゴが救出に忍んでやってくる。ロドリゴはフランドルの民衆を扇動したのは自分だと宣言し、ドン・カルロの身代わりになって銃弾に倒れる。今わの際に、聖ジュウスト修道院の母のもとに逃れて再起を帰しフランドルを救え(アリア「カルロよ、聞け(O, Carlo, ascolta)」)、と息を引き取る。国王も現れるが、警鐘が鳴りドン・カルロを支持する群集が乱入してくる。エボリ公女が手引きして彼を逃れさせる。 第五幕 カルロ五世の墓。エリザベッタ(アリア「おまえ、世のむなしさを知る者は(Tu che le vanite conoscesti del mondo)」)。これをやってきたドン・カルロがみつける。ふたりは永遠の別れをかわす。そこへ国王、大審問官、家臣一同がやってくる。そのとき墓がひらき、僧侶の姿をしたカルロ五世の霊が現れ、ドン・カルロを連れ墓に消える。 ヴェルデイ晩年の大傑作の一つ。第四幕の国王のアリア「さびしくも一人寝て」はヴェルディを代表するバスの名アリア。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.09.12 03:31:37
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