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テーマ:最近観た映画。(38636)
カテゴリ:映画にっき
★★★★★
とても丁寧に作られたスキがない映画です。壮大なラブロマンスであり、戦争映画でもあり、緻密なサスペンスミステリーでもあり。そして実はそれらが人生という座標軸の上で地続きであることを、この映画は教えてくれています。 主人公のマチルドは戦場で行方不明になった恋人・マネクの生存を固く信じて独自の調査を続けるが、その様は消えかかっている点と点を丹念に結ぶ作業にも見えて、涙ぐましい。愛の強さと言えば聞こえはいいが、一種偏執的な思い込みともとれる彼女の強い信念が、全編セピアトーンの色合いの中でよく描かれている。 とにかく映像の美しさといったらない。フランス・ブルターニュ地方の街並みや、夕刻に佇む灯台と海の対比の美しいこと美しいこと。 その一方で戦争の場面は強烈なリアリティで描かれており、「人間の死」のあまりの緻密な描写に震えがくるほどだ。 ところで、ジョディ・フォスターが出てるのにびっくり。短い時間ながらしっかりと存在感を示しているうえ、完璧なフランス語を披露している。ちょっと上手すぎるんだが吹き替えだろうか??いずれにしても贅沢な配役であり、それが成功した。マチルドの両親も手塚治虫のマンガに出てきそうなキャラでとてもかわいらしい。 作品の責任といえるかどうかわからないが、気になった点を一つ。外国人の名前を覚えるのが苦手なせいか、人物の相関関係を把握するのにかなりエネルギーを使った。「えっとバストーシュってのは誰だっけ」「あれ?これセレスタン・プーかと思ったらゴルド伍長か、似てんなぁ~」みたいな感じでわかりづらいことこのうえなし。もう一回見直さないとだめかなと思ったのも事実です。これでもうチョットストーリーが複雑だと観客全員アウトかもしれません。 人気blogランキング←クリックをお願い致します お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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