カテゴリ:90年代女性ソロ
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「バグパイプやフィドルといった楽器を真似て唄われるゲール語民謡(マウス・ミュージック)を…」と帯にある。 マウス・ミュージックとは、ゲール語文化圏でダンス曲で伴奏に使用されるフィドルやバグパイプの調子を歌声で真似たものを指していたそうだ。 私はボシィ・バンドがアカペラで披露していた風変わりな曲3やスコットランド民謡の6に惹かれて買ったから、マウス・ミュージックの存在はここで初めて知ったし、もちろんタリサ・マッケンジーの名前もそれまではまったく耳にしたことがなかった。 アイルランド系アメリカ人であるタリサはマウス・ミュージック(グループ名)の正式メンバーとしてそのデビュー作に歌を吹き込んだのち、93年にソロ1作目を発表。本作「スピリット」は2作目となる。 楽器の音を声で表現するということは、リルトのような歌唱法なのかな?と思いながら聴いたが、それとはまた違う。 歌詞の多くはゲール語で意味もちゃんと内容もあるし、人声なしのインストも入っている。 これだけなら通常のフォーク作品と変わらないが、タリサの歌声は高低差が激しく歯切れも非常に良い。曲調もケルトというよりはワールド的で(ワールドの中にケルトも含まれているんだけどさ)土臭さはほとんど感じられない。 キーボードで作り出す様々な音色や各種打楽器がつむぎ出す楽曲はレゲエや現代音楽、聖歌や呪文を思い起こさせ、大陸的なスケールの大きさを感じる一方、軽くトリップしながら踊るクラブで流れているような雰囲気もある。 子音の多い聴き慣れない言語で歌われていることが多いからだろうか、同じ曲でもタリサによるこちらは未知なる何かがある。第三世界の神秘さとでも言うか…。 ●ボシィ・バンドによる“Fionnaghuala”が収録されているアルバムはこちら ●6を演奏しているのは以下の通り ニーヴ・パーソンズ→レビューはこちら アイラ・セント・クレア→レビューはこちら ジョンストンズ→レビューはこちら 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/11/03 05:57:29 PM
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