突然のお葬式に、葬式代を故人の貯金から一時的に引き出す。
故人が亡くなり、葬式をばたばたと実施したけれども、葬式代を払わなければならないとなった場合、葬式代を故人以外の方が出す場合もあれば、故人が準備をしていた場合もあるでしょう。しかし、一般的に、亡くなった方の銀行口座は、死亡届が出されて、その情報が金融機関にたどり着いた瞬間にロックされて引き出すことができなくなります。故人の遺産は、相続対象となるので、相続人での分割協議が必要になるからです。ただし、法律が改正されて、葬式に必要な金額については、故人の預貯金から分割協議前に引き出せるようになったという話がありました。いくらでも引き出せるわけではなく、預貯金残高 × 1/3 × 相続人の法定相続分が引き出せる、ただし上限は150万円とのことです。凍結された口座を解除するには、相続人全ての実印と印鑑証明が必要になります。もちろん、相続人を明らかにするための、故人の出生から死亡までの戸籍謄本(全部事項説明)も必要になります。この一時的な葬式代の払い出しについて、便利かというと、実はそうでもなく、遺産分割協議が終わってなくても払い出せるのですが、金融機関に対する届けについて、戸籍謄本と相続人全ての実印と印鑑証明が必要になるのです。結局のところ、葬式代の払い出しについても、相続人全てが納得しているという証拠が必要になるのです。これは、金融機関に対して提出する口座の凍結解除および、遺産の相続手続きに必要な書類と同じなのです…。なんじゃそれって感じですよね。まあ、相続人の同意なく、勝手に口座から引き出すことはできないというのは納得できますので、結局、そういうことなのかと思いました。ここで、また、落とし穴があるとすれば、死亡届を出した後に、戸籍の異動(更新)が行われますが、これに1週間かかるということです。実際には市役所に連絡すると、その情報が該当の市役所に届いてから、2,3日でやってくれるとは思いますが、出生から死亡までの戸籍謄本をゲットするまでも結構時間がかかるということです。これらについては特にご注意ください。