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ガラスの動物園 [10] (映画・TV)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】


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全て | カテゴリ未分類 | 映画・ドラマ

2012年05月21日 楽天プロフィール Add to Google XML

ガラスの動物園 [10]


あの大切にしていたユニコーンが落ち、角が折れた。
ジム(鈴木浩介)は困った顔をしたが、ローラ(深津絵里)はこう言った。

「いいの、、これで皆と、、同じになったの、、」


息を吸いながら、一語ずつ、、
ローラはきちんと喋った。
そんなローラに、"人と違った魅力を持てばいい"、とジムは励ます。

そして、、ローラにキスをする。
途端にあわあわしてソファに座るローラ。



トムはジムを姉と結び付けようとしたのだが
そもそも、相手にジムを選んだ事が間違いだ。
実は彼には、決まった相手がいたのだ。

それはローラにとっての始まりでなくて、、、終わり。
そして、それを知らされたアマンダ(立石凉子)の引きっつた笑い、、。



――― 蓄音機をゆっくり回すローラ。
ソファに座っているアマンダ。

トムはアマンダに罵られる。

…かなり興奮したふうなアマンダ。
背中向きでいて怒鳴る台詞だったが、若干、立石さんの台詞の聞こえが悪かった。
とはいえ、遠目にもブルブルと立石さんが震えながら怒っているのが分かった。

こういう時は、滑舌がどうの、、と言う事でなく
感情の叩きつけ方だと思うので、ストレートな感情を
客席でそのまま受け止めた。


ローラ、ゆっくりとソファに、、
そして眠る様にもたれて―――




トム(瑛太)は、その後の話を観客に語る。
舞台の左右から、ダンサー達の腕だけが出てる。
トムを迎える様に、腕だけが招く、、

あれから結局トムは、家を飛び出たのだが、、
心までは解放されなかったのだ。


ローラ、蝋燭の前に佇んでいる。

「その蝋燭を消してくれ、、!」


どこかで微かに風の様な音が聞こえている。

フッ、、
蝋燭の炎を吹き消すローラ。
暗転―――



トム、振り返ると明るくなる。
窓の方に寄ると、ダンサー達が出てサッと消える。


…暗転になった途端に、拍手がバチバチとあった。
拍手って、タイミング的に難しい事もあるし
暗転の間合いも幾分長かったから、拍手になったのも分かるけど
もう少しだけ"余韻"が欲しかったかな。

舞台が明るくなっても、瑛太は平然ともう一度拍手を受けたが
まあ何となく、キマリが悪いかも(^_^;)



今だからやはり、この物語は"絆"って事なのかな、、と思った。

自分が問題のある家族の一員ならば、精神的に、肉体的に、離れたい気持ちがあったとして…
それでも心の奥深い所で、どこまで裏切れるのか、、
どこまで断ち切れるのか、、

トムは見えない"絆"に、結局は生涯縛られる事になるのだろう。




「深津さんて元気なイメージがあったから、こんな役するのびっくりしたー、、」

終演後、近くの席のお客さんが言っていた。


私は舞台の深津さんの印象が強く、舞台はこういう役も多いから
"こうした繊細な役は深津さんなら適役" と思っていたので、
ちょっと意外に思った。

この方は多分、ドラマのイメージからそう思ったのかな。

そういえば、ドラマはわりと元気な役が多かったかもしれない。
どちにしても、、

"イメージを持たれる"って こういう事なんだなと…改めて思った。


最終更新日  2012年05月21日 22時54分57秒


2012年05月19日

ガラスの動物園 [9]



ジム(鈴木浩介)はポーンと言い放つと、上着を脱いで立ち上がる。
それに促されたかの様に、ローラ(深津絵里はアマンダ(立石凉子)に見せた
高校時代のパンフを見せる。

オペラの歌を聞いて感動した事。
パンフレットにサインが欲しかったけど、皆に囲まれていたから
近づけなかった事、、その出来事の全てをジムに語る。

「あなたが、、好きだった、、」

ジムはパンフレットを手に取り、あの時ローラが貰えなかったサインを
今してあげる。


…そんなにも昔の事を、いまさら持ち出してどうなるかと、、
でもローラには時は止まったままだし
ジムだって自分が一番輝いていた、一番良かった時代の事。

短い時間の間に、純粋に2人が近しくなるのが
違和感なくピュアに感じられた。


――― また蓄音機をガッと回し始めると、ローラはまた宝物を見せようとする。

「ガラスのコレクション、、ちゃんと手入れしなくちゃいけないの、、。」

ローラはどう思ったのだろう?
"綺麗だね"って、ジムなら一緒に眺めてくれるだろうと思ったのだろう。
でもジムは、こちらの世界の人ではないから
同調はしない。

それどころか、ジムは全く別の発想を思いつく。
ポン!というリズムで思考が移動する。

その閃きを、鈴木さんはリズミカルに演じる。
だから、ローラにとっての新しい世界の人という感覚が
観ているこちらも、同じ様に伝わってきた。


「、、君のコンプレックスが分かった!」


ジムはまるで心療内科の先生の様に、饒舌に話し出す。


…嫌味なく、あくまでも爽やか。
台詞の説得力も必要だけど、滑舌もいいし
ただそれだけで眠くなるだけ、って台詞のリズムじゃない。

"誰もが納得する言葉の力"
鈴木さんのジムは、これをキッチリ表現していた。

ジムに好感が持てないと、このシーンには同調出来ないだろうな。



――― 2人はソファに向かい合って座る。
下手、ラウンドテーブルのカラスの置物の前に
そのうちの、1つだけを取り上げて蝋燭の炎にかざす。

「おでこに、、一本の角があるでしょう」
「ああ、ユニコーン!」

蝋燭の炎で、また影が紗幕に大きく写つる。
でもこの影は、楽しそうに見えた。
だってローラは笑っているから。


どこからか音楽が聞こえ、2人は踊り出す。


…このシーンの音楽は、もう少し大きくても良かったかなと思った。
踊ろうよという気になるようには聞こえなかった。


「私を動かすだなんて、、出来っこない、、」

両手を組み、ローラを引っ張ると、、足がトテトテと動く。
ジムのリードに、ローラの脚は一歩ずつ下がったり、横にいったり、、

「嘘ォ、、!」

ローラは嬉しそう。
しばらくするとスムーズに動いている。
そして
後ろに下がった時、、、

身体がテーブルに触れた。

ガタッ、、!



最終更新日  2012年05月19日 21時15分12秒

2012年05月12日

ガラスの動物園 [8]



――― ローラ(深津絵里)は、ガラスの置物と向き合ってしまう。
が、アマンダ(立石凉子)の叱り声が聞こえ、戻ろうとしたところ
ガクッと膝から倒れてしまう。

紗幕の手前、ソファに寝かされたローラ。
幕の裏では、母親、トム、ジムの食事が始まるが、、、


…紗幕の前でぐったりしているローラ。
食事をしている3人。

観客は紗幕の裏と前で、ローラにとっての危機を見つめている。
その緊張感、、

サーサーと雨が降り出す音。
下手からダンサー達がヌゥ~ッと静かに出ると
見たくないというふうに、顔を覆いながら移動していく。

…ローラの気持ちと共に、彼女達自身の気持ちも表現しているかの様だ。



アマンダの笑い声。
落雷でか、停電して真っ暗になる。

それでも紗幕の裏では蝋燭に火を灯し、会話が続けられる。
ひたすら喋り続けるアマンダの声、、
蝋燭の炎でシルエットが壁に大きく映る。

…こういう"停電"のシーンではオーソドックスにある演出だけど
いいなと思った。
壁に映るシルエットは、、ちょっと怖い。

1人でいるローラと比較すると、それは恐くも見えるし
子供(ローラ)を誘う、"道化の影" の様にも見える。

この影は、今のローラの心にある光景だろうと思った。
怖くもある、、でも興味がないわけじゃない。
その葛藤、、


紗幕裏の3人の会話は
"ジムが具合の悪いローラの様子を見てくる" という状況になり、、



――― 蝋燭を手に、ジムはそーっと幕の裏から手前に入って来る。

「こんばんは ローラ!」

飛び上がって驚くローラ。
ソファと床を見比べ、「クッションいい?」と尋ねるジム。
と言いつつ、もう床に座り込んでいる。


「そこに座ったら見えないよ」
「私は、、見えます!」

2人は床に置いた蝋燭を挟んで座っている。

…ジムがあまりに自然に入り込んで来たので、感心する。
これなら、警戒しようがない(笑)

ローラの口調が微妙に変化する。
必死で普通にしようと、ゆっくり喋るあまり
語尾に力が入っている。
何かに似てる?、、と思ったら"戦場のカメラマン" の喋りだった(笑)

だからってわけじゃないだろうけど、、
ローラも必死なんだけど、、、
客席から、クスクス笑い声が聞かれていた。

ここは、ローラの悲壮感は無かった。
やはり懸命に向う姿が可愛く、いじらしい。
その必死さに、お客の心が緩んで笑うのかな、、と思った。


ガムを貰って、少しずつ打ち解け、、
ジムとローラはようやく喋り出す。

「歌は、、まだやってらっしゃるんですか、、?」


――― ジムは、学生時代の思い出をローラが知っている事を
不思議に思った。
会話の中から、少しずつそれが紐解けて、、

ジムは、床に両膝を投げ出して座っている。
ユラユラと足を揺らしたりなんかして、、

見れば自然体だ。
そしてその通りの状態で

「 君だけじゃない、誰だって、、悩みがあるんだよ!」


…ジム役の鈴木さんは、深津さんの可愛さ、儚さ、健気さをスッポリと
大きく包んでいた。
台詞からは勿論、存在がとても明るくて
まるでローラの世界とは対照的でいて、、、
何より、、説教めいた言葉(台詞)も、自然に耳に入ってくるのが心地良い。



最終更新日  2012年05月12日 22時24分48秒

ガラスの動物園 [7]



そして、アマンダ(立石凉子)
相変わらず若かりし頃の自慢話。
そうしてローラ(深津絵里)を元気づけ様としているのだろうが、、

…今言わなくてもええやん(^_^;)、とまあ相変わらず空気が読めない母親。
まあこれを不快に演じずに、コミカルな味を効かせるとこが
立石さんだなあ。



――― そしていよいよ。
訪問者の名前を聞き、ローラは座っていたソファから立ち上がって驚く。

「そんなハズないっ、、!」

ローラはガクガクと震え出す。

…深津さん、このあたりの台詞は、言葉を呑む様にゆっくりと喋っていた。
自分だけに言い聞かせる様に、。
そしたら、比較的いつもより普通に喋れている感じ。

それまでもゆっくりとは喋っていたけど、もっと言葉は途切れていた。
ローラの中の二面性、、
観終わった時、これが結局、後の事に繋がってたのかとも思ったんだけども。。




もはや、彼と同じテーブルに着く事は出来ない。
「別人よ!」と母親に諭されても、それはもう間違いない。

遠くで雷の音。
下手のドアから、コンコン!という音。

…このシーンの演出、面白かった。
出迎なければいけないローラと、部屋に入って来たジムと
紗幕の手前とその裏で、俳優が別々の空間にいる。
お客は、二次中継の様な感じで観ているのだ。



「私、、ムリ、、気持ちワルイ!」

ローラの悲鳴にも近い声と共に、
ゴトゴトゴト、、!とノックの音は次第に激しくなっていく。

…互いが見えない状況を観ている、、。
その事でこのシーンで緊張感が生まれていた。
まだ姿の見えないジムを、観客が想像する。
ドキドキした。



ローラは息をハクハクさせつつ、、蓄音機をガーーッ!と回す。
気を落ち着かせ様としているらしい。

「今すぐドアを開けなさい!」

、、、母親の声にやっとの事で頷くローラ。
蓄音機から、音楽が流れてくる。

ゆっくりと、、ローラは一歩ずつドアへ向かう。
途中、足がヨタッ!、、ともつれながらも。。


ローラは片手でそっと、ドアを開ける。




――― ジム(鈴木浩介)が部屋に入る。
ローラはジムの顔をまともに見られない。

「どぉしたんだい?」

ジムはポンと帽子を投げ、ローラにとっては全く空気を読まない状態で
部屋に入ってきた。

紗幕の裏側にローラが入ると、手前のソファには入れ違いにトム(瑛太)がジムと座り
ローラの病気について説明する、、
そこへ今度は、アマンダが入ってくる。


アマンダのわざとらしい世間話。
付き合って「ハハハハーッ!」と合せて笑うジム。

…2幕でいきなり登場したジム。
窮屈な3人家族の中で、全く違う空気を醸し出している。

淀んだ空気の中での清涼感、、屈託の無さ、、、
それまでずーっと舞台にいなかったのに、、
安心して、ジムの芝居に乗っていけた。
ジムの台詞に、客席の笑い声が重なっていく。


最終更新日  2012年05月12日 22時23分42秒

2012年05月09日

ガラスの動物園 [6]


2 幕


1幕終了の続きのまま、舞台最前に椅子が一列に並べられている。
トム(瑛太)がタイプをカタカタ、、と打ち始めると

柔らかな音楽。

ハッと振り向くと、音楽に合わせ、ダンサー達がサササ、、と出て
家具の配置をちょっと変え、テーブルクロスをかけたり
部屋を明るく変えていく。
椅子に座ったまま振り返り、トムはその様子を見ている。

ラウンドテーブルのガラスの置物にピンで照明が入っている。
トムは観客に語り出す。

「翌日 僕はジムを家に連れて来ました、、」


…同僚のジム(鈴木浩介)は、高校時代は八面六臂の活躍ぶりだったが
人生の途中より冴えなくなった、、
その経歴を観客に説明する途中、、

観客は ローラの好きだった彼 と合致する事に
気づくだろう。
ここからのシーン、その展開が面白いところだ。




舞台の中央を、薄い紗幕が仕切る。
転換がないので、空間を分割して、部屋の区切りを見せる。

――― ローラは(深津絵里)母アマンダ(立石凉子)から言われるまま
あれこれ指示をされる。

「今度は、、なあに?」

カクカクと後ずさりするローラ。
アマンダはズンズンと近づくと、いきなり胸にパットをギュギュッ!と詰めた。

「正直、、アンタ洗濯板だから!」

…お客さん、結構爆笑。
深津さん、スミマセン、、、私も爆笑、、。



―――  両手を組んでソワソワと落ち着かないローラ。
そして、、
正面をじっと見つめて、右、、横、、とそーっと身体の向きを変える。
それから自分の頭に触れ、胸をキュッと触って、、
結局は、胸パットを取り出した、、(笑)


…実際、舞台上には"鏡"は置かれていないが
ローラの動きでそれが分かるシーン。

自分の事をこんなに見つめる機会があったろうか、と
微笑ましくローラを観てしまう。
深津さんの動きの一つ一つも可愛くて、、


紗幕の裏側から、トムとダンサー達がその姿を見ている。
静寂、そして、、

「あっははははー!」

突然遮る母親の笑い声。
アマンダ、派手な真っ赤のワンビースを着て登場。

…立石ママ登場で、お客が笑う。
別に何もしてないんだけど、そのド派手な服が、、
娘の成人式に、母親も振袖を着てきた位にオカシイ、、(笑)


最終更新日  2012年05月09日 21時11分02秒

ガラスの動物園 [5]



蒸発した父親、、
地下倉庫で働き、一家を支えるトム(瑛太)
姉の為に、トムはいつも我慢している。

弟の自活は、姉(深津絵里)の幸せが決まってから、、
でもその姉は、日々ガラスの置物をいじって、擦り切れたレコードを聴くだけ。
この先、どうすれば?

ローラの為に、誰か男の人を紹介して、、
あんたが働いてる倉庫の人で、誰かいい人はいない?

切羽詰まった母親のアマンダは、トムに相談を持ちかける―――



――― ダンサー達はそーっと出て、舞台上のセットを変える。
舞台奥、トムは窓辺の机に向かいまたタイプを打ち始める。
ダンサー達はマッタリ、、と踊る。

ダンサー達の動き。
トムが息が詰まりそうになりながら、突破口を見つけ様としている
そんな胸中を表現しているかの様だった。

それと、彼女達がやるセット変え。
同じ空間で、家具の位置を変えただけだが
別の部屋に移動している事が分かる。
視覚的にも飽きる事なくやれている。


月の夜。
舞台手前に、照明が作る四角い枠。
これを、バルコニーに見立てているみたい。



「ええーっ!ぇぇぇーー!ぇぇえええ!」


…立石ママ、客席3方向に向かっての驚きのリアクション(笑)
映像なら、カメラがパンパンパンと抜いている様な、そんな感じ、、

立石さんは、笑いを取るのも自然だ。
客席が、ドッと笑う。

終にトムは職場から相手の男を見つけた。
しかも明日、夕食を招待したいらしい。

ダンサー達は、ゆっくりと椅子を舞台前面に並べる―――。



「で、、何て人?」
「、、オコーナー。」


舞台奥、いつもはトムが座るその場所に
ぽつんと、ローラが座っている。
寂しそうな背中。

母親は急に慌てる。

まずは、ブラシでトムのフワフワ髪をビターッ と撫でつけて
ソファに座ってるとこまで追いかけて、ビターッ と梳かしつける。

トム、自分の頭をペタッと押さえてヤレヤレの顔。

「母さん、姉さんにあんまり期待しちゃダメだよ」


…正論。

その間も、ずっと座っているローラ。
相変わらず背中しか見えないのだが、、まるで人形の様。


トム、出て行く。


――― 母親はローラを呼んだ。
月夜の晩、月に願い事をすると願いが叶うと告げ、、

母親はローラの背中に手をやり、促す。
ローラは手を胸にやり、願いを込める様に目を閉じた。

暗転 1幕終了





最終更新日  2012年05月09日 21時02分32秒

2012年05月02日

ガラスの動物園 [4]



――― ダンサー達が入り、ローラ(深津絵里)に白いガウンを着せる。
照明、一部を残して暗くなる。
下手、手前に酔った状態のトム(瑛太)。
鍵を探している様子、、ローラが迎え入れる。

大声で喋るトムに、母親が起きないかと心配するローラ。
ローラにお土産のスカーフを渡すと、、トムはそのままソファで寝ついてしまった。


ローラは1人、、スカーフをそっと頭から被ると
フワリ、、と宙に浮かべた。
幻想的な音楽。

…ここは、ローラがとっても可愛かった。
台詞はない。
CGで何か背景を見せるとか、そういう細工がないので
演じ手が、キャラクターの"何か" を伝えるべきシーンだ。

スカーフって、本来は何かを包み隠すものだけど
こうやってフワリと開放させると、とても自由な感じ、、
それがローラの悪戯心というか、子供心というか、、チャーミングさの中に
小道具として美しく見えた。



でもその細やかな妄想も、

「朝よー 朝よ起きて!」と、大きなアマンダ(立石凉子)の声に絶たれる。


ビクッとした瞬間、ダンサーにガウンを脱がされ元のワンピース姿。
すぐに照明がつき、パッと明るくなる。

…こんなに照明が明るくなっても、全体のグレーにすっかり色溶けて
何とも言えない色合いを出している。
計算づくだろうけど、物語の世界観が滲み出ている気がした。


――― ローラは買い物に出かけ、家にはトムと母親のアマンダだけになる。
昨夜喧嘩をした2人、気まずい事ったらない。

アマンダは、一歩ずつ…、一歩ずつ…とトムに近づき、、
(まるでカニの横歩き)
トムと目を合わせず、背中向きに椅子に座る。
2人は向かい合っているののに、目を合わせない。

…こういう光景、"あるある!"って感じ(笑)
さて、どっちが先に口火を切るのかなと、、楽しく見守ってしまう。
きっとお約束通りの流れだろうけど、いかに自然に俳優が魅せるかって事だろうか。


コーヒーを口にしたトム。
熱かったのか、思わず「ちぃっ!」と声を出す。
背中を向けていたアマンダは、その声にはっ? として振り返ってしまい
気まずそうに、そーーっと目を伏せた。

その時―――

「ごめん、、母さん、、」

トムが謝った。
するともう、アマンダは耐えきれず
「クッ、、ゥェーーッ!」と、、妙な声を出す。

…この時、お客さんが一斉に笑った。
私も笑ってしまったけど、、それって、アマンダのキャラクターが
ちゃんと理解出来ているからだと思った。

彼女のそれまでの辛さ、今の嬉しさが、この妙な声に凄く良く出ていて、、
"頑固な可愛さ"に、笑えた。


トムは、そっと立ち上がり
「ごめん、、あんな事言って、、」と続けた。

もう我慢出来ず、アマンダは泣き出してしまう。
そして

「1つだけ約束して~! 、絶対、、アル中にはならないで!」

…また、お客さんが笑った。
"そこかよ!" みたいな…(笑)

いいシーン。
大きな息子さんがいるお客さんだったら、じーんときそう。


最終更新日  2012年05月02日 22時51分14秒

ガラスの動物園 [3]




…ローラの深津さん、こういう役は適役だろう。
ガラスの様に繊細で可愛らしく、奥底に秘めた芯の強さみたいなものを感じさせる。


「あなた、、誰も好きになった事はないの?」

「ある、、わ、、一度だけ、、あるわよ、、。」


扉棚の中から、ローラは学校のアルバムを出す。
そこには、高校時代の憧れの彼が写っていた。

「もう、、結婚してるんでしょうね、、」


――― まるで彫像の様に佇んでいたダンサー達が
ローラの台詞と共に、蠢き出す。
そしてセット転換。

…2人のダンサーが、深津さんが座っていたソファを運び
向きを変える。
スムーズに見せなければ、不格好だけど
皆さん上手くやってるので、素早く転換出来ている。


母親のアマンダのテンションは、ローラと真逆だ。
ローラは言葉ばかりか、足にも欠陥があり悩んでいるが
"マイナスがあったら、それをマイナスにすれば良いのよ!"、、と前向き。

アマンダの感情は強弱の起伏が多いので
怒鳴りの台詞も多い。
ちょっと喉元に引っ掛かるというか、、やや聞き難い事もあるが
立石さんの台詞の音色は、とてもリアルだ。




――― そんな母親の行動を、トム(瑛太)が観客に語る。
理想の世界に意欲的な母は、来たるべき娘の番(つがい)の為に
"まずは巣作りから" と、、家の内装に出費。
それで、セールスの仕事を積極的にこなしていた。


下手から、電話をかけているアマンダが登場。
ペラペラと饒舌に、、お客相手に勧誘している。

毎晩、「映画に行く」とトムは家を出るが、、、
「そんな時間に映画はやっていない!嘘をついている」と、アマンダに罵られる。
母と折が合わず、口論するトム。

「阿片窟だよ!、、そうだよ!」


苛立ったトムは、乱暴に言い放つ。
アマンダはビクついて、声も出ない。

トムは出掛けようと上着を手にするが、上手く着られず
袖口に手を通そうとするも、もたつき、、
苛立ってコートをパシッ!と叩きつけた。

と、ラウンジテーブルからローラの『ガラスの動物』が落ちる。

「あたし、、のっ、、ガラスの、、動物園が、、!」

ローラ(深津絵里)の声に反応しつつも、トムは外に出ていく―――。


…このあたりは映像的な瑛太の芝居が、自然な流れで良かった。
繊細かつ神経質な様子も伝わってきた。

舞台は広い芝居空間であるにも関わらず
三者三様の空気がぶつかって、居心地の悪さを感じた。
ただもう少し狭かったら、もっと息詰る感じは伝わったろうが…。


最終更新日  2012年05月02日 22時36分25秒

2012年04月26日

ガラスの動物園 [2]


同居の家族は、アマンダ(立石凉子)と 姉ローラ(深津絵里)。

母親は、若かりし頃の自慢話をし
未だ嫁に行ける気配のない娘の事を心配し、、
トムもここに加わり、家族の会話となっていく。


ローラはかなり地味な色のワンビースを着ている。

「今日何人の好青年が来るかしらねえ?」
「誰も、、来ない、、と、思う、、
 母さんみたいに、、人気者じゃ、、、ないのよ、、。」


ローラは脚が不自由な上に極度に内気で、家族と語るにもやっと、、。
立ち上がって、下手側に行くと、、そこにはラウンジ・テーブルがある。
並べられたのは、小さなガラスの動物たち、、
これはローラの宝物だ。

――― ダンサー達は、セットを替える。
静かにすすり泣くかの様に、身体を動かしながら、、。

…ローラは内気だから、心内を吐露する事はしない。
ガラスの動物を眺め置く事で、色んな感情を消化しているのだろう。

ダンサー達の表現は、ローラの心でもあり、どこか歯痒く思う家族の心でもあり
そして観客の気持ちでもある様で、、、。


と、、
ダンサーの1人が、両足をダン!ダン!ダン!と踏みしめて歩いて来ると
続いて、母親のアマンダが怒りながら入って来る。

…この時、とても不思議な光景に見えた。
私にはダンサーが、母親を引き連れて入ってきた様に見えたのだ。

ローラがこの『ガラスの動物園』の中に逃げ込んでいるから
現実を突きつけようと、まるで少しばかり、意地悪している様に見えた。
このダンサー達の役割は、内でもあり外でもあり、、




「騙したのね!」

アマンダは強い口調でローラを叱る。
テーブル、真向いに座る母娘。

「母ァさん、、何が、、あった、、の、、?」

母親はローラの通う学校に行ったのだ。
それで先生にローラの話をしたところ、先生はローラの事をまるで知らなかった。

ローラはジッと固まって座っている。


「欠席! 欠席! 欠席!、、」

言いながら、拳でコン!コン!コン!と机を叩いて迫る母親。
やがてローラはプルプルと震えながら、真実を話し出す。


「外、を、歩いてた、、歩いてた、のよ、、。」


――― その場に佇んでいたダンサー達は、スーッと泳ぐ様に手で宙を掻く。

…母と、ローラの双方を静めるかの様な、その動き。


一日の時間を潰す為、図書館で時間を消費、、
そんな工夫をしてまで、学校には行けなかったローラ。
ダンサー達は、ローラの気持ちを代弁するかの様に、やがて
スーッと天を仰ぐ様に手を広げる。

…深津さんと立石さんといえば、『春琴』の共演がある。
あの舞台は、未だに私が観たストプレの中で尤も好きな舞台だ。
あれでは直接の絡みは無かったが、今回はガッツリ組んでいる。

2人は部屋の中を歩きながら、台詞を喋る。
何の変化もないこの空間で、どれだけ台詞を聞かせらるか、、
どれだけ飽きさせない様に観客に見せるのか、、

観てるとこれが、、深い!

ローラが話を聞きながら手前のソファに移る、、そうすると母親が喋りながら隣に座る。
台詞の合間のタイミング、動き、、
この時トムは、舞台奥の机の前に項垂れて座っている。

空間の中での3人の動かし方、人物の関係性、、これをキチッと見せている(見えている)ので
感心してしまった。



最終更新日  2012年04月26日 22時57分03秒

ガラスの動物園 [1]



日時・場所: 3/15(日) シアターコクーン
作 :テネシー・ウィリアムズ
演出:長塚圭史
翻訳:徐 賀世子
美術:二村周作
照明:小川幾雄

〔出演〕立石涼子 深津絵里 瑛太 鈴木浩介

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この演目は、中学の時に観た記憶がある。
確か、演劇鑑賞会でどこかの劇団が演じたものを観たはずだ。
ただその当時
多分、、中学生にはまだ難しかったのか、共感を得られなかったのか、、
そのヘンの理由はよく覚えていないのだが、、面白い舞台とは思えなかった。

なので…
大人になった今、この舞台にどんな感想を持つのか
ちょっと楽しみだった。


――― 幕開きの舞台。
広い奥行、全体は煤けたグレーの色合い。
左右にいくつかの扉、奥には窓、、そして下手側にガス灯。

客電が消えて真っ暗になり、薄らと照明が入る。
中央にはトム(瑛太)

ゆっくりと後方に行き、トムは机に向かう。
奥の窓にかかる光は優しく、綺麗な色合いだ。

トムがカタカタカタ、、とタイプを打ち始めると
舞台左右のドアから、たくさんの脚がスゥーッと出る。


…黒いスーツに、襟が広めの白シャツ、そして髭面、、
以前に舞台を観た時も思ったけど、瑛太は顔が小っさい!

そして突然の脚 脚、、脚、、
役名は【ダンサー】。
彼女達は、踊りながら登場人物の心情表現をし
その上で舞台上のセットを転換、、という役割で
ギリシャ悲劇でいうところの、【コロス】っぽい。

いわゆる、コンテンポラリー・ダンスというやつ?
台詞は無いが、これは演出の要にもなっている様だ。



――― 全身を、アイボリー色の薄い布に身を包んだダンサー達は
音楽に合わせ、ゆっくりと動き回る。
ギターの旋律が繰り返す、、

…背景は変わらない、トムはずっと背中を向けて
タイプを打ち続けている。

でも、このダンサー達の動きを見ていると、時間の経過を感じる。
そしてそれは、とても無機質な感じがする。


クルリ、、と1人が回ると、それを合図にするかの様に
全員がササッ! と引く。
それとほぼ同じくして、トムは立ち上がり舞台の中央へ。




トムは、自分がこの劇中の人物であると同時に
語り部でもある事を、観客に語り出す。
ここでダンサー達は動きを止め、全員が体育座りでトムを観ている。


…ポケットに手を突っ込んで、喋りだした瑛太。
今回は『語り』の為、まず滑舌は勿論の事、
分かりやすく、飽きさせない様に語らなければならないだろう。

「これは、、追憶の芝居です、、。」

以前に観た瑛太も、ここシアターコクーン。
この日はほぼ後方のド真ん中で、全体がよく観える席だ。
その上で、舞台劇に随分慣れたなと感じた。

日曜とあってほぼ満席、立ち見も出ていたが
その空間にしっかりと、余裕を以て立っていた。
"舞台の見せ方"っていうのを、心得てきた様に思う。
以前に比べれば、台詞にも余裕が出来ていたし、、。



こういう変化は、舞台では本当にすぐに分かるから
俳優さんそのファンの方も、演り(観)続けていれば面白いだろう。

「では、続きはこちらで、、。」


クルッ、、ダンサー達は悲し気に消えて
ここからその、追憶の風景が呼び戻されていく―――。


最終更新日  2012年04月26日 22時39分55秒


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