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カテゴリ:TV・映画
2006年2月25日放送 TOKIO&養老孟司さんの
『生命38億年スペシャル 人間とは何だ!? V』 ~神秘の脳!日本人の心を探す感動の旅 ※番組レポートを各コンテンツに分けてUPしています。 くわしくは、こちら ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~ ☆日本の伝統文化と脳 国分:ということで、日本の伝統的文化がいかに、脳を活性化するのか、なんと、 ボクの脳を使って実験しました、どうぞ! 脳を育むために大切なのが、身体の動き。 じつは、私たちの身の回りにある、意外なものが脳を活発にするのです。 実験:日本文化は脳を育てるのか!? (協力)諏訪東京理科大学 脳システム論 篠原菊紀助教授 (あたまにイボイボ帽子をつけられている国分。 装置等の名称も説明もない⇒「光トポグラフィー」というそうです) 国分:脳をあんまし使っていませんねとかそういう結果とか出たりするんですか? 篠原:頭の良し悪しを見るのではないので、心配しないでください。 国分:よかった~ 最初の実験は、 「はし」と「ナイフ・フォーク」を使って食事をしたときの脳の働きを調べます。 どちらのほうが、脳は活発に働くのでしょうか? まずは、「はし」の場合。 国分:いただきま~す。あれ、こんなに不器用だったっけ、オレ? 悪戦苦闘していますが、脳は活発に働いていました。 (活性を示す帯状のサーモグラフィのような表示) 赤い部分が盛んに活動しているところ。 特に強い反応が見られたのが、この2ヶ所です。 ひとつは前頭葉。 物事を考え、判断し、行動を決定します。いわば、脳の司令塔です。 もうひとつが、運動と感覚を司る部分。 外からの刺激に反応し、それに合わせて身体を動かすときに使われる場所です。 はしを使うだけで、 指先の動きを決める前頭葉が、運動感覚の領域までもが活性化していたのです。 と、ここで、お腹を空かしていたようですが、 データがとれた時点で実験は終了です。 続いては、同じ食事をナイフとフォークで。 今度は食べやすい反面、指先の細やかな動きを必要とせず、 脳の働きは一向に活発にはなりませんでした。 明らかに、はしで食べていたときのほうが、 運動・感覚を司る部分に高い活動がみられたのです。 国分:うわ~ぁ、真っ赤。 はしっていうのは、指先の感覚をよく使ってるってことになるんですか。 篠原:そうですね。日本的な食事作法(はし)のほうが、細かく脳を使ってる ということになると思います。 さらに、こんな懐かしい遊びでも実験してみました。 国分:金魚すくい?? どれいこう?(1匹すくうのに成功) おっちゃん:お~上手やねぇ兄ちゃん 国分:(大きい出目金に紙を破られる)うわ~っ! おっちゃん:惜しかったねぇ 国分:こんな難しかったっけ~? このとき、脳には著しい変化が。 篠原:次の先読みを、計画的にやったりとか、今(金魚が)どういう状態にいるとかを 一時的にメモリーしたりとか、そういうことで判定する場所ですね。 国分:え~!? 金魚すくいってこんな頭使うんスか? 脳は、狙った金魚と手の位置関係を一時的に記憶、 そして、逃げる金魚の動きを予測し、手の動かし方を瞬時に判断していたのです。 楽しみながらも、前頭葉をはじめ、脳はフル回転。 とくに身体の動きを司る部分は、はしと同様に強い反応を示していたのです。 今度は、テレビゲームと比較してみます。 どちらも指先を使いますが、実験結果に大きな差が。 テレビゲームでは、全体的にわずかな反応しかみられません。 金魚すくいのほうが圧倒的に脳が活発に働いていたのです。 さらに、細かく指先を使う「折り紙」も、 金魚すくい同様、強い反応がみられました。 (次は「けん玉」) 古くから親しまれてきた遊び。 日本人の感覚を、こんなにも育んでいたのです。 篠原:(日本的な)遊びとか文化だとか、そういうものが失われてきてるということは、 日本人独特の身体感覚だとか、手先の器用さだとか、そういうものが 失われていくということにもつながっていくんじゃないかというふうに、 一種の危惧みたいなものを感じました。 身近にある、様々な外部刺激によって、身体感覚を使う。 それが脳を活性化させ、成長を促すのです。 日本人は、その豊かで繊細な自然からも、身体感覚を磨いてきました。 小川に足を浸せば、ひんやりとした感覚が。 田んぼに踏み込んだ時の、柔らかな土の感触、新緑の香りなど、 本来、日本人は、こうした感覚を大切にして、 脳と身体のバランスを保ってきたのかもしれません。 国分:はしっていうのは、相当やっぱり動きが複雑ですよね。 養老:ものすごく複雑。それと感覚を相当使ってるんですよね、あれはね。 自分の物でない「はし」とか。いつも同じ物を使っているでしょう、 違うよってわかるでしょう。 その時の、何グラム違うかって量ったら、とんでもない細かいんですよ。 国分:そういうのもわかるんですか? 養老:そう、ほんのわずかな違い。で、長さも違ったらすぐわかる。 感覚のズレを使ってるんですよ。 国分:VTRにもありましたけど、やっぱ自然に触れるっていうことが とっても大事なんだなってことがわかりましたよね。 山口:裸足だよ、はだし! 国分:裸足ってほんとに、僕らお米も作ってるじゃないですか、あれもやっぱ、 裸足になって土に入って、べちゃ~っていう感触がまた気持ちよかったりとか。 山口:またね、良い土悪い土わかるからね、足の裏で。 国分:都会にずっといるとなかなか自然に行くっていうか、 田舎に行くってことがなかなかできないじゃないですか、それでも、 忙しくて行けない人とかの場合ってどうしたらいいんですか? 養老:それは、自分の身体ですよね、こんどは。自分の身体っていうものを素直に、 「自然」として受け取るっていう受け取り方ができるんですよ。 国分:大人でも感覚の達人っていう人はいるわけですよね。 僕はこの方たちに会ってみまして、すごいことを体験しました。(VTR)どうぞ。 “感覚の達人”その驚くべき世界 (能舞台。ひとりの能楽師が演じる) 感覚だけで脳を満たす。そんな神秘の世界をつかんだ達人がいました。 観世流 能楽師 梅若猶彦さんです。 日本が世界に誇る舞台芸術、「能」。そこに笑い声や泣き声はありません。 にもかかわらず、神秘的かつ幽玄な空間をつくりだし、観客の心を打つ。 その秘密は、役者の感覚にあったのです。 ほんのわずかな動きだけで、人物の心情を巧みに表現する。 そのとき、梅若さんの頭の中では、驚異の感覚世界が広がっていました。 ~脳でつくられる感覚世界~ 私たちは脳の中で感覚世界がつくられる瞬間をとらえることに成功しました。 協力していただいたのは、脳解析の世界的権威、 小泉英明博士((株)日立製作所 基礎研究所)です。 (国分のように頭にイボイボキャップを被って立つ梅若さん) あえて舞台ではなく、お囃子もない状態。合図とともに感覚世界へ。 すると、即座に反応が。 概念を生み出す前頭葉は静かなまま。 一方、感覚を統合する「角回」の部分が急激に活性化したのです。 小泉:自分の中に、一つの特殊な感覚を作り上げて、 その感覚世界の中で、自分が行動している。 (普通の人には)これはできないと思いますね。 前頭葉を意識的に沈静化させることこそ、達人のなせる業(わざ)。 お囃子など、外からの刺激は、一切必要ないのです。 脳の中だけで感覚世界をつくり、そこに浸ることができるのです。 では、まわりの状況とは関係なく、瞬時に作られる感覚の世界とは、 どのようなものなのでしょうか。 梅若:心の世界の話なので、 べつに茶室である必要もないし、大自然で滝の前でもなくて、 滝の前に行ったような状態にすることが目的なわけですから、 簡単に言ってしまえば、バスルームでも便所でもいいわけなんですね。 長年受け継がれてきた、伝統文化の中に生きる梅若さんだからこそ、 為し得た業なのです。 「能楽への招待」 梅若猶彦・著 ~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~*~ つぎのコンテンツへ。⇒ こちら お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 20, 2006 06:24:15 PM
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