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まひるのサンタ!

ステレオ写真の撮り方・3

ステレオ写真(3D・立体写真)の撮り方・3

ステレオ写真の撮り方2  ステレオ写真の見かた  “より目の写真館”





3・中距離~接写時、視点・光軸の決め方!

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■被写体によりレンズやアングル、構図はケースバイケースですが、それはステレオ写真(3D)に限ったことではありません。

通常の写真でもポートレートでは105mm(35mmカメラの場合)や望遠レンズなどで背景をぼかす場合が多いようですが、ステレオ写真でも同様です。
一つの被写体にだけ注目させるなら、背景はいっそぼかしてしまう方が良い場合も多いのです。

花や子供その他多くの写真は環境が重要で背景は不可欠ですが、学術記録写真やポートレート、アーティスティックなヌードなど、無地一色の背景で対象物だけを正確に立体に撮らなければならないこともあるでしょう。

ステレオ写真文献ではどれも決まって『広角レンズがよい』と書かれていますが、それは『ステレオ写真はパンフォーカスが良い』と決めつけているからなのです。

本当は違います。

望遠レンズでも広角レンズでもそれはケースバイケースであり、単に表現の種類によることでもあり、好みでもあるのです。

ご存じのように 広角レンズはパンフォーカスにしやすいだけのことのです。
ステレオ写真でも背景やパースペクティブをコントロールするにはレンズも使い分けなければならないのは当然のことです。

ただ、初心者は基礎的には「広角レンズ使用でパンフォーカスが良い」とは思います。

立体視でも遠近を把握しやすく、それだけでとりあえず感動できるからです。
また、 立体視は最終目的ですから、あくまで基本は人間の眼で視ることであり、ステレオベースも70mm(63mm)で練習することはステレオ写真の標準としても重要です。

その後、背景の種類、有形か無地か、ぼかすかぼかさないか、背景と被写体との距離などによってレンズやステレオベースを調整する段階になります。

「遠くの物に合わせる」ということも知っていなければ背景までパンフォーカスで撮れても、立体視時に背景の左右が一致しづらく目が回ります。

また、背景が対象物に近いほどフレームに入れることが容易でステレオベースも限界まで長くできることなど、その理由もすぐに理解できるようになります。


■たとえば富士山を背景にポートレートを撮る場合、一番遠くの富士山は左右フレームの中ではなるべく同じ位置に入れます。
通常の写真のくせから、人をメインに構図したくなりますがそれでは富士山がステレオ視で一致しにくくなくなるのです。


↓このイラストでも、遠くの小さな星は左右の画像のほぼ同じ位置にありますが、近くの物ほど横にずれて配置されているのがわかります。
3Dイラスト

そして、この画像を元の絵として、下のように、卵形を中心になるように緑の枠でトリミングし、切り抜いたとします。

一見、遠景の小さな赤い星は左右の画像の同じ位置ではなくなるので「理屈と違うじゃないか」と思われるかも知れません。しかし、正しく撮られたステレオ写真の位相はトリミングしても保たれ、立体視の時には同じ立体感で正しく見えるのです。

ただ、どうしても立体視で“ちらつき”は出てしまいます。ステレオ写真では遠景から近景までなるべく左右に同一物体を入れるのが理想ですので、立体感を損なわない範囲でステレオベースを短くするのが自然なわけです。

立体感を強調したいときには(ステレオベースを広くして)、無背景か、長めのレンズで背景をぼかすなどの処理が必要になってくるのです。

トリミング

極端に言えば、同じ写真2枚が左右ですと立体感はありませんが当然完全一致します。そしてステレオベースを広げるほど“視差”により違った物体が左右に写ってきます。

そこで、遠景でも近景でも目立つ物は左右のフレームに入れておくことです。
このイラストでトリミングするときは遠景の小さな星は左右に残した方がよく、つまり、緑の枠より一回り大きく、星が入るように切りとるか、いっそ反対にデジタル処理で星を消去すればよいのです。


また絵柄のある壁紙の前で花瓶などを撮る際は、左右移動しても壁紙の位置の同じ部分をフレームに配置すれば、壁紙がちらつかなくてよいのです。

多少ずれても、立体視時点で眼は自然に調節するとはいえ、ずれの度合いに比例して眼が疲れるのです。

ステレオ写真では、 立体視するのが最終目標ですから、当然それを考慮するのが重要で基本的であることは言うまでもないことなのですが、つい、通常の写真のように左右それぞれ単独で、対象物を中心に構図してしまいがちです。

フレームに入る物体相互の距離や位置によって、構図の決め方や立体感の度合い、ステレオベース設定の関係はそのつど妥協点を探らなければなりません。

理想的には、左右のカメラの映像がモニターに写しだされて“試立体視”が出来れば良いのですが‥‥‥。



■上記の理由から、ステレオ写真を撮り始めるにあたり重要なことは、立体感を誇張できるからといって「あまりステレオベースを長くしないこと」です。

通常のレンズで言うならば、短いレンズよりも、素直な「標準」を使いこなすことが重要なのと似ています。

それが自然で素直なステレオ写真が撮れるばかりか、立体視も楽なのです。
マクロでは距離も重要になりますが、特にその傾向があります。

デジタル処理では、背景をボカしたり、要らない物を消去したり合成したり、といろいろ簡単にできて便利ですが、やりすぎると不自然さが反比例で増幅され見えてしまいますのでほどほどにしなければなりません。(^o^)丿
アリ
アリはデジタル処理です。ウェブサイトならではのGIFアニメです。

最終的には出来上がった写真左右2枚を目の前に並べてそれぞれの眼で別個に見れば、頭脳が2枚を合成し立体視するのです。

見方は後のページ“ステレオ写真の鑑賞方法”で解説しておりますが“より目の写真館”に数枚アップしておりますのでお試しください。
簡単に見方も解説しております。

★以上撮影方法の基本的な解説は終わりですが、その他のHow toや面白テク、裏ワザ、ステレオ写真の原理や歴史などに続きます。

文章、文字、内容その他改良のため変更、加筆する場合がありますのでご了承下さい。
またお気付きの点や、発見がありましたらなんなりと掲示板等でお知らせ下さい。


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