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環境・平和・山・世相 コジローのあれこれ風信帖

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2012年09月05日
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カテゴリ:社会

 いささか旧聞に属する話題になってしまったかもだが、福島市議会(粕谷悦功議長)は8月24日、公益財団法人日本生態系協会の池谷奉文同協会会長が不適切な発言をしたとして、これへの対応をめぐる経過を明らかにした。

 問題になっているのは、7月9日に同協会が東京都内で開いた「日本をリードする議員のための政策塾」という催しで、講師を務めた池谷奉文会長が「福島の人とは結婚しないほうがいい」「今後、福島での発がん率が上がり、肢体の不自由な子どもが発生する懸念がある」などと発言したこと。

 福島民友の報道によれば、講演会には全国の地方議員65人が参加、同市議会会派「みらい福島」所属の4議員も参加しており、同会派は到底容認できないとして7月24日に発言の真意と根拠の提示を求める確認書を池谷会長に送付。これに対し、池谷会長からは8月3日付で、内部被ばくリスクについての資料を参照してほしい旨の回答書が返送されたという。

 さらに、同市議会は一会派の問題ではないと判断。記者会見を開き、これまでの経緯と今後の対応を報告することを決めた。一方、同協会の担当者は「池谷会長本人は発言していないとしている」と事実無根を主張。今後、弁護士と対応を検討するとしていた。

 発言が事実とすれば非常識もきわまれりだが、ん~、これは言った言わないの水掛け論になるのかと思っていたら29日、生態系協会側が池谷会長の講演記録を公表した。聴衆も多くシラを切り通せないと判断したかもだが、そこには福島市議会が指摘した内容がそっくり含まれていた。「事実無根」の反論は吹っ飛んだわけだが、それよりコジローがぶっ飛んだのは当の池谷会長が「福島の人を差別するようなことは思ってない」と発言を撤回せず居直ったことだ。

 では、不適切かそうでないか、まずは実際に会長の発言を読んでみよう。

 

<池谷会長が公表した講演発言内容>(冒頭部分)

 それでは引き続きお疲れとは思いますが、しばらくご容赦ください。
 さきほどのチェルノブイリの話でございますけれども、放射能ってのは、怖いのは、人間は放射線には強いのでございまして、レントゲン写真を撮るじゃないですか、そんなことでそれほど放射線には、限度超えたのは具合が悪いのですが、かなり強いんです。本当の問題は後でございまして、日本は福島がそうですが、これからですね内部被ばく、これがどうしようもないんでございまして、これからの放射能雲が通った、だから福島ばかりじゃございませんで栃木だとか、埼玉、東京、神奈川あたり、だいたい2、3回通りましたよね、あそこにいた方々はこれから極力、結婚をしない方がいいだろうと。結婚をして子どもを産むとですね、奇形発生率がどーんと上がることになっておりましてですね、たいへんなことになる訳でございまして。(以下略)


 まず、結論からはっきり言うがこれはデマだ。

 広島長崎の原爆被爆者についての長年の調査でも、チェルノブイリ原発事故後の健康影響についての調査でも、「奇形発生率がどーんと上がる」などという科学的な知見は一切ない。また、福島第1原発の事故自体は重大で放射性物質の環境汚染も軽視できないが、チェルノブイリとは汚染の内容も度合いもおおいに異なる。チェルノブイリで起きたことが福島でも起きるというのはとんでもない短絡だ。さらに、事故直後の放射性ヨウ素によるダメージが正確に評価できていないため今後も慎重な経過観察が不可欠であり、またこれ以上の被曝を避ける放射線防護策も粘り強く続けなければならないが、WBC(ホールボディカウンター)検査によれば、これまでのところ子どもを含む被災者の内部被曝は幸いにして非常に軽い。

 原発事故直後には、セシウムもBq(ベクレル)もSv(シーベルト)も多くの人々には初めて耳にする単語だったし、政府や専門家を名乗る人たちの非常に不誠実で、ときには隠蔽やウソも含む情報操作もあって、疑心暗鬼に陥るのもやむを得ない面があった。そんなとき、より安全な側・・・ということはより危険性を強調する意見に人々が傾斜するのは、むしろ自然な対応であったといえよう。

 だが、それからすでに1年半を経て、先にも書いたように、福島第1原発事故による放射能汚染の具体的な実像も相当程度、明らかになってきている。ネット環境にある人なら、少し検索して調べれば、その証拠をいくらでも発見することができるはずだ。これらは、被災地で献身的に放射線測定や被災者の健康管理に従事してきた専門家や医療関係者たちの努力の賜であり、食品などの安全性を高めるために頑張ってきた農家や関係機関の労働者の気高い奮闘の足跡である。本当に、心から敬意を表したいと思う。ともあれ少なくとも今は「とりあえず危険と思って避ける」段階ではない。将来の危険をもちろん否定はしないが、その危険を正しく見つめ評価して対応することが必要であり、また可能になってもいるということなのだ。

 にもかかわらず、先のようなトンデモ発言が飛び出すばかりか、誤りを指摘されて訂正すら拒否するのは一体どういう了見なのだろう。 ひと言で評せば知的怠慢と言うに尽きる。あるいは、自分の頭で考えず、他人の風説に乗せられやすい付和雷同性格のなせるワザだったのか、いずれにせよ、「生態系協会」などという、一見科学的な雰囲気が漂う団体の会長にふさわしくない人物であることは確かだ。

 もうずいぶん前だが、TVの報道番組で福島の小学生の女の子が、「私は将来、赤ちゃんは産めるのですか?」と不安そうな表情で質問する場面を観た。  「怒!!」  腹の底から悲しみと怒りがこみ上げる。 「心配しなくていい!」と回答することは簡単だが、それより、いったい誰が、幼い子どもにこんな質問をさせるよう仕向けたのか! 広島長崎の被爆者たちへの差別はこうして福島で薄汚く生き延びる。その差別を産み出しているのは、この池谷会長のように科学的根拠に依拠せず過度に危険を言い募り不安を煽るデマゴーグどもだ。 もし目の前にいたら、殴り倒すかもしれないと思う。

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最終更新日  2012年09月05日 22時59分59秒
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