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カテゴリ:おはなし
以前に書いた三丁目の夕日的なヤツの続きです。
リカちゃんは踊り子をしている姉のシオンさんと二人暮らしをしています。 「・・・シオン姉さん、今日はなんだか具合が良くないみたい」 「ん・・すごい熱!今日は学校はお休みね。リカを置いてはいけないし、姉さんもお仕事休むわ」 「いいの?・・・でも、姉さんと一緒にいられるから嬉しい」 「お粥用の卵と、リカの好きなバナナも買ったし・・・それにしても、子供の時に習ったバレエのおかげとはいえ、私いつまでホールの踊り子してればいいのかなぁ。でも、リカには私のような苦労はさせたくない、ちゃんと学校も出してあげたいし・・・」 考え事しながら歩いていると、躓いてしまいました。 すってーん! 「あっ・・・た、卵が・・・」 「わ、君、大丈夫?」 「大丈夫?怪我ない?」 「あ、ありがとうございます・・・あの、もし良かったらお名前を・・・」 「僕は堅(けん)。そこの工場で工員をしています」 「私、シオンといいます」 「へー、妹さんと二人暮らし。えっ?今日は具合悪くて寝てるの?じゃぁお邪魔したら悪いし・・・」 「リカ、ただいま」 「姉さんお帰りなさい。あら?そのお兄さんは?」 「転んでしまって助けていただいたの」 「えぇっ、姉さん怪我したの?大丈夫?踊り子のお仕事出来なくなっちゃう!」 「(もう、リカったらなんてこと言ってくれるの!)・・・あのっ、やましい仕事じゃなくて、昔、バレエを習ってたから、両親が亡くなって、生きてくために、その・・・」 「いいお姉さんだね。僕は学徒動員で戦争に行って、実家は軍需工場として接収されて、親兄弟は空襲で亡くなって・・・芸も学も、何もない天涯孤独の身なんだ。だから、食べていけるだけの特技がある君のお姉さんも、たった二人でも家族のいる君も僕にはとっても羨ましいよ」 「・・・」 「具合が悪いところに上がり込んでごめん。お大事に。僕帰ります」 「あの・・・また、リカが元気になったら改めてお礼に・・・」 「また、お伺いしてもいいですか?」 「では、また・・・」 「えぇ、また・・・必ず」 「リカね、姉さんがあのお兄さんと結婚したらいいなぁって思ったの」 「まぁ、何ませたこと言ってんの!それよりお粥は食べられた?」 口では叱られましたが、姉さんの目は怒ってませんでした。 またまた妄想が長くてスイマセン。この間の話だけではちょっと寂しい感じがしたのでちょっと色のある続きを作りたくなって。また気が向いたらもう少し続くと思います。 ジェフは昔の名前で出ています(by小林旭)的なことに(笑)。 リカちゃんの着物はサーヤさんからいただいた物です。ありがとうございます! 今日はおとさんが福引きで貰ってきた券でサーカスを観に行ってきました。 子供の時に中国雑伎団のを見たことありましたが、そのときは「スゲー」って素直に喜んでたんですけど、大人になってから観ると「ギャー骨折れる!腕抜ける!頚損になる!」と違う見方ですごいスリルが・・・うん、面白かったです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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