カテゴリ:Dance
ダンサー宮良玲子とDJ大塚広子の30分一本勝負。
しばらくDJが続き、ほどなく、レイコがまるで通りすがりのように歩き出て来る。 失礼ながら浪人生のような、ただ白いシャツに紺のロングスカート。それは、装飾抜き、ダンスのための戦闘服か。 音楽に耳を澄まし、音との間合いを測るように、ダンスになる以前の小さなフットワークを続ける。 耳に手をやり、目をこすり、髪をいじる。時折フロアをぐるりと一周。 ジャズ、ハウス、アラブ、ファンク、アフロ、、、音の色が変わるたび、それが繰り返される。 後で聞いた彼女の言葉では、音楽と自分の波長を合わせる「チューニング」の作業だという。 あるいは、波に向かうサーファーだと。 なかなかパンチの出ないままラウンド(曲)の変わっていくボクシングの試合のように、派手さはないのに、見る側はひたすら緊張を強いられる。 当初の持ち時間30分を使い切ろうという頃、ようやく彼女の動きが饒舌になる。 右手首にはめていた黒いゴムで短い髪を束ね、ダンスが激しさを増す。 うまくしゃべらないカラダを持て余すかのように両手で乱暴に撫で回す。その様子が、なんともなまめかしい。 事前打ち合わせ無しのこのセッション、40分以上たってようやく終わりを迎えた。 。。。。。。。。 このイベントの主催者のインタビューを読むと、ダンサーの内面をあらわにするために30分という時間設定をしたのだと言う。 その意図に正面から応え、ルーチンを封印し、内から湧き出る動きだけで勝負したこのダンス。 それにしても、これが、ストリートダンスの範疇で踊られていることが衝撃だった。 舞踏、ではないのか? ダンスを習い覚える前、夢中でデタラメに踊っていたのが良かった、のだと彼女は言う。 言葉にならない叫びを発散したい、と。 (プロではなく)趣味ゆえの(ホントに楽しみの)ダンスを踊りたい、と。 ダンスに対し葛藤を抱えている、そういうとき、自分の原点に立ち戻るのは正しい、と思う。 今回あえてルーチンを封印し、原始衝動で踊った彼女が、次にはより先へ進むことは間違いない。 そう確信している。 。。。。。。。。。 あーしかし、もし僕がDJだったら彼女の波動にチューニングを合わせた選曲ができただろうか? もう少し長め、10分~15分のグルーブで、踊るまでまとうホトトギス作戦か。 挑戦しがいがある。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 29, 2009 07:27:40 AM
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