カテゴリ:70年代男性ソロ
4年ほど前にブックレットの紛失に気付いたけれどCDの盤そのものは無事だから別にいっか、などとのん気に構えているがジャケのアートワークは素晴らしいので「ピンク・ムーン」をお持ちでない方は是非グーグルのイメージ検索ででも探してみてほしい。 「nick drake pink moon」でググって一番最初に出てくるシュールなイラストがそれ。 48年生まれのニック・ドレイクは、26歳での抗鬱剤過剰摂取による死までにわずか3枚のスタジオ盤しか残していない。 これは生前最期の作品で、つまりは遺作にあたる。 全11曲にしてトータルタイムは30分弱、こじんまりとした内省的な空気が漂っていて、声量はあまりなさそうな虚弱体質っぽい歌声(実際にはスポーツ万能だったらしいけど)とアコギ1本の弾き語り形式がとられている。 ストリングスやエレキ楽器も入っていた前2作に比べると圧倒的に地味で暗い。 ある意味、最も期待を裏切らない作品かもしれない。ズブズブと深みにはまっていくような翳りを湛えていて、私などは単純だから「こりゃ確かに鬱病患者の作る音楽だなあ」と思ってしまう。 音楽だけでなく表情も影が落ちまくっており、黒目がちな目もどこか寂しげな眼差しだ。 この人は仮に亡くなっていなかったとしても、表舞台からはすぐに身を引き伝説的存在として崇められる運命にあった気がしてならない。 オリジナルアルバムは3枚のみだが、発掘音源などがいくつか出ている。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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