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テーマ:DVD映画鑑賞(13597)
カテゴリ:映画
2002年カンヌ国際映画祭グランプリ、主演女優賞、
サン・セバスチャン映画祭国際批評家連盟賞、ハンブルグ映画祭ダグラス・サーク賞受賞。 『過去のない男』 原題;Mies Vailla Menneisyytta 制作データ;2002フィンランド・独・仏/ユーロスペース ジャンル;ヒューマン 上映時間;97分 監督;アキ・カウリスマキ 出演;マルク・ペルトラ/カティ・オウティネン/ユハニ・ニエミラ ◆STORY◆ 暴漢に襲われた男は記憶をなくし、救世軍に頼り生活していた。失意の中、救世軍の女性イルマに恋をする。彼女に「シャンとしなさい」と言われ目が覚めたように洋服を洗い、仕事を探していく。そんな中、トラブルに巻き込まれ新聞に顔が出ることに。。数日後、妻と名乗るものから連絡があった。 *********************************** "記憶喪失の話"ってよくあるが、この作品はなぜだろう、そういった類のものと一味違う 記憶をなくした男が、死にかかっていると近所の住民が通報するわけでもなく助けてあげる。 少しおちつくと、前の住民は凍死したというボロボロのコンテナに住もうとするのだが悪徳警官からは 「週に100出せ!でないと犬に鼻を噛み切らせる」とまで言われるがお金なんてあるはずもない。 またこの犬が"ハンニバル"という名前に似つかわしくなく、とてもかわいく美しい犬なのだ この警官もとことん私利私欲のためだが、見ているとなんだかそこまで憎めないから不思議。 ある日、彼が芋を育てると小さな芋6個のみ育った。そこへ貧しい友人が「芋がほしい!」と現れる。 彼「2個は来年のため。4個はイルマと俺の2人分のスープしか作れないからダメだ」 男「歯が抜けそうだから栄養をつけたい。半分でもいいから」と食い下がる 彼「・・・」半分与える いくら友人といえども、情けで行動はできない。生きるために皆必死なのだ。 断る時は断る、できることはしてあげる、こういった意志の強さや判断力がまた彼の魅力でもある。 掃除をはじめジュークボックスを修理し、古いフライパンで調理もお手の物。 そして、行動的な彼の周りには自然と人が寄ってくる。 この映画は、男の過去はなんなのか?というよりも人とのつながり・生きていく方法などに重要性を置いるように思う。イルマもいつも背筋を伸ばしシャンとして、自立した強い女を思わせる。 最後、彼の過去はあきらかになるのだが、そこは特にありきたりの話。彼がもう一度戻ってきて、 イルマにあい2人は手をとって線路を横切るシーンは”うまい!”の一言 *********************************** <総評>★★★★・ 全編通して、言葉の少ない静かな作品。 それだけに、見つめあい、堅く握手をし、うなづきあうだけで心が通じるのがわかる。 人は体一つあって、他の人の支えがあれがどこでも暮らして生けるのだと訴えかけてきているかのようだ。貧しくても心が豊かであれば、幸せな人生というのかもしれない。。 上映時間も短く、静かな作品でありながらメッセージ性の強い作品。 画面から訴えてくるものがあるので、何かをしながら見たりするとこの作品のよさはわかりません。 集中してご覧下さい。お勧めです 楽天ブログランキング←クリックしてください お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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