ヒトクローン胚容認　総合科学技術会議調査会が強行採決
再生医療研究に限定
　再生医療の実現に向けヒトクローン胚（はい）の研究を認めるかどうかを議論する政府の総合科学技術会議生命倫理専門調査会は二十三日、基礎研究に限定したうえで研究成果を評価する制度づくりなどを条件に、ヒトクローン胚の作成と研究利用を容認する方針案をまとめた。
薬師寺泰藏会長が「難病患者に光をもたらすため社会的選択を行う」として、異例の強行採決を行った。
　平成十三年に施行されたクローン人間禁止法に基づく指針で、ヒトクローン胚の作成は当面禁止とされ、三年以内に見直すことになっていた。調査会は、解禁を求める意見と時期尚早とする意見に分かれ、判断を先送りしていた。
今回は、出席した十五人の調査会委員のうち十人が「再生医療の進展に向け、ヒトクローン胚による研究が必要な段階に来ている」などと、容認を支持した。

　七月末の同会議本会議に報告、文部科学省などが、卵子提供の規則など必要な実施条件の整備に乗り出す。
　方針案では「ヒトクローン胚に関する基礎的な研究の推進が再生医療の実現につながれば、医療体系を一変させるほどの恩恵をもたらす可能性がある」とし、生命倫理観や科学的知見を踏まえて基礎的研究の扉を開くこととした。
　ただし、クローン人間誕生の事前防止、未受精卵の入手制限と提供女性の保護など条件が整うまでは、作成は認めない。さらに、研究の成果や意義を科学的に検証する枠組みを整備し、必要な場合には中止勧告を行えることも条件に盛り込み、当面は限られた研究機関で実施されるべきだとした。
　クローン胚研究は、国際的にも賛否が分かれ、フランス、ドイツが禁止、米国は政府研究費を出していないのに対し、英国、韓国は条件付きで認めている。
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　≪安全、倫理面で高いハードル≫
　ヒトクローン胚を使った研究を認めるかどうか－。総合科学技術会議の専門調査会が「認める」とする方針を決めたのは、各国でしのぎを削っている再生医療の基礎研究レースが背景にある。
　現在、京都大学が受精卵から得る国産のヒト胚性幹細胞（ＥＳ細胞）を使った研究を進めているが、拒絶反応の問題は残されている。ヒトクローン胚は、患者と全く同じ遺伝情報を持つ組織や臓器を作ることができる。このため、基礎研究の進展を望む難病患者団体などの声は高かった。
　しかし、ヒトクローン胚を子宮に入れれば、クローン人間が誕生することになるため、世界的にもその扱いが分かれている。異例の強行採決になったのは、このまま議論していても意見統一するのは難しく、暫定的な結論を決めたうえで問題点を整理していく、という判断があったとみられる。
　クローンマウスを世界で初めて誕生させた理化学研究所の若山照彦チームリーダー（発生工学）は「規制をきちんとしたうえで基礎研究を行えばよい。臨床応用までには時間がかかり、人の胚を使わないでよい医学の進歩があるかもしれない。まず研究が先決だ」と話す。
　ただし、「倫理的な議論が尽くされていない」という慎重派の意見もあり、安全性や倫理面の条件整備など実施までに詰めていかなければならないハードルは高い。（杉浦美香）
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　≪ヒトクローン胚≫　核を取り除いた人間の卵子に、人間の皮膚などの体細胞の核を入れて作る胚。子宮に戻して順調に育てば、クローン人間が誕生する。医療応用では、患者の体細胞をもとにしたクローン胚から胚性幹細胞（ＥＳ細胞）を作り、移植用に神経や心筋などに分化させる方法がある。体細胞を提供した人と同じ遺伝的性質になるため、移植後の副作用がないのが利点。
産経新聞より。
この技術が日本で承認されることを、どれだけ多くの難病患者がまちこがれていたことか？
宗教だとか、生命倫理を問う声は聴いている。そういう人たちに言いたい。
自分が、家族がその技術があれば、生きていられる、光を取り戻せるとしたら、すぐに倫理をくつがえすだろう。生命とはいったいどの時点で固体として認識するのか？
それ以前に、人間が生きていく過程で生命を犠牲にしないものなどない。この技術を使ったから、人殺しをしているとでも言いたいのだろうか？
私の網膜もこの技術で、取り戻すことができる。視力を回復できる。
これを心待ちにしてきた。
多くの論文を読んだ。
どうやら、現在この方法が、最適のようだ。
実践的技術の開発に期待したい。
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