━『ベニスに死す 』



『ベニスに死す(1971) 』




『ベニスに死す(1971) 』
(原題:MORTE A VENEZIA/DEATH IN VENICE [米])

監督・製作: Luchino Visconti ルキノ・ヴィスコンティ
製作総指揮: Mario Gallo マリオ・ガッロ
原作: Thomas Mann トーマス・マン
脚色: Luchino Visconti ルキノ・ヴィスコンティ
    Nicola Badalucco ニコラ・バダルッコ
撮影: Pasqalino de Santis パスカリーノ・デ・サンティス
音楽: Gustav Mahler グスタフ・マーラー 『心の景色』
「マーラー:アダージェット(交響曲第5番 第4楽章)
Mahler: Adagietto (from Symphony No.5)」
衣装: Piero Tosi ピエロ・トージ


出演: ダーク・ボガード Dirk Bogarde <グスタフ>
ビョルン・アンドレセン Bjorn Andresen <タジオ>
シルヴァーナ・マンガーノ Silvana Mangano <タジオの母>
ロモロ・ヴァリ Romolo Valli
マーク・バーンズ Mark Burns
ノラ・リッチ Nora Ricci
マリサ・ベレンソン Marisa Berenson
キャロル・アンドレ Carole Andre
フランコ・ファブリッツィ Franco Fabrizi



「マーラー:アダージェット(交響曲第5番 第4楽章)
Mahler: Adagietto (from Symphony No.5)」
~『心の景色(オリジナル英語詩)』より

ずっとここにいたい 私だけの 内なる風景
この澄んだ静寂は、言葉では語れない
私を悲しませるもののない
魂の奥に広がる 心の世界
母の胎内に似た 安らかな場所



誰にも手の届かない この風景は
永遠に私だけのもの
”そのとき”がくるまで...
最後の息をする ”その瞬間”まで



目が眩むほどの色光の爆発
なんという 華々しさ...!
心は悦び! 翔んでいく 
みて! 美しいものは色褪せない
生命の壮大な神秘は
私のなかで輝き続ける



どの扉も この時空に繋がるの
過去と未来の境界線が
溶けてしまった異次元へ



いつでも還って来られる
私だけの 内なる風景
この澄んだ静寂を言葉にできる?
私に心を砕くものは何もない
魂の奥に広がる 心の世界は
人間の 最も神聖な場所



1911年のベニス・リド島を舞台に静養のため島を訪れた老作曲家、グスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)が、ふと見かけた美しい少年タジオ(ビョルン・アンドルセン)に心を奪われる。少年に心奪われた老作曲家は、ベニスの町にコレラが蔓延してもなお、少年の姿を追い続けるが…。
芸術家として、美を探求する者として、美とは何であるかを常に意識せざるをえなかったアシェンバッハ。神経質で几帳面、人間嫌いで貴族趣味、そして癇癪もち..のアシェンバッハは、薄汚れて陰気な迷路のような路地を、コレラの消毒液の鼻につく異臭、汗まみれになるシロッコの耐え難い暑さのなかタジオを求めて、次第次第に老いの孤独と死の予感に追い詰められてゆく。路地のあちこちから汚物を焼く煙が立ち昇り、煙の向うに佇んで振り向くタジオは美の具現などというものではなく、不吉な死の匂いが濃厚にたちこめるまがまがしい幻のよう...。

美しきもの眼に見し人は
すでに死の手に囚われし、
(アウグスト・フォン・プラーテン『トリスタン』の一節)



作曲家マーラーをモデルとしたトマス・マンの小説が原作。 マーラーの官能的な楽曲に誘われるようにして始まる導入部からして、魔力のような美しさを持った映画です。
ルキノ・ヴィスコンティは「この作品は私の生涯の夢だった」と語っており、終生の愛読書であるトーマス・マンの原作に改編を加え、主人公の設定を文学者から作曲家として映画化した。
ヴィスコンティはボガードに
「ただちに(演技の)研究を始めなさい。マーラーの全作品を聴くんだ。何度も何度もね。われわれは孤独について学ばなければならないが、マーラーの音楽を聴けば理解できるだろう。そして原作を何度も何度も繰り返し読まなければならない。それだけだ。原作の世界を生きるんだ.....。」
と忠告したという。


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<Luchino Visconti>


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どうぞ、このルキノ・ヴィスコンティの格調高き美意識に圧倒されてください。グスタフ・アシェンバッハ(ダーク・ボガード)の耽美的な死、そしてそれを死へと導く「小悪魔」的なタジオ(ビョルン・アンドルセン)の唯美!グスタフ・マーラー 「交響曲 第五番 第四楽章 アダージョ『心の景色』」に酔いしれてください。シーンのカット割り、構図、美術、音楽どれをとってもまさに映画芸術の最高峰!この映画の”蜜度”は年を重ねるごとに味わい深く、この美しくも残酷な映画の凄さが自ずからわかってくることでしょう。



『ベニスに死す』待ちに待ったオリジナルスコープサイズでのDVD化です!映画館でもビデオでもLDでも観ることができなかった高画質版での登場です。




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