|
テーマ:映画レビュー(889)
カテゴリ:映画レビュー
ディズニー版「南極物語」(原題:EIGHT BELOW)を見る。
1983年に日本で公開され配給収入60億円(現在で言う興行収入に換算すると約120億円)と言う記録を打ち立てた同名作品のディズニーによるリメイク。(ちなみにこの記録は1997年の「もののけ姫」まで破られなかった) ストーリー 米国科学財団・南極基地。ここで働くジェリー・シェパード(ポール・ウォーカー)は、大自然に関する深い知識と的確な判断力を兼ね備えた超一流のガイドとして知られていた。彼の仕事を支えるパートナーが、犬ぞりを引く8頭の優秀な犬たち。だが、そんな彼らに記録的な大嵐が迫ろうとしていた。 ガイドの最中に突然やってきた記録的な悪天候の情報。基地に戻ろうとするジェリーたちの前に、次々と立ちはだかる難問。そして、かろうじて帰り着いた基地からも早期撤退を迫られたジェリーは、犬たちを置いて撤退する事に反対するが「すぐに後続隊がやってくる」と説得され、犬たちに「必ず戻る」と約束して撤退する。 しかし、気候条件の悪化に伴い、本格的冬の前に戻ることができなくなってしまう。冬が到来すれば数ヶ月は基地へ戻る事は出来ないと言うのに。 取り残された犬たちの運命は?ジェリーたちは再会することが出来るのか…? ディズニーらしく、映像も美しく、ストーリーも分りやすい、隙の無い作品に仕上がっている。 ただ、その分りやすいストーリーがちょっと軽く見える。日本版のあの「人間のエゴのために犠牲にされる犬たち」とか「犬を救いたいが、人間の命を最優先しなければならない現状に対する葛藤」みたいなものが殆ど無い。 しかも、「過酷な状況下で奇跡的に15頭中2頭だけが助かった」感動のストーリーが、「8頭中2頭だけ死んでしまって、その2頭は運が悪かった」みたいな出来になってしまっている。 過酷な状況にいるはずの犬たちの生活が、あまり過酷に見えないのだ。 死んでしまった2頭の死因だって、1頭は年老いて力が無くなっていたからだし、もう1頭はパニックを起こして(はしゃぎすぎて?)崖に転落したせいだし。 何か、生きようと必死になっていたのに、大自然の力の前になす術も無く…と言う感じではないのだ。 まぁ、そんな不満もあるが、犬たちの演技は素晴らしいし、南極の映像は素晴らしく壮大だ。 最後に犬たちと再会した時にはすっきりするし、トド(?)には驚かされる。 犬の演技は、犬1頭につきトレーナー2人がついて演技指導したと言うだけあって、細かい動きまで演技出来ていて、本当に犬の感情まで見えてきそうな気がした。 動物モノでここまで細かい動きを演じた映画を俺は知らない。流石ディズニー。 南極の映像は、流氷もオーロラも、吹雪でさえも美しい。ただ、ちょっとNHKとかABCのドキュメンタリーを見ているような気になってしまうが、マジ綺麗。 犬たちとの再会の時なんか、日本版のように「13頭の犬たちが死んでしまった悲しみ」が大きくないだけに、本当に「良かった良かった。おしまい。」と言う感じで超スッキリ。 そして何より、マジでトドにはびっくりした。 映画見ながら「ぅぉぅ!」と声が出てしまった。この映画で最高のシーンだなアレは あと、どうでも良い事だが、ヘリの通信とか、ちゃんとフォネティックコードで話してたりする所が、細かい事だがちゃんと作ってるなと思って感心した。 日本版のように、大人が見て感動のあまり涙する、何度も見たくなる。そんな映画ではないが、子供をつれて見に行きたくなる、そんな良い映画ではあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[映画レビュー] カテゴリの最新記事
|
|