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テーマ:映画館で観た映画(8348)
カテゴリ:邦画
劇場は、まだ「昭和」の雰囲気が残る上野を選択。
この2本、ほぼ同時期に上映され、時代設定もとても近いので、どうしても比較されるし、感想までリンクしてしまいます。 結果から書くと、私は断然「ALWAYS 三丁目の夕日」 笑いも話しもすごく「ベタ」なのに(こんなにヒネた私でも)なぜか素直に泣たり笑ったり出来て、見終わって心が暖かくなりました。今年の邦画NO。1かも。 高度成長期に向かおうとしていた昭和32年に着工、翌33年に完成した「東京タワー」を見上げる当時の町並みを再現したCGやセットは凄いし、小道具も凝っていて細部までリアル。 だけどそれは、この映画のただの「背景」にすぎないのがいい。 それに比べて「カーテンコール」は、辛気臭くてイケません。 「当時」の回想シーンは、白黒だったせいか、なんだか暗い感じ(まるで「コープスブライド」の現実世界みたい) でも、コチラの作品を絶賛する方の言葉を(無断でスミマセン)お借りすると >「失われしもの」をただ懐かしむのではなく >二度と戻ってこない、かけがえのないものを優しく慰藉しようとした秀作である。 >「消えゆく職業」を、佐々部監督は温かく、哀惜をもって描いていた。 そうなのですが、 私は「カーテンコール」は(やけにセンチメンタルだなぁ)と感じただけで、「感動の涙」はちっとも湧いてきませんでした。 私が昭和三十年代の「日本映画の黄金期」を知らないせいでしょうか(任侠映画は好きですが) 主人公の女の子が『せちがらい、こんな時代だからこそ(この取材をしたいのです)』と言うのですが、このセリフも、あんまり「そのまんま」すぎて・・・。 あの時代に「みなと劇場」があって、安原修平という芸人がいて、皆が邦画に夢中だった時代があった。日本映画の斜陽とともに、芸人も劇場も姿を消した。安原氏は「在日」の人で、差別を受けていた。 人種差別も貧乏も、奥さんの病気も仕事がみつからないことも、ただ暗く陰気に見えただけで、そこからの「痛み」はちっとも伝わってきませんでした。この映画を見ても、ちっとも胸にせまるものが感じられなかったのです。 おまけに(マシュー)藤井が、ちっとも「飾り気のない素朴な人」「いい笑顔」に見えなくて辛かったー。鶴田真由も、すごく辛気くさくて嫌!この奥さんは、過去ばっかり見てるみたい(今を生きてない感じ) 個人的には、在日の「オモニ」にはもっとたくましく、したたかに生きてる人が好き。(「GO!」の大竹しのぶとか、「お父さんのバックドロップ」の南果穂みたいな) 過去が不幸だからって「おかみさん」がいつもあんなに陰気な顔してたら、客商売なんか出来ないって! だから私は断然、“明日に向いてる”「ALWAYS 三丁目の夕日」の方を支持します! (☆ここから先、軽~く「ネタバレ」です。これから見る方はご注意を!!) 「見えない指輪」のシーン、良かったー!(くう~っ。思い出しても泣けてくる) このエピソード、私もすごく好きです。 人は誰でもそれぞれ「人には言えない」事情を抱えて生きてる。 「夕日3丁目」の人たちも、いろいろな悲しみがあった。 彼女だけでなく、ホッペの赤い六ちゃんにも、町医者のアクマ先生にも。駄菓子屋に預けられた子どもにも。でも、それでも毎日、怒ったり泣いたり笑ったりしながら生きていく。それが人の営みってモンでしょ。 「カーテンコール」の「不幸」の描き方は、どうもストレートすぎる?気がして、いただけませんでした。 ご注意!!☆以下「ネタバレ」です!!☆ 「3丁目の夕日」のラストシーン、あれは「明日への希望」でもあるけど、私は「祈り」だと思いました。 家族そろって美しい夕日を見て、今の幸せをかみしめ、「明日もあさっても」こうして家族そろって夕日を見ていたい。という、平凡でささやかな願い。これは昭和和三十年代も今も変わらないですよね。 『明日もあさっても夕日はキレイだよ』この後の!台詞が重要です。 (サザエさんみたいな髪型した)薬師丸ひろ子の台詞です。 いつまでも夕日はキレイに決まってるじゃないか。という(未来を疑いもしない)幼い息子の言葉に、 母は、『そうだといいわね。』と言います。 これは、この母の(一井の人たちの)平凡でつつましい、「心からの祈り」だと思うのです。 この台詞は、家族や(世界平和?)への「願い」だと思いました。 どんな未来が待っていようと、人は「明日の幸せ」を祈るものでしょう? “ささやかな幸せ”を祈る人の心が琴線に触れて、泣けて泣けて仕方なかったです。 ♪愛は終わらな~い♪ かどうかは別にして、すごーく!良いラストだと思いました。 だから「三丁目の夕日」は、こんなに人気があるのでしょうね。 1日の「映画の日」に行ったら、上野セントラルは最前列まで満席でした。 お願いです、60歳以上の方は(いつでも1000円なんですから)1日だけ避けてくださいませ・・・。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 4, 2005 04:34:42 PM
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